乗用車

クリーンで安全、スマートかつパーソナルな乗用車の実現に向けて

乗用車における半導体ベースの機能とインターフェースは、モビリティ セクターの脱炭素化と持続可能なモビリティを推進します。インフィニオンはセンサー、マイクロコントローラー、コネクティビティ、パワー半導体、セキュリティ ソリューションの専門知識により、自動車の脱炭素化とデジタル化を可能にします。

電動化

ユビキタスeモビリティを実現するインフィニオンの半導体

インフィニオンは自動車やパワー エレクトロニクスのリーディング サプライヤーとして、幅広いポートフォリオの半導体ソリューション、卓越した技術、製造ノウハウで自動車産業に貢献しています。2021年の時点で、プラグイン ハイブリッド電気自動車やバッテリー式電気自動車に使われているインバーターの約2台に1台がインフィニオンのパワー半導体を搭載しています。

インフィニオンの強みはフルシステム ソリューション、高品質、そして強力な供給能力です。あらゆるタイプの電気自動車に対応する幅広いパワー半導体と制御ICにより、電気自動車の本格的な普及を加速し、自動車業界の野心的なフリートCO2目標達成に寄与します。

E-Mobility Guide: Good to know

Interview: About the future of electromobility and the role of semiconductors

環境意識や人口構成の変化、新しい労働形態、デジタルライフ スタイルにより、人々の嗜好は変化しています。モビリティは従来の自動車から電気自動車へのシフトが加速しています。

二酸化炭素の排出削減には、徹底的な電動化以外にほとんど方法がないという事実がこの傾向に拍車をかけています。さらに、国内外の政策的な規制も自動車産業における持続可能なモビリティに向けた動きを助長していますこれまで66か国が2050年を目処にゼロ エミッション車の導入目標や内燃機関 (ICE) 車の段階的廃止を発表しています。

エレクトロモビリティはこうしたすべての動きの基盤となるものです。しかし、エレクトロモビリティを成功させるには、自動車の電動化だけでなく、それを支えるエコシステムや再生可能エネルギーの充電インフラ、さらにはカーボンニュートラルな自動車製造が必要です。自動車の電動化とそれに伴う充電インフラの中核を担い、地球を守るためのカーボンニュートラルなモビリティへの変革を推進するのが、半導体をベースとしたマイクロエレクトロニクスなのです。

エレクトロモビリティは急速に現実のものとなりつつあります。実際、さまざまな新車が電動化されています。電気自動車 (EV) のパワーと利便性を実証するため、Volkswagen America (フォルクスワーゲン アメリカ) は、長距離運転のエキスパートであるRainer Zietlow氏と提携し、2021年に「VW ID.4 USA」ツアーを実施しました。インフィニオンのスポンサーシップのもと、Zietlow氏のチームはギネス世界記録を達成しました。2021年7月13日から2021年10月18日の間に35,840.67マイル (57,679.97km) を走行した記録は電気自動車による単一国での最長距離となりました。このドライブ ルートには、ミシガン州リボニア、カリフォルニア州サンノゼ、カリフォルニア州エルセグンド、テキサス州オースチン、ワシントンDCなど、インフィニオンの5つの拠点も含まれています。さらにVW ID.4には、パワー半導体、マイクロコントローラー、ドライバーICなど、50種類のインフィニオン半導体が使用されています。電動ドライブ トレインの心臓部には、バッテリーとモーター間のエネルギー変換を司るHybridPACK™ Drive製品ファミリーのパワー モジュールが搭載されています。

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エネルギーの増大とパワー ロスの低減

電動機はトラクション インバーターと呼ばれるメイン インバーターで制御されます。このインバーターは直流 (DC) を交流 (AC) に変換し、モーターを駆動する役割を担います。また、AC周波数を調整してモーターの回転速度を変える機能もあります。インフィニオンは車載用シリコン (Si) やシリコン カーバイド (SiC) 半導体の包括的な製品ポートフォリオを提供しています。私たちのソリューションは幅広いモーター、発電機、および電力クラスをサポートし、電力損失を最小限に抑えることによってインバーターのエネルギー効率を向上させます。

