インフィニオン、未来型車両用の包括的な FlexRayバスシステムの開発着手を発表

 

将来のインフィニオン製FlexRayバスシステムは、16ビットあるいは32ビットのマイクロコントローラと統合し、自 動車の安全性制御アプリケーションやエンジン制御アプリケーションを実現可能なスタンドアロンのFlexRayプロトコルコントローラを用います。ス タンドアロンのFlexRayプロトコルコントローラはすでに開発されており、既存のマイクロコントローラとリンク可能であるとともに、2 個のマイクロコントローラ間で高速コミュニケーションをコスト効果の高い形で実現できるマイクロセカンドバスを持っています。このバスシステムには、このほか、FlexRayトランシーバが1台とソフトウェア、各 種周辺装置が含まれます。このトランシーバは高性能アナログICの開発メーカーとして世界的に有名なaustriamicrosystems社が開発したものですが、インフィニオンでは、こ のFlexRay技術をIPベースで採用しました。インフィニオンは2年前にFlexRayコンソーシアムに参加し、緊密な協力のもと、画期的でフォールト・ト レラント型の車載通信システムの開発を進めてきました。

 

「インフィニオンのFlexRayバスシステムは、素晴らしい品質の当社製品と高い信頼性を持つタイムトリガ型通信ネットワークとバスプロトコルに関する豊富な経験、それに、自 動車の電気系やスタンドアロン/統合コミュニケーションインターフェイスに関する優れたノウハウを基礎として開発するものです。開発において、イ ンフィニオンは自動車メーカー各社やそのサプライヤ各社と緊密な協力体制を構築し、FlexRayバスシステム用の標準化された完全なチップソリューションを提供します」と、ジョージ・リプラー（ インフィニオンテクノロジーズの自動車・産業・マルチ市場部門、自動車用パワー半導体マーケティング担当シニアディレクタ）は話しています。

 

最近の市場調査によると、インフィニオンは現在、自動車用のCAN/LINインターフェイスについて20％の市場シェアを持つ世界第2位のサプライヤとなっています。イ ンフィニオンはスタンドアロントランシーバから、TLE7263E LINおよび高速CANゲートウェイチップなど、パワーエレクトロニクス機能を持ち統合システムのベースとなるチップ、そして、マ イクロコントローラとパワーエレクトロニクスをシステム・イン・パッケージとして組み合わせた組込み用パワーコンポーネントなど、幅広い製品を提供しています。

 

インフィニオンFlexRayトランシーバの提供状況
インフィニオンでは、スタンドアロンFlexRayトランシーバについて、2008年第1四半期に主要顧客向けサンプル出荷を開始する計画です。ス タンドアロンFlexRayコントローラは、すでにサンプルを提供中です。量産開始は2007年第3四半期を予定しています。

FlexRayについて

FlexRayは世界的に重要度が非常に高い標準化イニシアティブで、自動車における高速データ通信システムの鍵を握る技術を提供するものです。FlexRayは、ブ レーキングシステムやステアリングシステムなど、安全性を左右する自動車用アプリケーションで必要とされる完全なリアルタイムパフォーマンスを発揮できる柔軟でスケーラブル、フォールト・ト レラント対応のソリューションを提供します。ハードウェアとソフトウェアの両方を対象に、Xバイワイヤといった画期的な高速データアプリケーション用の規格として設計されています。

詳細

インフィニオントランシーバに関する詳細は、 www.infineon.com/transceiver  をご参照ください。
FlexRayに関する詳細は、 www.flexray.com をご参照ください。