インフィニオン、車載・民生用アプリケーション向けのワイヤレス・レシーバを発売、 高感度、低消費電力、マルチプロトコルサポートを実現
ノイビーベルク(ドイツ)
独インフィニオンテクノロジーズは本日、業界最高の受信感度と低消費電力を実現する強化された3種類のワイヤレスコントロール・レシーバ・ファミリを発表しました。「TDA5240」、「 TDA5235」、「TDA5225」の各レシーバデバイスは、マルチバンド(315MHz、434MHz、868MHz、915MHz)をサポートすることにより、世 界で使用される全ての周波数をカバーすることができますので、リモート・キーレス・エントリ(RKE)システム、タイヤ空気圧監視システム(TPMS)、遠隔起動、コ ントロール/ステータス/アラーム機能といった、各種車載用アプリケーションでの使用に最適です。さらに、短距離無線データ伝送、ガレージドア・オープナー、コードレス警告システム、遠隔測定、低 消費電力テレメトリーなどの産業・民生用システムにおいても、これらのワイヤレスコントロール・レシーバ・ファミリのメリットを享受できます。また、これらのレシーバ・ファミリは、通 常システムのマイクロコントローラによって実行されるタスクの一部を持っていますので、マイクロコントローラの負荷を抑えることもできます。
「TDA5240」、「TDA5235」、「TDA5325」は、「TDA5230/31」レシーバ・ファミリの後継製品です。3つのうち2つのデバイスには、「TDA5230/31」に よって導入された強力なデジタルデータ処理機能が採用されており、全体的な性能・機能が強化されています。またさらに、IFフィルタ(オプションで外部フィルタも使用可能)や レベルシフターの機能も搭載されていますので、システムを構成する際に必要な外部部品点数はわずか数個になり、その結果BOM(部品コスト)を削減することができます。そして画期的なローノイズ・アンプ(LNA) が搭載されていますので、システム開発者は高度な設計をすることができます。アプリケーションのニーズに応じ、このLNAはシステムの通信到達範囲を拡大できるほか、外 部LNAが不要になることでシステムをシンプルにし、コストを軽減できます。
インフィニオンのオートモーティブ事業部のワイヤレス・センス&コントロール担当ディレクターのマティアス・ハルスバンド(Matthias Halsband)は、次のように述べています。「 ワイヤレスコントロール・レシーバの新シリーズを発表したことにより、インフィニオンは、RKEレシーバ市場でのリーダーシップを明確に示しています」
「新型レシーバデバイスは、最高の受信感度・低消費電力とマルチプロトコル処理機能を組み合わせることで、パフォーマンスの向上とシステムコストの削減を実現します」。
デジタル信号処理機能内蔵によるパフォーマンスの向上によって、雑音指数と雑音帯域幅が抑えられることにより、新型レシーバ・ファミリは、高感度(FSKはTyp. -119dBm、A SKはTyp. -116dBm)を実現しています。インフィニオンの現行のレシーバ製品の平均データ転送速度が40kchip/sであるのに対し、「TDA5240/35/25」デバイスは、複 数のエンコーディングスキームと変調スキームを組み込んでおり、最大112kchip/s(FSK)仕様のデータ転送速度を実現します。
システム設計者は、315/434/868/915MHzの周波数帯で動作するシステム向けに開発されたマルチバンド・マルチチャネル対応のレシーバ・フ ァミリと1つの水晶発振器を組み合わせることで、すべての周波数帯に対応することができます。また、高分解能シグマ-デルタ・フラクショナルN PLLシンセサイザにより、マ ルチチャネルで10.5Hzという優れた分解能を実現しています。
このレシーバ・ファミリはマルチプロトコルに対応しているため、単一のプラットフォームに基づいた柔軟な設計が可能です。これらのレシーバは、変調やビットレート、データ・フ ォーマットが異なる場合でも、RKEとTPMS両方のトランスミッタのデータを処理することができます。そのため、現在は2つのレシーバデバイスが必要な場合でも、わ ずか1つのレシーバデバイスで複数のアプリケーション(RKE、TPMS、遠隔起動等)に対応することができます。
このワイヤレスコントロール・レシーバは、CMOSプロセスを採用しており、低消費電力を実現しています。供給電流は、パワーダウンモードでわずか0.8μA、アクティブモードで12mAです。受 信すべきデータが存在しない場合はスリープ機能への超高速フォールバックにより、レシーバのアクティブ時間が削減されることで、平均消費電力がこれまで以上に削減されます。最大4つの並列パラメータにより、自 律型スキャニング・レセプション機能を設定した上で、異なる送信源からのデータを受信することができます。これにより、ホストプロセッサとシステムの待機時消費電力を大幅に削減することが出来ます。
「TDA5240」と「TDA5235」は、自律型レセプションモードに対応しており、所望のペイロードが自動的に抽出された後、ホストコントローラがインタラプトによってトリガされ、F IFOメモリからペイロードを読み込むことができます。但し不要なRF信号を受信した場合、ホストコントローラはスリープ状態を維持します。これによって、ホストコントローラ動作時のノイズが削減されることで、シ ステムの更なる感度向上と消費電力削減が実現します。追加されたエンコーディング方式(バイフェーズ、NRZ)と、市場をリードしている車載用RKE/PASE/TPMSプロトコルに対応しているため、高 い柔軟性を実現しつつ、ソフトウェアの開発作業を最小限に抑えることができます。「TDA5225」については、内蔵デジタル・ベースバンド処理回路を省き、既 存の外部マイクロコントローラ上でベースバンド処理をするコンセプトに基づく設計をサポートします。
供給状況と価格
本製品ファミリのメンバーは主に、マルチチャネル機能とデジタル・ベースバンド機能が異なります。新製品のピン互換「TDA5240/35/25」ワイヤレスコントロール・レシーバは、T SSOP-28パッケージにより量産出荷中です。車載適合品として、3.3Vまたは5.0Vの供給電圧と、-40℃~105℃の温度範囲で動作します。「TDA5225」の5万個注文時の単価は0.80ユーロ( 1.10ドル)からです。また、新型デバイスのデザインインをサポートするため、スターターキットと各種ツールを用意しています。
「TDA5240/35/25」ワイヤレスコントロール・レシーバについての詳細は、下記サイトをご参照ください。
www.infineon.com/wirelesscontrol
www.infineon.com/TDA5240
www.infineon.com/TDA5235
www.infineon.com/TDA5225
インフィニオンについて
インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、エネルギー効率、コミュニケーションズ、セ キュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2009会計年度(9月決算)の売上高は30.3億ユーロ、従 業員は世界全体で約2万5,650人でした。インフィニオンは世界的に事業を展開しており、米国ではカリフォルニア州ミルピタス、アジア太平洋地域ではシンガポール、そ して日本では東京の各子会社を拠点として活動しています。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場、米国では店頭取引市場のOTCQXに株式上場されています。
インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト: http://www.infineon.com
日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp
Information Number
INFATV201007.059
Press Photos
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Infineon's TDA5240, TDA5235 undTDA5225 wireless control receivers offer highest sensitivity, low power consumption and flexible multi-protocol support for automotive (RKE, TPMS), industrial and consumer applications (remote metering, cordless alarm systems, home automation).TDA5240_35_25
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