インフィニオン、「LITIX™Basic LED」ドライバファミリを提供開始、自動車の外装LED照明アプリケーションで高信頼性の制御を実現

 2015年2月16日、ミュンヘン（ドイツ）

独インフィニオンテクノロジーズは、低～中出力の自動車外装照明アプリケーション向けに特別設計されたLEDドライバ「LITIX™ Basic」ファミリの提供を開始しました。本製品は、高集積LEDドライバ ファミリとして、各種LED照明（方向指示器、テールランプ、ブレーキランプ、リバースランプ）について、システムの複雑性を軽減し、信頼性を向上させるものです。「LITIX Basic」ファミリでは、ディスクリート型の設計アプローチと比べて、部品点数が抑えられるとともに、機能も充実しており、自動車メーカーとしては、安全性を強化したブランド個別のLED照明システムの使用を拡大できます。

「LITIX Basic」ファミリは、広範な電圧範囲全体を通じて、出力電流を高精度に制御します。製品構成としては、ピン互換のリニア電流ソースを行う15種類用意されており、出力チャネルは1～3個、定格電流は60～180mAの範囲です。安定性と信頼性を兼ね備えたLED輝度制御に加えて、「LITIX Basic」ファミリには、LEDのPoL（Point of Load）で高度な診断機能を直接サポートするバージョンも用意されています。これを使用することで、自動車メーカーには、最高の照明品質が得られます。

システムの複雑性を軽減
LEDリアランプの設計の大半では、依然としてディスクリート型の抵抗器を使った構成をLED制御に用いているのが現状です。この結果、システムコストが上昇するだけでなく、ディスクリート部品の点数が多いことから、LEDリアランプ構成では、複雑性が増し、信頼性が低下してしまいます。貧弱なはんだ接合部に自動車業界が悪戦苦闘することも多い現状の中、インフィニオンのソリューションを使用することで、PCBの部品点数を約40%少なくすることが可能で、これに付随する形で障害発生リスクも抑えられるとともに、設計と組立、両方の段階でコストを節約できます。

フットプリントのピン互換を実現し、拡張性に優れた機能セット
自動車に適合の「LITIX Basic」ファミリを通じ、パッケージのフットプリントが同一のLEDドライバを15種類も取り揃えており、これほど拡張性のあるポートフォリオを提供できるのは、インフィニオンが初の半導体サプライヤとなっています。この結果、出力電流などの要件が変更された場合や、異常検知機能が必要な場合など、LEDの新しい構成でもLED電流制御部は再設計変更が容易になります。また、複数の「LITIX Basic LED」ドライバを並列接続することで、個々のデバイスについては、180mAを超える負荷電流を容易に達成できます。「LITIX Basic」ファミリは、すべてのデバイスで過負荷保護機能と過熱保護機能（出力電流低減を含む）を搭載しつつ、5.5V～40Vという広範な供給電圧範囲を誇ります。

診断機能内蔵のデバイスについては、LEDチェーンの異常検知機能として、SC（短絡回路）、OL（オープン負荷）、N-1（デバイス間の診断バス）の機能を選択可能です。「LITIX Basic」ドライバは、集中管理型のボディ制御モジュールによって異常診断が制御される、いわゆる集中管理型の診断機能と、異常検知をリアルタイムで行う非集中管理型の診断機能の両方に適しています。非集中管理型アーキテクチャの場合、リアランプか、その付近の外部モジュール内にマイクロコントローラを配置し、「LITIX Basic」LEDドライバと通信させることができます。集中管理型と非集中管理型、いずれの場合でも、「LITIX Basic」LEDドライバの機能により、照明機能に不具合がある場合は、迅速に特定・修理できるようになっています。これは、安全面や法的要件を満たすだけでなく、自動車メーカーの設計した通りに自動車の外観を維持することで、自動車ブランドの高品質なイメージを守るという意味もあります。「LITIX Basic」LEDドライバのさらなる選択肢としては、パルス幅変調（PWM）エンジンがあり、ブレーキランプとテールランプの機能を組み合わせるなど、1つの照明内で2種類の照明レベルを容易に実現できます。

インフィニオンのアンドレアス ドール（Andreas Doll）（オートモーティブ事業部ボディパワー担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャ）は、次のように述べています。「車載用LED市場は、今後数年間で2桁成長が予想されており、『LITIX Basic』LEDドライバファミリは、この前途有望な市場で、インフィニオンにとって重要な節目となります。現在すでに、LITIXシステムの優位性は、世界各国の自動車メーカーにご理解いただいております」

供給状況とパッケージング
15種類の『LITIX Basic』LEDドライバはすべて、量産出荷を開始しています。「LITIX Basic」デバイスは、14ピンのエクスポーズド パッド（PG-SSOP-14EP）による、鉛フリーの「グリーン」RoHS（有害物質規制）に適合したSSOPパッケージで提供いたします。

詳細情報
「LITIX Basic」ポートフォリオについての詳細は、 www.infineon.com/LITIX-basicをご覧ください。

「LITIX」ファミリについて
「LITIX Basic」ファミリは、車載用アプリケーション向けLEDドライバの「LITIX」ファミリの一部です。今回提供開始された「LITIX Basic」は、低～中出力の自動車外装照明アプリケーション向けですが、それ以外にも「LITIX Linear」ファミリと「LITIX Power」ファミリが用意されています。「LITIX Linear」ファミリは、リアランプ機能や低コストのフロントランプなど、低～高出力アプリケーションに対応します。一方、「LITIX Power」ファミリは、LED日中走行用ライトやLEDロービーム/ハイビームなど、高出力アプリケーション向けのDC/DCコンバータ/コントローラです。

インフィニオン テクノロジーズ（Infineon Technologies AG）は半導体分野の世界的リーダーです。インフィニオンはエネルギー効率、モビリティ、セキュリティという、現代社会が抱える3つの大きな課題に応えています。2014会計年度（9 月決算）の売上高は43億ユーロ、従業員は世界全体で約2万9,800人です。インフィニオンは2015年1月、パワー半導体技術の有数のプロバイダーであり、11億米ドル（6月29日を期末とする2014会計年度）の売上高と約4,200人の従業員を持つ米国企業のインターナショナル・レクティファイアーを買収しました。

インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場(ticker symbol:IFX)、米国では店頭取引市場(ticker symbol:IFNNY)のOTCQX に株式上場しています。

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