                     インフィニオンの製品ポートフォリオ

                     32-bit AURIX™ TriCore™マイクロコントローラー

                     CoolSiC™ パワー MOSFET

                     IGBT モジュール

                     ダイオード

スマートフォンからタブレット端末、電動工具、電気自動車に至るまで、現代社会はバッテリーに支えられています。たとえば、電気自動車のバッテリー パックは、直列・並列に接続されたリチウムイオンセルの集合体です。バッテリーは化学特性上、放充電の正確な電流、電圧プロファイル、温度プロファイルに非常に敏感であるため、精密な監視と制御の機能を必要とします。まさにその機能を持つのがバッテリー マネージメント システム (BMS) です。BMSは各セルのモニタリングとバランシングを行いながら、検出されたパラメータを使用して正確なエネルギー消費量を計算し、アプリケーションにどれくらい残存エネルギーが使用できるかを予測することができます。インフィニオンのBMS向けソリューションと設計リソースはエンジニアが設計上の課題を克服し、より効率的で長寿命かつ信頼性の高いバッテリー駆動アプリケーションを開発するのに役立ちます。

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プラグインハイブリッド車(PHEV)やバッテリー式電気自動車(BEV)の高電圧バッテリーは、車載充電器(OBC)を使って充電できます。車が駐車している間、電力がグリッドから直接供給されます。

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ストーリー一覧

イスラエル発の省スペース「スケートボード プラットフォーム」がEモビリティ設計のゲームチェンジャーになる可能性

顧客のニーズに合わせた車両

イスラエルのeモビリティ新興企業であるRee Automotive社 (本社: テルアビブ) は、2021年に全く新しいイノベーションを起こし、電気自動車関係者を驚かせました。

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同社は、カーデザイナーが車内のレイアウトをより自由に行えるよう、電気自動車用の省スペース型アーキテクチャを開発しました。このコンセプトは、ステアリング、ブレーキ、電気モーターといった運動に必要なコンポーネントをすべてホイールとホイールハウジングに収容するというものです。

完全にフラットなプラットフォームは、その形状からスケートボードを連想させ、主にREEcorner™およびREEcenter™コントロール ユニットにインフィニオンのAURIX™マイクロコントローラを統合することで実現されています。

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自動運転

自律型モビリティ ソリューション

自動運転車の実現はまだ遠い未来のことのように思えるかもしれません。しかし、半導体ソリューションの分野におけるイノベーションにより、レベル1およびレベル2の先進運転支援システム (ADAS) はすでに主流になりつつあります。ADASは、自動車が周囲の環境を感知して動き出し、安全に関する判断を下し、乗員や外界 (他の自動車や歩行者、交通インフラなど) とコミュニケーションをとることを可能にします。

自動車におけるイノベーションの約90%をエレクトロニクスが実現する中、インフィニオンはこの開発の最前線に立ち、自動運転の基盤を築いています。パワー半導体 (SiCを含む)、マイクロコントローラー、センサー、メモリICの幅広い製品ラインナップによって、ほとんどすべてのアプリケーションに対応できるため、ドライバーは道路上で安全に接続された状態を維持できます。

 

こうした製品は快適な運転だけでなく、事故の回避にも役立っています。交通事故死ゼロを目指す「ビジョン ゼロ」にも大きく貢献するシステムです。また、クルマのスマート化には自動運転に不可欠なコネクティビティの確保も含まれます。

先進運転支援システム (ADAS) と自動運転 (AD) の大幅な進歩により、私たちは完全な自動運転車への道を歩み始めています。自動運転車のバックボーンであるADASソリューションは、高速な情報プロセッシングとフェールセーフ電子制御ユニット (ECU) を使用しています。交通インフラと他の車両との相互接続により、自動運転車は前方の危険な状況をより早く察知し、より予測的に運転できるようになります。国際的に認められている6段階評価で自動運転レベル3を満たす第一世代の自動車は、現在すでに市場に投入されています。

