インフィニオンが高速光通信向けのOC-192/OC-768インターフェイス・コンバータを発表
通信ICと光伝送モジュールの先導プロバイダである独インフィニオンテクノロジーズは、10Gbpsと40Gbpsの両データレートのサポートが必要な光通信システム向けに、シ ングルチップのインターフェイス・コンバータ「Titan 768MD」を発表しました。これによりインフィニオンは、今 後爆発的に普及が見込まれる40Gbps光モジュールの周辺インターフェイス仕様として標準化が進められているOIF規格SFI-5を、業界に先駆けて支援することになります。「Titan 768MD」は、O C-192(9,953Mbps)に対するSFI-4(SERDES Framer Interface Level 4)規格と、OC-768(39,813Mbps)に対するSFI-5(同Level 5)規 格の両方の電気インターフェイス仕様に準拠しているので、現行10Gbpsシステムから次世代40Gbpsシステムへの円滑な移行が支援されます。今回の発表は、サ ービスプロバイダが在来のシステムへの投資を維持しながらより高速のデータレートへコスト効率よく移行するために必要な標準準拠製品をシステムメーカーへ提供しようとするインフィニオンの目標を推進するものです。
インフィニオンは「Titan 768MD」をジョージア州アトランタで開催されるスーパーコム 2002(会期:6月4~6日)において実演します(ブース番号23726)。
「Titan 768MD」を適用することにより、622Mbps ×64チャネルのSFI-4準拠OC-192データ流を、2.5Gbps ×16チャネルのSFI-5準拠OC-768/768cデータ流に変換できます。逆に、最大4つのOC-192フレーマに対するインターフェイスとして、SFI-5(2.5Gbps ×4 チャネル)か らSFI-4(622Mbps ×16チャネル)へのナローバンド変換も行えます。また、ルータからのOC-768cペイロードをインバース・マルチプレックス(逆多重化)することも可能です。さらに、「 Titan 768MD」を、独立した16チャネルの2.5Gbpsデータ流に対する標準1:4デマルチプレクサとして使用することもできます。
ルーセント・テクノロジーズのウォレン・ペルソ開発担当マネージャは、「高集積のTi-tan 768MDを使えば、システムベンダは、S FI-4準拠インターフェイスの部品をそのまま利用することが可能になります。ルーセントはTitan 768MDに必要な機能を定義するため、インフィニオンと緊密に連携しています」と、述べました。
また、インフィニオンのクリスティアン・シェルプ(光ネットワーキング事業ユニット・マーケティング担当副社長)は、「Titan 768MDは、S FI-5対応インターフェイスを用いて40Gbpsシステムを展開する一方、既存のSFI-4 インターフェイスの部品を利用したいという顧客の要望に応えて開発されました。当 社の豊富な光ネットワーキング製品ラインナップにTitan 768MDが加わったことで、光伝送システムのメーカーは顧客企業に対して、先端システムと在来システムをインターコネクトし、同時に、ラ インカードの総システムコストを低減させることが可能な手段を提供できます。これにより、顧客企業は最新ネットワークと既設ネットワークの両方でエンド・ツー・エンドの40Gbps伝送を実現できます。イ ンターフェイス・コンバータTitan 768MDは、今後インフィニオンが投入する予定のさらに高集積、高機能、高性能な製品群とともに、40Gbpsへの円滑な移行に寄与するでしょう」と、語りました。
技術説明
インターフェイス・コンバータ「Titan 768MD」は、16:64マルチプレクサ/デマルチプレクサ(多重回路/分離回路)ICです。ライン側インターフェイスはSFI-5規格に準拠し、2 .5Gbpsから3.125Gbps で動作する16本のチャネルを支援します。システム側インターフェイスはSFI-4規格に準拠し、64本の622 MHzチャネルを支援します。このコンバータは、1 6チャネルの高速データ流を64チャネルの低速データ流に変換する分離と、64チャネルの低速データ流を16チャネルの高速データ流に変換する多重の両機能を備え、両方向の変換において40Gbpsのデータ・ス ループットを提供します。
「Titan 768MD」のレジスタへマイクロプロセッサ・インターフェイスを介してMotorola MPC860などのCPUからアクセスし、リセット、セットアップ、読み取り、ロード、組 込み試験機能の呼び出しなどが行えます。「Titan 768MD」は堅牢なクロック/データ回復メカニズム、スキュー補正機能、クロック合成メカニズムなどを備えています。診断機能には、PRBS( 擬似ランダム・バイナリ・シーケンス)の発生と検査、デジタル・ループバック機能、IEEE 1149.1 JTAG試験サポートなどが含まれます。
インターフェイス・コンバータ「Titan 768MD」を、インフィニオンの高速フレーマ/ポインタ・プロセッサ「Titan 19244」のようなデバイスと組み合わせれば、4 0Gbps市場向け高密度ラインカードのニーズに対応できる2チップ構成のOC-768/768cソリューションが実現されます。
「Titan 768MD」は、680ピンBGAパッケージに格納されています。2002年第3四半期からサンプルが出荷され、量産時の価格は600米ドル台となる見込みです。
インフィニオンについて
インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。
Information Number
INFCOM200206.092e