インフィニオンが世界初のシングルチップ・デジタル/アナログVoIPエンジンを発表 ～世界中で使用できる小型VoIPアダプタを可能に～

独インフィニオンテクノロジーズは本日、コーデックとアナログテレフォニーインターフェースを内蔵した、世界初のシングルチップVoIP（Voice-over-IP）エンジンを発表しました。新製品「 Vinetic-Plus」は、極めてコンパクトでポータブルなVoIPテレフォニー・アダプタ製品化への道を開き、あらゆるブロードバンド接続を通じてアナログ電話機からのVoIP通話を可能にします。

既存のソリューションと比較して、インフィニオンの「Vinetic-Plus」はプリント回路基盤（PCB）上の占有面積を少なくとも30パーセント削減することができます。例えば、「 Vinetic-Plus」を使用したFXS2ポートのVoIPシステムの場合、PCB上の占有面積はわずか40mm ×48mmです。VoIPプロセッサに加え、完全なSLIC（subscriber line interface）機能がチップに統合されており、従来のチップを利用した設計で別途必要となるアナログインターフェース回路やコーデックを不要とします。

インフィニオンのクリスチアン・ヴォルフ（通信ソリューション事業グループ、上席副社長兼有線アクセス事業ユニット、ゼネラル・マネージャ）は、次のように述べています。「インフィニオンは、ア ナログ音声ICのプロバイダとしての数十年にわたる経験を活かし、『Vinetic』をVoIP革命を推進する音声プロセッサのリーディングファミリとして位置づけました。今回発表した『 Vinetic-Plus』により、当社はVoIPの領域を　一般住宅や小型オフィス/ホームオフィス(SOHO)向けの超小型な無線LANVoIPアダプタや、小型VoIPゲートウェイ製品群にまで広げました」 。
VoIPアクセスデバイスの市場規模は急速に拡大しています。VoIPサービスの加入者数は2006年の約3,500万から2010年には1億400万に達すると予測されています（ 調査会社iSuppliによる）。装置メーカーは商品化時間の短縮と技術の簡素化をはかるために、ソフトウェアコードとプロトコルスタックを再利用しています。インフィニオンは「Vinetic」フ ァミリを含む色々なデバイスを、様々な市場に適応した製品ラインを開発･製造する装置メーカーに提供しそのような装置メーカーをサポートしています。

「Vinetic-Plus」をベースとする小型アナログテレフォニーアダプタにより、旅行者は世界中どこからでも、どのブロードバンドアクセス接続からでも、簡 単にVoIP電話をかけることが可能になります。高度に統合されたチップには、DSP、メモリ、コーデック、2チャネルSLICが含まれ、発信者番号通知、通話保留、三者会議などの標準電話機能をサポートします。

シングルチップ「Vinetic-Plus」は、極めて小型で多機能な通信ソリューションに向けたインフィニオンの広範なIC製品群をさらに拡張します。「Vinetic-Plus」は「 Vinetic-CPE」シリーズで培われたVoIP技術を、インフィニオンのSLICデバイスの高耐圧プロセスと組み合わせています。また、最近発表された、ADSL2+、VoIP、W LANを含む最先端技術用の包括的なソフトウェアパッケージ「Spinacer（スピネイカー）」は同製品をサポートしています。「Vinetic-Plus」は、1 チャネルまたは2チャネルのアナログ電話インターフェースと、4チャネルVoIP、各種の音声符号化規格（G.711、G723.1、G.726 ADPCM、G.729A/B、iLBC）、T.38 ファックスプロトコルにも対応しています。

「Vinetic-Plus」は、「PG-LBGA-144」パッケージ（グリーン製品）で提供され、現在サンプル供給中です。