インフィニオンは多岐にわたる半導体を提供し、A地点からB地点への安全かつ便利な移動に貢献しています。

その中の代表例が、市場をリードするレーダー センサーICのRASIC™製品ポートフォリオやレーダー (24 GHz、60 GHz、77  GHz)、カメラ、2D/3D (ToF)、センサー フュージョン アプリケーションに適したADAS向けスケーラブルAURIX™マイクロコントローラー ファミリーです。

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OTA (Over-The-Air) は現代の自動車がソフトウェアで提供するさまざまな機能のアプリケーションや設定をアップデートするための技術で、自動車メーカーでの採用が増えています。今後数年間で、無線通信を利用したSOTA (Software-Over-The-Air) 技術により、年間1億台の車両アップデートが行われるとアナリストは予想しています。SOTAとはモバイル通信やWi-Fiなどを介して、セキュリティ強化や機能向上などのアップデートを行って新機能を導入することで、より安全で快適な生活を実現する技術です。インフォテインメントやテレマティクス サービス、アクセルの頻度や駐車操作など、車両のあらゆる面においてアップデートが行われます。しかし、車両が外部からアクセスできるようになると、サイバー攻撃を受けるリスクも大幅に高まります。

自動車メーカーは、情報を安全に処理しながら外部からのアクセスや操作から防御する対策を取る必要があります。また、今後の潜在的な攻撃にも備えなければなりません。インフィニオンは半導体ソリューションを通じて、楽しく安全な走行を実現するセキュアな車両機能アップデートを可能にしています。

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自動車は移動に必要なだけでなく、そのデザインや運転の楽しさ、さらにはインフォテインメント機能が魅力です。スマートカーはまったく新しい運転体験とスマートフォンのような操作性を併せ持つ、5G接続のインフォテインメント ハブに変貌を遂げつつあります。このような機能は、世代を問わずあらゆるドライバーにとって大きな差別化要因になろうとしています。インフォテインメントや快適性を高めるシステム、音声認識、車内ワイヤレス充電、キーレス エントリーなどの機能が生み出すポジティブなユーザー体験は、所有やシェアを問わず、自動車を選択する際の判断に大きく影響します。大型スクリーンは、広いナビゲーション マップやさまざまなエンターテインメント情報を表示するために使用できます。ドライバーは直感的なユーザー体験だけでなく、移動中にインターネット接続できる利便性を求めているのです。

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自動車が移動手段の主要な選択肢であることに変わりありませんが、今後は車内の快適性や利便性がますます重視されるようになるでしょう。

インフィニオンのシステムオンチップ デバイス ファミリーは次々と拡充しており、タッチセンサー式室内照明モジュール、ウィンドウ リフト、サンルーフ、マッサージ シートなどの快適機能や睡眠モニタリングに最適です。これらはインフィニオンの組み込みパワーICが可能にするアメニティの一例に過ぎません。ソフトウェアもますます重要な役割を担うようになっています。

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外出先でスマートフォンのバッテリーが切れるのは困ります。車を購入、レンタル、カーシェアリングする際には車内ワイヤレス充電もなくてはならない機能ですが、これには新しい技術を必要とします。それがまさにインフィニオンの得意とするところです。インフィニオンのパワー半導体とマイクロコントローラーは移動中でも急速ワイヤレス充電を可能にするため、乗員はバッテリー残量を気にすることなく、快適にお気に入りの映画を見たり、電子メールを読んだり、友人とコミュニケーションを取ったりできます。

