インフィニオンテクノロジーズがUMTS/GSMデュアルモードのベースバンドICを発表
独インフィニオンテクノロジーズは本日、移動通信の第3世代規格UMTS(IMT-2000の欧州仕様)と、第2世代規格GSMの2モードに対応した携帯端末用ベースバンドIC「M-GOLD」を 発表しました。2モード対応のベースバンドICがシングルチップ化されたのは世界初です。このICにより、多機能な次世代携帯端末の小型化をはかることができます。
調査機関インテックスマネジメントサービスの予測(2000年7月)によれば、世界の携帯電話加入者数は2006年末までに約18億人に達します。こ れら加入者の50%以上は第2.5世代もしくは第3世代方式と、それによって提供されるモバイルマルチメディアサービス(カスタム化されたインフォテイメント、マルチメディアメッセージ、モ バイルインターネットやモバイルイントラネット、モバイルコマースなど)を利用します。
インフィニオンテクノロジーズのギュンター・ワインベルガー(ワイヤレスグループのシニアバイスプレシデント兼ゼネラルマネージャ)は、「M-GOLDは、携 帯電話の第2世代から第3世代へ早期に円滑に移行する手段を提供します。このICを適用することによって、立ち上がりつつある第3世代のビジネス機会を速やかに捕らえるとができます。今 回のM-GOLDのサンプル供給開始は、インフィニオンの業界支援体制と、先導的な無線モデム会社としての地位をさらに強化するものです」と、話しました。
「M-GOLD」には、アナログ機能とデジタル機能の双方が集積化されています(ミクストシグナル型デバイス)。UMTSモデムおよびGSM/GPRSモデムと、包 括的な専用および汎用の周辺機能を備えています。無線インターフェイスには、インフィニオンのUMTS/GSM無線トランシーバICを直接接続できます。「M-GOLE」は2モード対応であるため、U MTS/WCDMA市場とUMTS/WCDMA/GSM市場をすべてカバーします。
「M-GOLD」は、インフィニオンの「CARMEL」DSPアーキテクチャと「TriCore」統合プロセッサアーキテクチャを基盤として設計されています。先 進的な5層銅配線CMOS技術を適用して生産され、LFBGA-256パッケージに収納されています。
背景説明
UMTS(IMT-2000の欧州仕様)は、国際電気通信連合(ITU)によって標準化された次世代の移動通信規格です。明日のモバイル情報社会の基盤として、音声、データ、画像、グラフィックス、ビ デオ、その他の広帯域情報の統合的な移動通信を実現します。UMTSシステムは、今日の携帯電話技術を基盤として構築され、革新的な無線アクセス方式の採用とコアネットワークの増強によって、通信容量の増大、高 速データ通信機能(2Mbpsまで)、豊富なサービスメニューなどを提供します。短期的には、UMTSシステムと既存のGSMネットワークは、共存し、補完していくと考えられます。UMTSは先ず、加 入者数と利用頻度の大きい都市部に設置されます。音声サービスに関する限り、GSMは何年かにわたって存続していくはずです。この共存のために、2モード携帯端末の供給がUMTS成功の鍵となります。第 3世代移動通信サービスは、日本で2001年に開始され、2002年に欧州が続く予定です。
インフィニオンのワイヤレスグループは、移動通信アプリケーション(携帯電話、コードレス電話、GPS装置など)に適用される半導体デバイスと完結したシステムソリューションの開発、生産、販 売を行っています。携帯電話ICの包括的な系列を供給する数少ないメーカーのひとつです。また、次世代無線規格UMTSやBluetoothに向けた半導体技術の国際的なリーダーでもあります。インフィニオンは、 無線ICとベースバンドICの市場シェアをここ数年、継続的に高めています。1998年の成長率は18%でした。この販売金額を世界市場と比較すると、無線トランシーバICは第1位、ベ ースバンドICは第2位となります。2000会計年度の最初の9ヵ月間(1999年10月から2000年6月)には48%の成長率を達成しました。インフィニオンのワイヤレスグループは、市 場よりも速く成長しています。
Information Number
INFWS200009.097
Press Photos
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Third generation Mobile Radio UMTS: Infineon samples world`s first dual-mode UMTS/GSM single-chip baseband ICPress Picture
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