インフィニオンテクノロジーズジャパンが4バンドVDSLチップセットを日本市場へ量産供給開始
インフィニオンテクノロジーズジャパン株式会社(本社:東京都品川区東五反田3-20-14、代表取締役社長:森 康明)は、イ ンフィニオン製4バンドVDSLチップセットの日本市場への量産供給を本年6月から開始します。
4バンドVDSLとは
VDSL(超高速デジタル加入者線)は、既存の電話回線を使用したDSL(デジタル加入者線)方式として最高速の伝送技術で、現在普及しているADSL(非対称デジタル加入者線)モ デムを遥かに凌駕する伝送速度を提供します。4バンドVDSLでは、上りと下りに各2バンドを使用できるので、従来の2バンドVDSLと比較して、伝送速度を倍増することが可能です( 今回発表のチップセットでは対称40Mbpsを実現)。これにより特に、大容量データの高速伝送を必要とする双方向ビデオなどのアプリケーションが支援されます。
インフィニオンのVDSLへの取り組み
インフィニオンではVDSL技術に早くから着目し、すでに1999年に2バンドVDSLチップセットを発表しました 。2000年6月にはさらに、VDSLを介したイーサネット伝送を支援する「 10BaseS」チップセットを発表しました。インフィニオンのVDSL関連チップの販売実績は2001年度中に1,000万個を超え、世界市場でトップシェアを持っています。その後、V DSLの国際規格ITU-T標準(G.993.1)が公表されたのにともない、2002年2月に新規格準拠の4バンドVDSLチップセットを発表し、このたび、日本市場向けの量産供給を開始する運びとなりました。
チップセットの特長
インフィニオンの4バンドVDSLチップセットの第1の特長は、高い集積度です。このため、非常に小型のモデムを構成することができます。チップセットは、次の3個のICで構成されます。
1)4バンド・デジタル・トランシーバIC「PEF22834」
2)4バンド・アナログ・フロントエンドIC「PEF22815」
3)回線ドライバIC「PEF22810」
第2の特長として、非常に高い伝送速度を達成しています。このチップセットにより、上り40Mbps、下り40Mbpsの対称伝送を行うことが可能です。また、最 大伝送距離1.5kmを達成しています。
第3の特長は、消費電力が国際規格の推奨値(1.5W以下)をクリアして、非常に低く抑えられていることです。これにより、VDSL機器の省電力化がはかれます。
変調方式としてQAMを採用
VDSLの変調方式として現在、市場ではQAM(Quadrature Amplitude Modulation)とDMT(Discrete Multitone Modulation)が 並立し、その優劣が議論されています。インフィニオンでは当初、ADSLで実績のあるDMT方式での製品化を検討しましたが、1)処理が複雑で伝送遅延(レイテンシ)が回避できない、2)イ ンパルスノイズに弱いなどの問題のあることがあると判断し、すでに2バンドVDSLチップセットの段階でQAM方式を採用することに決定しました。4バンドVDSLチップセットでも、フ ィールドで実績のあるQAM変調方式を踏襲しています。
上記のような高速の対称伝送(上り40Mbps、下り40Mbps)を実現しているのは、現在のところ、インフィニオンのQAM方式チップセットだけです。
参考価格と販売目標
4バンドVDSLチップセットの量産供給開始時の定価は1セット3,000円程度(税別)を予定しています。2002年6月から量産供給を開始し、今後2年間に500万セットの販売を目標とします。
関連URL
●インフィニオンDSL関連デバイスの技術情報:
http://www.infineon.com/dsl
●4バンドVDSLチップセットの本社発表(2002年2月)と
製品写真ダウンロード:
http://www.infineon.com/news/press/202_051e.htm
インフィニオンテクノロジーズジャパンの概要
設立 1980年2月1日
本社所在地 〒141-0022
東京都品川区東五反田3-20-14(高輪パークタワー)
代表取締役
社長 森 康明
事業目的 電子デバイスの販売および一切の関連業務
資本金 2億円
株主 インフィニオンテクノロジーズホールディングB.V.(100%)
沿革
1980年2月
富士エレクトロニックコンポーネンツ株式会社設立
1996年10月
社名をシーメンスコンポーネンツ株式会社に変更
1999年9月
社名をインフィニオンテクノロジーズジャパン株式会社に変更
インフィニオンについて
Information Number
INFJP200205.004