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レーダーでより安全に: 自動緊急ブレーキ

自動緊急ブレーキ (AEB) はシートベルト以来、最も重要な安全技術の一つでしょう。

この安全技術は追突や右折/左折による衝突の危険性を低減するものです。その仕組みはこうです。車に搭載されたレーダーが前方を監視し、危険な状況を検知するとドライバーに通知します。ドライバーの操作が鈍く衝突の危険性に対応できない場合は、自動的にブレーキがかかる仕組みになっています。ドライバーは常に注意を払い慎重に運転しなければなりませんが、このシステムは道路を監視するもう1つの目のように機能し常にドライバーの安全を守るのです。

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インフィニオンのXENSIV™ 60GHzレーダー センサーICが信頼性の高い車内監視システムを実現

夏場、駐車している車内の温度はすぐに70 ℃に達し、車内にいる動物や子どもにとって危険な状態になることがあります。

インフィニオンのXENSIV™ 60GHz車載レーダー センサーIC (BGT60ATR24C) を搭載した車載監視システム (ICMS) は、車内に残された幼児や動物のちょっとした動きや生命反応を検知しアラームを鳴らすことができます。さらに、コンパクトでコスト効率に優れたチップセットは、ジェスチャー センシング用のフロントエンド レーダー、距離測定用の高解像度周波数変調連続波 (FMCW) レーダー、短距離センシング操作、覆いに囲われたセンシングなどのアプリケーションにも対応しています。

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多目的カメラで車両の安全機能を実現

自動車の安全装備において、多目的カメラの果たす役割はますます大きくなっています。カメラの重要性が高まり、カメラ システムの最適な統合が必要なため、自動車メーカーは拡張性と高度な統合性を備えたソリューションを求めています。

インフィニオンは次世代の安全機能をサポートする多目的カメラ システム向けの高度に統合されたソリューションを提供しています。インフィニオンは、ISO 26262準拠や革新的な供給コンセプト、クラス最高の消費電力、さらにはセキュリティ機能など、他社にないメリットを提供することで多くのメーカーおよび設計者に選ばれています。

ハイライト: AURIX™マルチコア アーキテクチャは、複数のアプリケーション間の干渉を防ぐカプセル化機能を備えています。

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車線逸脱警報システムで常に車線内を走行

車線逸脱警報システムも道路上の安全性を高めるスマートな機能です。これを使うとドライバーは車線を維持しやすくなります。

その仕組みはこうです。車が車線から逸脱しそうになると、ハンドルを振動させるなどしてドライバーに警告を発します。ドライバーが反応しない場合は自動的に車線内の正しい位置に戻るよう設計されています。ハンドルを軽く押すとこの動作が中断します。

インフィニオンは先進運転支援システム (ADAS) に特化した最高品質の半導体ソリューションで構成される幅広い製品ポートフォリオを揃えており、自動車メーカーと部品メーカーはパーソナル モビリティの安全性を高めるのに必要なコンポーネントを見つけることができます。

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自動緊急通報で人命救助

メルセデス・ベンツなどの大手自動車メーカーはすでに、eSIMセキュリティ コントローラーで緊急通報機能を実現しています。たとえばメルセデス・ベンツの「MercedesMe connect」システムは、事故管理、故障・メンテナンス管理、遠隔車両診断、顧客向けリモート サービスなど多くのサービスに加え、法律で定められた緊急通報機能 (「Mercedes-Benz eCall」) を提供しています。こうしたテレマティクス サービスにおける音声とデータの接続は車両に搭載されたテレマティクス コントロール ユニット (または接続モジュール) で実現しています。
このモジュールの最新世代は2Gから5Gのモバイル通信ネットワークを利用可能な通信モジュールをベースにしています。車両はこのモジュールを使って接続を確立し、インターネットからデータ (交通情報、インフォテインメント サービスなど) にアクセスします。eSIMチップは車内に常設され、ネットワーク内の車両識別に使用されます。

 

