インフィニオンにとって新たな成長市場、エネルギー効率の高い電動自転車

独インフィニオンテクノロジーズは、電動自転車向け8ビット・マイクロコントローラのデザインインの準備を整え、新たなビジネスチャンスを切り開こうとしています。電動自転車市場は、2 007年には1,850万台の販売数を誇り、25%の年間成長率を達成しています。電動自転車にはバッテリーパックが搭載されており、乗り手を強力にアシストします。その利便性と環境への配慮、コ ストパフォーマンス比により、電動自転車は現在、世界各国の自転車愛好家からの需要が増加しつつあります。

インフィニオンのチン・イェン・シー（産業・マルチ市場マイクロコントローラ担当シニアディレクター）は次のように述べています。「10%以上の市場シェアを誇るインフィニオンは、最 新の電動自転車分野を牽引する立場にあります。当社のマイクロコントローラは、バッテリーパックのエネルギー効率を高めるとともに、電動自転車の制御システムのあらゆる機能を管理します」

電動自転車の制御ユニットの中核部では、8ビット・マイクロコントローラが動作を監視し、最適なエネルギー効率を保証しています。フル充電のバッテリを使用した電動自転車の場合、最大荷重100kg、 平均時速25kmで約40kmの走行が可能です。27MHzのクロック周波数と高速A/Dコンバータなどの高性能周辺機器を備える、インフィニオンの「XC866」マイクロコントローラ・フ ァミリを採用した専用のモーター制御ユニットは、電動自転車用制御ボードの設計者にとって最適なソリューションとなります。その高い性能を活用することで、設計者は豊富な機能を実現し、リ モートロック解除や電子ブレーキ、インテリジェント・ダッシュボードなど、エンドユーザのさまざまな要件に応えることができます。チップの動作温度範囲は-40～125℃で、あらゆる気候条件の下で動作します。

現在は設計段階にあり、来年早々の発売を予定している次世代電動自転車の制御ユニットには、8kByteのメモリを搭載した最新バージョンのマイクロコントローラが搭載される予定です。メ モリ容量が拡大することで、より「インテリジェント」な動作が可能となり、現行の制御アルゴリズムでは欠くことのできない、モ ーターの位置フィードバック監視用の3つのホールセンサが不要になるなどのメリットがあります。現在、電動自転車の誤動作の約80%はこれらセンサの障害に起因することから、こ うしたセンサ不要のソリューションは、システムコストを削減するだけでなく、電動自転車メーカーのメンテナンス作業を大幅に軽減します。

シーは次のように述べています。「XC866は、入出力ポート、タイマ、高精度10ビットA/Dコンバータを幅広く備えており、8ビットのコストで16ビット・パフォーマンスを実現します」

インフィニオンテクノロジーズ（Infineon Technologies AG）は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、エネルギー効率、コミュニケーションズ、セ キュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2006会計年度（9月決算）の売上高は79億ユーロ（キマンダの売上高38億ユーロを含む）、 従業員は世界全体で約4万2,000人（キマンダの従業員約1万2,000人を含む）でした。インフィニオンは世界的に事業を展開しており、米国ではカリフォルニア州ミルピタス、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京の各子会社を拠点として活動しています。インフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。イ ンフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト：http://www.infineon.com
オンラインのニュースリリース：http://www.infineon.com/jp