「CES 2016」:インフィニオン、スマートフォンで仮想現実を実現する3Dイメージセンサチップ「REAL3™」を出展

独インフィニオンテクノロジーズとpmdtechnologies社の共同プレスリリースです。

2015/12/17 | マーケットニュース

2015年12月17日、ミュンヘン/ジーゲン(ドイツ) 

モバイルデバイスは将来的に、周囲の状況をスピーディかつ現実的に3次元(3D)で検出できるようになるでしょう。そして、これを実現させるのが、独インフィニオンテクノロジーズとpmdtechnologies gmbhの3Dイメージセンサチップ「REAL3™」です。本製品は、ヘッドマウントデバイスを通じ、ゲーマー自身の手とゲーム内の空間環境を連動させることで、究極にリアルな仮想現実(VR)と拡張現実(AR)のゲーム体験を実現します。このほか、本イメージセンサチップのアプリケーションとしては、部屋や物体の空間測定、屋内ナビゲーション、特殊なフォト効果の実装があります。 

インフィニオンとpmd社は、ラスベガスで開催される展示会「Consumer Electronics Show (CES) 2016」に於いて、「REAL3」ファミリーの最新の3Dイメージセンサチップを出展する予定です。新型の3Dイメージセンサは、旧バージョンとの比較で光感度と消費電力が向上しています。さらに、組み込み電子回路としての実装面積は極めて小さくなります。本チップを携帯電話に使用することで、3Dの奥行きデータを測定可能なミニカメラシステムの運用が可能です。 

マイクロレンズの採用により、高感度を実現

カメラのレンジや測定精度は、2つの要因によって決定されます。1つは赤外線の放射光/反射光の明度ですが、もう1つの要因である、3Dイメージセンサチップのピクセル感度も、大きな影響を及ぼします。新型3Dイメージセンサチップの光学ピクセル感度は、旧バージョンの2倍に達しています。これによって、優れた測定品質を維持しつつ、放射光出力はわずか半分ですみます。つまり、モバイルデバイス向けカメラシステムのメーカーにとっては、より高いコスト効果で赤外線光を提供できるだけでなく、カメラシステムの消費電力は約半分に抑えられます。 

光学ピクセル感度の向上は、3Dイメージセンサチップの各ピクセル毎に1つのマイクロレンズで対応していることによります。その結果、入射光の大半はピクセルの高感度表面に送られるため、不活性な領域へと失われる光エネルギーがほとんどありません。 

フォームファクタの最適化:センサ寸法を半分に

CESで出展予定の3Dイメージセンサチップは、モバイルデバイスに特化した設計となっており、大半のアプリケーションで求められる3万8,000ピクセルの分解能です。これに伴い、従来の10万ピクセルのマトリックスは縮小されており、チップエリアのアナログ/デジタルコンバータなどの機能ブロックや、パフォーマンスレンジは最適化が図られています。これにより、システムコストの削減が実現しています。センサチップの面積はほぼ半分となり、分解能が抑えられたことで、より小型で低コストの光学レンズを使用可能です。 

新型 3D イメージセンサチップは、 1 9,000 3 8,000 10 万のピクセル数で展開

3種類の新型「REAL3」3Dイメージセンサチップは、いずれもマイクロレンズを搭載しており、光学性能と機能性については、ほぼ同水準です。唯一の違いは、その分解能にあります。「IRS1125C」は352×288ピクセル、「IRS1645C」は224×172ピクセル、「IRS1615C」は160×120ピクセルです。この違いに伴い、「IRS1645C」と「IRS1615C」は、「IRS1125C」の半分のチップ面積で生産されます。 

Google の「 Project Tango 」がインフィニオンの「 IRS1645C 3D イメージセンサチップを採用

3種類の中でも、とりわけモバイルデバイスでの使用に適しているのが「IRS1645C」です。そして、インフィニオンとpmdtechnologiesは、Googleの「Project Tango」の共同パートナーです。「Tango」では、携帯電話/タブレットに3D認識用の特殊な光学センサシステムが搭載されおり、そこで使用されるのが、インフィニオンの「IRS1645C」3Dイメージセンサチップを搭載した3Dカメラです。アプリケーションとしては、拡張現実、屋内ナビゲーション、3次元測定があります。Googleの「Tango」の3Dカメラ全体は、「IRS1645C」とアクティブ赤外レーザー照射装置で構成されており、実装面積は約10mm×20mmです。3Dカメラサブシステムのレンジは最大4m(13フィート)で、この距離での測定精度は1%、フレームレートは5fps(フレーム/秒)、アクティブモードでの消費電力は300mW未満です。 