クルマに「聴く」ことを教える

最新の先進運転支援 (ADAS) や自動運転 (AD) のシステムは、カメラやレーダー、LiDARなどをベースにしています。こうしたデバイスには真正面の物体しか検出できないという欠点があります。インフィニオンは自動車に「聴覚」を与えるReality AI社のシステムを導入しました。このシステムは、インフィニオンのXENSIV™ファミリーとAURIX™マイクロコントローラーを使用した市場初の車載用MEMSマイクロフォンをベースに構築されており、緊急車両を早期に検知して位置を特定することができます。また、歩行者や自転車、自動車、トラックなど、他の道路利用者を識別し、その位置と進行方向を特定することもできます。

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ライトの進化

夜中の道路を想像してください。暗い道を電気自動車が走っています。道を照らすのはヘッドライトだけです。突然、右側から近づいてくる歩行者が視界に入ります。車はブレーキをかけて停止し、ヘッドライトがプロジェクターに変わり横断歩道を表示します。これで、歩行者は安全に道路を渡ることができるようになります。

日本のメーカーとインフィニオンはこのようなアプリケーション向けの高精細マイクロLEDマトリックス ソリューションを共同開発しました。すでにこの技術が採用されている新車もあります。マトリクスLED技術を搭載した最新のヘッドライトは、プロジェクターのように特定の場所に光を投射することができます。また、対向車がある場合は部分的に照明を落とし、横断歩道などの道路利用者のために情報を道路上に投影することができます。このように、クルマは周囲や他の道路利用者とコミュニケーションをとることができるのです。これによって、ドライバーはより安全に運転できるようになりました。

その他のメリット:

この新しい照明システムは、工事現場の脇を走行するときやフロントガラスが反射して車内から身振りを視認できない歩行者に合図を送りたいときに役立ちます。また、道路脇の人や物を照らし出すことでドライバーに危険を知らせることも可能です。さらに、車両に搭載されたセンサーが車両周辺を分析し対向車をスマートに照らすことも可能なため、ドライバーは対向車をより鮮明に確認することができます。照らされた側も眩しくないので、田舎道でもヘッドライトを暗くする必要がありません。

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コネクティビティ

スマート コネクティビティ ソリューション

ドライバーはより充実した運転体験を追求します。接続できる、拡張可能でユーザー中心の機能を持つ車を期待しています。そのため、サービス指向のアーキテクチャが関心を集めています。こうしたアーキテクチャは車載電子機器のあり方を一変すると考えられているのです。こうした変革が継続した先にあるのが、バリュー チェーン全体を変容させるソフトウェア デファインド ビークルです。自動車のバリュー チェーンに関わるサプライヤーはビジネスモデルを転換すべき時期を迎えています。

 

電気・電子 (E/E) アーキテクチャの進化を実現

新しい機能が増えるということは複雑さが増すということです。この複雑化に対して、今までのソリューションでは対応しきれないというのが共通認識です。さらに、安全・安心のニーズも非常に強くなっています。コネクティビティにはトップレベルのセキュリティ実装が必要です。そのため、新たに発生するセキュリティ ギャップに対しても自動車のライフタイムを通じて解決していく必要があります。

アシスト運転や自動運転には、より高い安全性と信頼性が求められます。自動運転への道のりにおいては部分的な機能冗長性を備えた信頼性の高いシステムが必要です。あらゆるレベルの自動車プラットフォームに導入されている最新の先進運転支援システムにも、こうした高い信頼性はすでに必須のものとなっています。また、SOTA (Software Over The Air) などの迅速かつ容易な方法でシステムをアップグレードする必要もあります。OEM企業から発売される自動車のモデル数が年々増加しているため、アップグレードは単純にガレージやカーディーラーで行えばよいわけではありません。走行中に無線でアップデートする機能も求められているのです。

これらの高度な機能はすべて、リーズナブルなコストで実装する必要があります。また、消費電力も限られています。なぜなら、機能性を高めた結果、電気自動車の航続距離が大きく減少することは許されないからです

