インフィニオンとマイクロンが「RLDRAM II」の仕様を公表通信データ・ストレージ向け高帯域メモリ

2003/05/12 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは、米マイクロンテクノロジー社とともに、両社共同開発の「RLDRAM II」(レデュースト・レイテンシDRAM II)アーキテクチャの全仕様を発表しました。最 大動作周波数400MHzを持つRLDRAM IIデバイスは、第二世代の超高速DDR(ダブルデータレート)SDRAMであり、高速ランダムアクセス機能と、超高帯域通信および超高密度データ・ストレージ・ア プリケーションをターゲットとした機能を兼ね備えています。

今回発表された288Mビット版RLDRAM IIに関するデータシートは、次のウェブサイトで入手できます: http://www.rldram.com

RLDRAMアーキテクチャは、今日の高帯域通信アプリケーションのメモリ要件を満たすことを狙いとしています。8つの内部メモリバンクで構成されるRLDRAM IIのアーキテクチャは、高 速通信向けに最適化されており、36ビット・インターフェイスと400MHzシステムクロックを用いて、最大帯域幅28.8Gbpsを達成します。従来より低レイテンシ性が一段と向上し、ランダムサイクルタイム( tRC)も20nsに短縮され、より高速なデータスループットを実現します。さらに、ODT(オン・ダイ・ターミネーション)、多重まはた非多重アドレス指定、オンチップDLL(ディレイ・ロック・ループ)、コ モンまたはセパレートI/O、プログラマブル出力インピーダンス、パワー効率のよい1.8Vコアなどの機能特性を備えています。こうした機能により、設計者は、設計の柔軟性向上、バ ランスのよい読み出し/書き込み速度、バス・ターンアラウンド・コンテンション(bus turnaround contention)排除、単純化されたデザイン・イン・プロセスなどの利点が得られます。

マイクロンのデブ・メータス(ネットワーキング&コミュニケーションズ用DRAMマーケティング・ディレクタ)は、「RLDRAM IIは、デ ータ伝送速度が10Gbpsないし40Gbpsに達する高速Ethernetシステムや次世代ネットワーキングシステムを可能にする、卓越したソリューションです。当社は、当 技術へのサポートを市場全般にわたって、今後さらに充実させます。RLDRAM製品を利用したアプリケーションには、ネットワーキング、コンシューマ機器、グラフィックス、L3キャッシュなどがあります」と、語 りました。

インフィニオンのエルンスト・シュトラッサ(グラフィックスおよび専用DRAM製品マーケティング・ディレクタ)は、「初代RLDRAM は、高 速ネットワーキングの設計向けに大幅な性能向上を達成し、かつてない低レイテンシを可能にしました。RLDRAM IIはその進化版であり、超 高速ランダムアクセスや超高帯域を必要とする通信システムなどのアプリケーション向けの性能がさらにアップしました。今回のRLDRAM IIの仕様公開は、詳細な設計基準と明確なロードマップを業界に示して、主 要なメモリメーカーからマルチソース製品が提供されるよう手引きする、インフィニオン、マイクロン両社の姿勢を表すものです。それは設計関係者に大きなメリットをもたらします」と、述べました。

RLDRAM IIデバイスは、標準144ボールFBGA(寸法11mm×18.5mm)のパッケージで提供され、超高速データ伝送速度と、従来の製品からの単純なアップグレードを可能にします。構 成は、8M×36ビット、16M×18ビット、32M×9ビットの3種類が提供されます。インフィニオンとマイクロンのRLDRAMアーキテクチャの共同開発は、標準化、マ ルチソーシングおよび機能互換性の確保を狙いとしています。

ザイリンクス社のリナ・レーマン(アドバンスト・プロダクツ・グループのアプリケーションズ・ディレクタ)は、「RLDRAM IIデバイスの超高帯域、超高速、超高密度という三拍子そろった特性は、 先進通信機器の設計者にとって、非常に魅力的といえるでしょう。当社はマイクロン、インフィニオン両社と緊密に協力しており、ザイリンクス自身は、RLDRAM II用のコントローラ・ソ リューションを喜んで提供します。そのソリューションには、高性能FPGAだけでなく、アプリケーション・ノート、リファレンス設計、デモンストレーション・ボードも含まれ、設計者は各自の設計にRLDRAM IIデバイスを採用する際、特性を定義しやすく、迅速な製品化が可能になります」と、述べました。

また、アルテラ社のジャスティン・カウリング(インテレクチュアル・プロパティ・ビジネス・ユニットのマーケティング・ディレクタ)は、「RLDRAM IIは、今 日の通信システム設計に必要なメモリ帯域幅を提供します。当社は、RLDRAM IIのための高性能FPGAサポートを行うため、当社Stratixデバイス・ファミリの専用DDR I/O回路の強化をはかることにより、マイクロン、インフィニオン両社と協力してきました」と、語りました。

マイクロンについて
マイクロンテクノロジー(Micron Technology, Inc.)は先進半導体ソリューションの世界のリーティング・プロバイダの1社であり、世界的に展開し、DRAM、フラッシュメモリ、 CMOSイメージセンサなどの半導体コンポーネントやメモリ・モジュールを、先端コンピューティング、コンシューマ、ネットワークキングおよびモバイル製品向けに製造販売しています。

ウェブサイト: http://www.micron.com

備考
RLDRAMは、世界の多くの国でインフィニオンテクノロジーズの商標であり、マイクロンテクノロジーはインフィニオンからのライセンスの下で、それを使用しています。RLDRAMデバイスは、イ ンフィニオンとマイクロン両社が開発した新ファミリ製品を形成しています。その他の商標はすべて、それぞれの所有者に属します。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

Information Number

INFMP200305.075

Press Photos

  • Infineon and Micron announce RLDRAM II Specification - Next-Generation, High-bandwidth Memory Architecture Targets Communication Data Storage Applications
    Infineon and Micron announce RLDRAM II Specification - Next-Generation, High-bandwidth Memory Architecture Targets Communication Data Storage Applications
    RLDRAM II

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