飛行時間( ToF )方式

本3Dイメージセンサチップは、赤外光で動作し、飛行時間(ToF)測定方式を採用しています。この方式では、ピクセルの一つひとつを対象に、赤外光がカメラと物体を往復する時間を3Dイメージセンサチップが測定します。これと同時に、各ピクセルは物体の輝度値も検出します。 

「IRS1125C」は、2016年第1四半期中に量産出荷を開始する予定です。これより小型の「IRS1645C」と「IRS1615C」の量産出荷は、2016年第2四半期の開始を予定しています。設計時の柔軟性を最大限に確保しつつ、システムコストを最小限に抑えるため、3種類とも、ベアダイでのみ供給されます。 

インフィニオンと pmdtechnologies の協業について

インフィニオンは、この「REAL3」3Dイメージセンサチップをpmdtechnologies gmbh(本社:独ジーゲン)と共同開発しました。両社は現在、顧客への技術サポートを共同提供しています。pmdtechnologies社は、ToFピクセルマトリックスの分野で新型チップファミリに貢献しています。インフィニオンは、システムオンチップ(SoC)統合のすべての機能ブロックで貢献しており、製造プロセスを開発しました。本3Dイメージセンサチップは、インフィニオンのドレスデン工場で製造されており、CMOSプロセスは、マイクロレンズ技術を採用したToF向けに最適化されています。 

インフィニオンと pmdtechnologies 社が「 CES 2016 」に出展

インフィニオンとpmd社は、「Consumer Electronics Show 2016」(於:ラスベガス、会期:2016年1月6日~9日)にて、3Dイメージセンサの性能に関するデモンストレーションを行い、携帯電話とヘッドマウントデバイスのアプリケーション向けのコンセプトデザインを紹介します。インタビューのお申込みは、 events@pmdtec.com までメールをお送りください。 

インフィニオンの3Dイメージセンサチップに関する技術的な詳細は、 www.infineon.com/3d-imagingをご覧ください。プロトタイプカメラとpmd社の技術に関する詳細は、 www.pmdtec.com をご覧ください。 

pmdtechnologies gmbh について

pmdtechnologies gmbhは、独ジーゲンに本社を置くファブレスIC企業であり、3D飛行時間式のCMOSベースデジタルイメージング技術のサプライヤとして世界をリードしています。創業は2002年で、pmdベースのアプリケーション、pmd測定方式とその実現に関して、全世界で150件以上の特許を保有しています。pmd社の3Dセンサのアプリケーションとしては、産業/オートメーション、自律型ロボット/自動車、セキュリティ/監視、医療/ライフサイエンス、コンシューマーなどが考えられます。pmdセンサの累計販売個数は約100万個です。詳細については、 www.pmdtec.com をご覧ください。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズは、暮らしをより便利に、安全に、エコに革新する半導体分野の世界的リーダーです。明るい未来の扉を開く鍵になる半導体をつくることが、私たちの使命だと考えています。2014会計年度(9 月決算)の売上高は43億ユーロ、従業員は世界全体で約2万9,800人。2015年1月に、売上高11億米ドル(6月29日を期末とする2014会計年度)、従業員約4,200人の米国インターナショナル・レクティファイアーを買収しました。

インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場(ticker symbol:IFX)、米国では店頭取引市場(ticker symbol:IFNNY)のOTCQX に株式上場しています。 

日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp

本社サイト: http://www.infineon.com (英語)

Information Number

INFATV201512-017

Press Photos

  • The new image sensor chips of the REAL3™ family (left: IRS1125C, right: IRS16x5C) are exclusively delivered as bare die to allow maximum design flexibility while minimizing system costs.
    The new image sensor chips of the REAL3™ family (left: IRS1125C, right: IRS16x5C) are exclusively delivered as bare die to allow maximum design flexibility while minimizing system costs.
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