持続可能なモビリティへの変革を成功させるためには、コネクティビティも必要です。自動車はすでに、他の自動車やインフラ (V2X) とデータ交換しており、乗員ともこれまでどおりつながっています。市場アナリストによると、コネクテッド ビークルは2035年までに市場の100%を占めるようになると言われています。

今日、ほとんどの自動車メーカーはすでにアプリやソフトウェアを直接車内で提供し、パーソナライズされた包括的なサービスにアクセスできるようにしています。また、ガイダンス機能とアップグレード機能も提供し、旅行者の生産性を高めています。

その中心となるのがテレマティクス ユニットです。これは現在のクルマのさまざまな主要機能を制御する役割を担っています。たとえば、テレマティクスは自動車をクラウドに接続する機能、ドライバーと同乗者の安全を確保する機能、交通の流れを最適化する機能、事故発生時に自動で緊急通報する機能を備えています。

テレマティクス制御について詳しく見る

コネクテッドカーや自動運転車には、低遅延でユビキタスなコネクティビティが必須です。コネクティビティ技術とは要するに車内外のネットワークとの情報共有を可能にするものです。自動車をフル接続すれば多くの機能を提供し、移動中に大量のデータを転送して処理することができます。さらに、コネクテッドカーの中には自律型、つまり人間のドライバーに代わって運転できる能力を持っているものもあります。

インフィニオンのマイクロエレクトロニクス ソリューションは、自動車や交通インフラ、他の車両間の重要な通信を実現し、渋滞の回避などに役立ちます。また、Bluetooth、Wi-Fi、USB-CによるV2X (Vehicle-to-Everything) もドライバーと乗員の利便性およびユーザー体験に重要です。音声認識とセンシングのソリューションは乗員と車の対話を向上させ、利便性と運転の快適性を高める重要な差別化要因となっています。

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自動運転車の普及には信頼性の確保が欠かせません。システムはますます複雑化し、データ量は増加しています。

V2X (Vehicle-to-Everything) などの技術は、交通管理と交通安全の向上に役立つデータを提供・処理します。また、駐車料金や高速道路料金の支払いなど、安全な情報の流れを必要とする革新的な決済手段も可能にします。

インフィニオンは、チップカードとIDシステムにおける長年の専門知識を活かして、自動車のデータ セキュリティを次のレベルへと引き上げることができます。

自動車が外部から無線でアクセスできるようにするためには、情報を安全に処理し外部からの不正なアクセスや操作から保護できるようにしなければなりません。インフィニオンの半導体ソリューションはそのような自動車セキュリティ システムの実装を可能にします。

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米国で自動運転車が食料を配達

多くの人にとって、スーパーマーケットで買い物することはそれほど楽しい行為ではありません。そのため、オンライン食料品店は多くの人にとって便利なソリューションです。店まで車で行く必要もなく、商品を見つける時間もかからず、レジに並ぶ必要もありません。そのため、食料品会社にとって自動配送システムの重要性はますます高まっています。

中にはすでに成功している企業もあります。あるロボット工学のスタートアップ企業は、スーパーマーケットチェーンと共同で米国アリゾナ州に無人の自動配送サービスを開始しました。そのサービスは顧客がスマートフォンのアプリを使ってスーパーマーケットに注文すると、その日のうちに配達される仕組みです。アプリにはロボット車両の正確な位置も随時表示されます。さらに、顧客はロボットが到着時にそのドアを開けるためのコードを受け取ります。

最高時速40kmで走行するこの車両には、車両、レーダー、超音波、音声センサー、12個のカメラが搭載されています。米国で製造された完全に電気で駆動する自動車です。

自律走行を可能にするこのような技術装置は半導体のソリューションなくしては成り立ちません。

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アジアで普及が進む宅配ロボット

専門企業の中には、安全基準を開拓し、やがて大量生産の道を進むものがあり、その多くがアジアに拠点を置いています。こうした宅配ロボットが急速に発展した背景には迅速な配達を求める消費者の欲求があります。

