インフィニオンが新しい100V MOSFETファミリを発表 業界で最も低いオン抵抗と最高のスイッチ速度を実現
独インフィニオンテクノロジーズは、米テキサス州ダラスで開催されたAPEC(アプライド・パワー・エレクトロニクス・カンファレンス)において、新しい100V MOSFETファミリを発表しました。こ の製品は標準技術によるソリューションに比べ、スイッチング電源(SMPS)の部品点数を30パーセント、損失を最大20パーセント削減することができます。このOptiMOS® 2 100Vファミリは、標 準パッケージでオン抵抗がわずか4.4mΩ、性能指数(FOM:オン抵抗×ゲート電荷)は410 mΩnCと低く、スイッチ速度は250kHz以上をサポートし、どちらも業界最高となっています。
OptiMOS 2 100V MOSFETファミリは、サーバや通信、ネットワーキング・システムのAC/DCおよびDC/DCパワーコンバータで最適な性能を発揮するよう設計されています。従 来にないオン抵抗と性能指数を持つこの100V MOSFETは、D級アンプ、モータ制御、無停止電源など各種のスイッチモード・アプリケーションに適しています。
DC/DCコンバータに利用する場合、オン抵抗が低いので高負荷時の導通損失を抑えることができます。低負荷時にはFOMg(ゲート電荷性能指数:オン抵抗×ゲート電荷)とFOMgd(ゲート・ド レイン電荷性能指数:オン抵抗×ゲート・ドレイン電荷)がきわめて低いため、絶縁型DC/DCブリックコンバータの一次側スイッチでスイッチング損失が軽減され、高い効率が得られます。ス イッチング損失の指数としてはFOMgdのほうがFOMgよりさらに正確ですが、OptiMOS 2 100V MOSFETではどちらの数値も業界で最も低くなっています。同 じ部品点数と同等のパッケージを用いた場合、競合するデバイスに比べて全負荷時での損失は最大20パーセント低減でき、軽負荷時にはさらに高効率を維持します。また、同 じ効率を得るのに必要な部品点数は最大20パーセント少なくて済むので、コストとパフォーマンスの最適化を図ることができます。
AC/DCコンバータに利用する場合、低いオン抵抗とゲート電荷に加えてダイナミック・ターンオンへの耐性が高いことから、導通損失は業界で最も低い水準となり、同期整流回路でも安全に稼働できます。 標準的な技術に比べると、OptiMOS 2 100V MOSFETはAC/DCスイッチング電源二次側の同期整流回路で部品点数を30パーセント削減することができます。また、温度係数が低いため、A C/DCスイッチング電源にありがちな高温環境での導通損失が少ないことも特長の1つです。
新しいOptiMOS 2ファミリは100VパワーMOSFETデバイスとしては業界で最も豊富な選択肢をそろえ、現在20種のコンポーネントが利用できるほか、あと40種がリリースされる予定です。 これらのコンポーネントはパワー半導体市場へのインフィニオンのコミットメントを反映したもので、電源設計にあたって最もコスト効率の高いソリューションを選択できるよう、各 種アプリケーションに適した性能やパッケージのオプションを幅広く提供しています。
インフィニオンのゲラルド・デボイ(パワーマネジメント&サプライ事業ユニット、テクニカル・マーケティング担当)は次のように述べています。「インフィニオンはOptiMOS 2 100V製品の投入によって、お客様が高効率の電源への需要に対応し、設計の柔軟性を高め、部品点数やシステムコストを減らしながら性能と効率を改善できるよう支援しています。こ の新製品は業界をリードする特性を備え、低電圧MOSFETの新標準を確立するだけでなく、コンバータ技術のリーディング・サプライヤとしてのインフィニオンの立場をさらに強化します」。
OptiMOS 2 100Vファミリは、MOSFET技術としては理論上の上限にあたるアバランシェ耐量を持ち、またダイナミック・ターンオンに伴う損失はほとんどありません。こうした特性により、 対象アプリケーションに適した安定性、信頼性、最大限の性能が確保されます。
提供時期、パッケージング、価格
新しいOptiMOS 2 100VをTO-252(D-Pak)、TO-262(I2-Pak)、TO-220のパッケージに実装したオン抵抗5.4 mΩ~80 mΩのサンプルが提供されています。このほか、D2-Pak、I-Pak、Super SO8のパッケージに実装したものも2006年中にリリースされる予定です。
10,000個受注時の単価は、4.4 mΩ TO-220(IPP04CN10N)デバイスが2.00ユーロ(2.40ドル)以下、高速D-Pak(IPD64CN10N)デ バイスが0.35ユーロ(0.40ドル)以下となっています。
インフィニオンのパワー半導体に関する詳細は www.infineon.com/powerで、OptiMOS製品の詳細は www.infineon.com/optimosでご覧いただけます。
インフィニオンについて
日本サイト: http://www.infineon.com/jp
Information Number
INFAIM200603.048