インフィニオン、PCBメーカーであるシュヴァイツァー エレクトロニックの株式の9.4%を取得

2014/11/26 | マーケットニュース

2014年11月26日、ミュンヘン/シュランベルク(ドイツ)

半導体メーカーの独インフィニオンテクノロジーズとプリント基板(PCB: Printed Circuit Board, 以下PCB)メーカーのSchweizer Electronic(シュヴァイツァー エレクトロニック:以下、シュヴァイツァー)は11月26日、インフィニオンがシュヴァイツァーの株式の9.4%を取得予定であることを発表しました。関わる契約は11月26日に締結されました。両社の合意に基づき、契約条件については非公開としています。

インフィニオンは、シュヴァイツァーへの投資を通じ、PCBに対するパワー半導体の集積技術を共同で開発し、車載用 産業用の高出力アプリケーション向けチップ組込み市場へ参入する意向を明確に示しています。インフィニオンは現在、コンピューターや通信システムのプロセッサに必要な直流電源(DC/DC変換)などで使用される、独自のチップ組込みパッケージング技術「BLADE™」を提供していますが、シュヴァイツァーのチップ組込み技術が加わることで、この技術はより完成されたものとなります。

 

優位性を生み出すチップ組込み技術
今日のPCBは、前面と背面でチップと接続していますが、チップ組込み技術を活用することで、将来的には半導体をPCB内部に「組込む」ことが可能となります。PCBは今後、さらなる小型化が期待されます。これは、電動パワーステアリングシステム、アクティブサスペンション、電気ポンプなど、与えられた面積が非常に限れている車載用システムに有益です。これに加えて、チップの冷却性能も向上します。チップによる発熱は、PCBによって直接放出されます。これは特に、高出力が要求されるアプリケーションや、これまでパワー半導体に入り組んだ冷却技術が必要なアプリケーションで有益です。こうしたアプリケーションの具体例としては、電気出力が最大2キロワット(kW)に達することもある、自動車の空調システムのコンプレッサがあります。さらに、自動車業界では、現存する12ボルトのオンボードネットワークに加えて、48ボルトのネットワークの重要性が増すと予想されます。このような形でより高い電力が利用可能となることで、低・中価格帯の自動車にもハイブリッド機能(5kW~20kWの「電動ターボ」)を導入することが、容易になると期待されます。これは、チップ組込み技術が貢献可能な分野です。

インフィニオンのCEO、ラインハルト プロス(Dr. Reinhard Ploss)は、次のように述べています。「システムに関する能力と画期的な技術を活用することで、当社は自動車や産業用アプリケーションのパフォーマンスとエネルギー効率を向上させています。シュヴァイツァー エレクトロニックの株式保有は、製品を思考する段階からシステム全体を理解するまで当社を突き動かしてくれます。システムの小型化とさらなる効率化を両立できる点で、チップ組込み技術は、お客様に素晴らしい付加価値を創造します」

シュヴァイツァーのCEO、マーク シュヴァイツァー氏 (Marc Schweizer) は、次のように述べています。「システムの中でPCBと半導体の境界線が変わりつつある中、これには新たなビジネスモデルが必要です。今後数年間で、この分野には高い成長の可能性が期待されます。インフィニオンは、パワー半導体の技術リーダーであり、シュヴァイツァーは、車載用 産業用部門の高性能プリント回路基板をリードするメーカーです。市場での圧倒的なポジションと良好な顧客関係を持つ両社は、非常に良い相性といえます。今回の事例にもこれが当てはまることは、カスタム化に対応した顧客ソリューションのデモンストレーターの共同開発により、すでに実証済みです」

企業の長い伝統を鑑み、シュヴァイツァー氏は、次のように付け加えています。「165年の企業の歴史の中で、シュヴァイツァーは、市場のトレンドにいち早く適応可能なその柔軟性と能力を通じ、持続可能なビジネス開発を生み出せることを、幾度となく実証してきました。インフィニオンとの合意は、エレクトロニクス業界の未来の形成に貢献する次の一歩です」

インフィニオンは、パワー半導体の技術分野を、シュヴァイツァーは高性能PCBの分野をリードしています。自動車業界のサプライヤーとしては、両社はそれぞれの製品市場で世界第2位のポジションにあります。

過去数年間にわたり、シュヴァイツァーは、車載用エレクトロニクス分野でコラボレーションを展開してきました。例えば、2013年10月には、事故などの危機的状況時に車載用バッテリーを安全に遮断できるバッテリースイッチを共同開発 発表しています。

 

シュヴァイツァー エレクトロニック(Schweizer Electronic)について

シュヴァイツァー エレクトロニックは、クラス最高のグローバルなテクノロジー企業であり、自動車、太陽光発電、工業、航空電子工学の分野を対象に、高品質のPCBを製造し、画期的なソリューションとサービスを開発しています。テクノロジーとコンサルタントの能力では定評があり、その製品とシステムは、エネルギーや環境に配慮した機能を特徴とし、パワーエレクトロニクス、組み込み、システムコスト削減の分野で主要な課題に取り組んでいます。パートナー企業のElekonta Marek社、Meiko Electronics社、WUS Printed Circuit社との協力により、同社はそのエレクトロニクス部門を通じ、コストと生産に最適化された小規模、中規模、大規模シリーズ向けのソリューションを展開しています。こうしたネットワークでは、ドイツ、日本、中国、ベトナムで2万人以上が従事しています。

シュヴァイツァー エレクトロニックの従業員数は約700人、2013会計年度(12月期末)の売上高は1億120万ユーロでした。同社の設立は1849年で、家族メンバーによって経営されており、シュトゥットガルトとフランクフルトの証券取引所(証券取引コード:「SCE」、「ISIN DE 000515623」)に上場しています。詳細については、 www.schweizer.agをご覧ください。

インフィニオンについて

インフィニオン テクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、   エネルギー効率、   モビリティ、   セキュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2 013会計年度(9 月決算)の売上高は38億4000万ユーロ、従業員は世界全体で約2万6,700人です。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場、米国では店頭取引市場のOTCQX に株式上場しています。  

インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。  
本社サイト:   http://www.infineon.com  
日本法人サイト:   http://www.infineon.com/jp

Information Number

INFXX201411-013j

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