ロボットにはその用途に応じてさまざまな種類があります。たとえば、宅配ロボットは比較的低速で、無人のものや食品などを運ぶタイプがあります。こうしたロボットはラストワンマイル配送に最適です。また、バッテリーの持ちが良く、サービス情報を保存してユーザーに送信したり、精密なセンサーを使用して難易度の高いタスクをこなす、などの特長もあります。インフィニオンはこのようなサービス ロボットに役立つさまざまな電子機器を提供し、ロボット開発者が次世代半導体技術の助けを借りて技術的課題を克服できるようサポートしています。

インフィニオンの主要な製品ラインアップは、MCUレーダー センサーIC、OPTIGA™ Trust、OptiMOS™、MOSFETゲート ドライバーICDC/DCコントローラーなどです。

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高度なセキュリティ

セキュリティを強化するテクノロジー

新たなセキュリティ要件への対応

車両がつながりシステムが複雑になるにつれて、転送・処理されるデータ量も急激に増加しています。たとえば、駐車料金や有料道路の料金を支払うための統合決済には信頼性の高い取引データ フローが必要とされます。一方、車両からクラウドに外部アクセスすると、サイバー攻撃のリスクが大幅に高まります。そのため自動車メーカーは、情報を安全に伝送し、第三者によるアクセスや操作から保護する必要があります。同時に、すべての乗員のデータ保護を確保する必要があります。

インフィニオンはハードウェア セキュリティ モジュールを統合したマイクロコントローラー、組み込み型SIM、専用セキュリティ コントローラーなどのハードウェア コンポーネントを適切なソフトウェア パッケージと組み合わせて提供しています。このようにして、必要な保護機構と関連コストをスマート車両の特定用途のセキュリティ要件に合わせて調整し、正確に適合させることができるのです。

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サイバー攻撃から守る

チューニング プロテクション、セキュアなオンボード コミュニケーション

AURIX™ 32ビット マイクロコントローラー ファミリーは、組み込み型ハードウェア セキュリティ モジュール (HSM) を特徴とし、一般的に自動車セキュリティ アプリケーションの中核として使われています。使用例としては、チューニング保護やイモビライザー、安全な車載通信まで多岐にわたります。インフィニオンは互換性のあるAURIX™デバイスを提供するだけでなく、必要なソフトウェア パッケージとサポート サービスも提供しています。

インフィニオンの32ビットAURIX™について詳しくはこちら

重要なデータとプロセスを保護する

重要なデータやプロセスに最適なソリューションはOPTIGA™ TPMで、データ保護に効果を発揮します。標準化された構成キットをベースにしたTPMはWindowsとLinux (派生製品を含む) の両方が動作するプラットフォームに最適です。OPTIGA™ TPMアドオン ボードとAURIX™ TC389が最高レベルのセキュリティを実現します。

概要をみる

ストーリー一覧

SEMPER™ Secure NORフラッシュ - 信頼できるフラッシュ

道路を走るドライバーは、安全でセキュアなNORフラッシュ技術を使用したコネクテッドカーを求めています。

NORフラッシュは、事故の防止、重要なデータやユーザーのプライバシー確保、部品の偽造の防止、インフラの保護に役立ちます。これを実現するために、組み込みシステムの設計者は最新のセキュリティ規格に準拠した保護レベルを確立する必要があります。また、機器の完全性とアクセスを保護し、コードとデータの機密性、信頼性、可用性を管理しなければなりません。

インフィニオンの先進的で安全かつ使いやすいSEMPER™ Secure NORフラッシュ ポートフォリオは、コネクテッド ビークルにセキュリティ、安全性、信頼性を提供します。このポートフォリオは定評のあるSEMPER™ NORフラッシュ ファミリーをベースに構築されており、高度なセキュリティ、業界をリードする機能安全性、信頼性を兼ね備え、耐用年数も長くなるように設計されています。

SEMPER™ Secure NORフラッシュについて詳しくはこちら