インフィニオン、超高分解能、低消費電力気圧センサの提供を開始 - モバイル/ウェアラブル製品やIoT機器向けに、かつてない高精度を実現 -

2015/02/26 | マーケットニュース

 2015年2月26日、ミュンヘン(ドイツ)

独インフィニオンテクノロジーズは、±5cmという超高分解能を実現し、モバイル/ウェアラブル製品やIoT(Internet of Things)機器の用途に対応した、小型MEMS(微小電子機械システム)気圧センサの提供を開始しました。この製品は、低消費電力のデジタル気圧センサ「DPS310」であり、ナビゲーション、位置情報、健康、動作認識、天候観測など、これまでにない強力なアプリケーションの開発を可能にします。

「DPS310」は、優れたMEMS技術を用いることにより、広い温度範囲で、正確かつ安定したパフォーマンスを実現します。ショッピングモールや駐車場の階数検知など、屋内でのアプリケーションに加え、GPS信号が届かない場合の野外のナビゲーションに適しております。上昇や垂直速度の演算でも高精度のデータを提供できるため、健康・スポーツ向けモバイル/ウェアラブル製品でのアクティビティトラッキングへの応用も可能です。さらに、高精度測定機能により、動作認識や、急な天候変化の検知などの新たな可能性を開くことができます。

インフィニオンの「DPS310」気圧センサは、他の大半のデジタル気圧センサで使用される、圧電式ではなく、MEMS技術を用いた容量性検知方式を採用しています。これにより、温度が急に変化した場合でも、広い温度範囲を通じて高い精度が保証されます。モバイル製品の内部では、複数の熱源により温度が急速に変化することもあるため、これは明確な優位性であります。

「DPS310」を高精度モードで使用した場合、±5cmでの高さを正確に測定できるため、屋内ナビゲーション最大の課題である過渡状態の正確な検知が可能です。インフィニオンの気圧センサの高い分解能によって、ユーザーが今いる階から別の階に移動していることを識別し、新しい階の見取り図のダウンロードを得るといった応用が考えられます。また、スポーツ/フィットネス アプリケーションでは、さまざまな種類の「ステップ」を判別し、これに応じたカロリーの「燃焼率」をより正確に計算することができます。

今回の新型気圧センサに際し、インフィニオンは、同社の車載用センサ向けに開発された、先進的な半導体プロセスを活用しています。このセンサは、その高い信頼性により、エアバッグなどのセーフティ アプリケーションにも採用されているものです。こうした技術は、2.0mm×2.5mm×1.0mmというデバイスの小型化と、低消費電力化に貢献しています。低消費電力モードの場合、消費電流は1回の測定で1秒あたりわずか3μAですが、待機モードではさらに低くなり、1μAを下回ります。最新32回分の測定内容を記録するFIFOを内蔵しているため、センサの読み出し間に、ホストプロセッサがスリープモードでいられる時間が長くなることで、システム全体の消費電力をこれまで以上に削減できます。

「DPS310」は、300hPa~1200hPaの圧力範囲と-40℃~85℃の温度範囲で、高信頼性、高精度のパフォーマンスを達成します。複数の測定モードと分解能により、対象とするアプリケーションに合わせたデバイスの最適化が可能です。例えば、GPSで正確な高度を得るために1回測定の構成とすることも、1秒間で複数回の測定を行うオプションにより、動作認識のニーズに対応することも可能です。また、各センサは個別にキャリブレーションを行うことができ、オンボードのキャリブレーション係数により、気圧、温度の測定値について、高精度の補正が可能です。センサの測定データとキャリブレーション係数は、センサのI 2C/SPIデジタルインターフェイスを通じて提供されます。

インフィニオンのローランド ヘルム(Dr. Roland Helm)(センサ部門責任者)は、次のように述べています。「気圧センサは、モバイル/ウェアラブル製品にとって不可欠な要素になりつつあります。IoTに関連し、気圧センサは、センサ内蔵の一般消費者向けソリューションについても、重要な構成要素となっています。実績のある半導体プロセスを基礎とし、超高分解能、良好な温度安定性、低消費電力動作、小型パッケージサイズを兼備した『DPS310』を使用することで、位置情報やナビゲーション、スポーツ/フィットネスから、リアルタイムの天候観測まで、幅広いアプリケーションを対象に、機能性を向上させることにより、ユーザー各位の満足度を向上させることが可能です」

供給状況
「DPS310」は、2015年5月にエンジニアリングサンプルの、2015年第3四半期には量産出荷の開始を予定しています。インフィニオンは今後、スターターキットと評価ボードを通じ、デザインイン作業をサポートしていきます。「DPS310」は、1.7V~3.6Vの供給電圧で動作します。提供は、寸法わずか2.0mm×2.5mm×1.0mmの省スペース型8ピンLGAパッケージで行われます。詳細については、 www.infineon.com/sensors をご覧ください。

インフィニオン、「Mobile World Congress」に出展
インフィニオンは、「Mobile World Congress 2015」(於:スペイン バルセロナ)で、「ネットワーク社会でのパフォーマンスとセキュリティの実現」に向けた、包括的なポートフォリオを紹介しました。詳細は、   www.infineon.com/mobile をご覧ください。

インフィニオンについて

インフィニオン テクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は半導体分野の世界的リーダーです。インフィニオンはエネルギー効率、モビリティ、セキュリティという、現代社会が抱える3つの大きな課題に応えています。2014会計年度(9 月決算)の売上高は43億ユーロ、従業員は世界全体で約2万9,800人です。インフィニオンは2015年1月、パワー半導体技術の有数のプロバイダーであり、11億米ドル(6月29日を期末とする2014会計年度)の売上高と約4,200人の従業員を持つ米国企業のインターナショナル・レクティファイアーを買収しました。

 

インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場(ticker symbol:IFX)、米国では店頭取引市場(ticker symbol:IFNNY)のOTCQX に株式上場しています。

 

 

 

Information Number

INFPMM201502-036

Press Photos

  • For the new pressure sensor Infineon makes use of advanced semiconductor process technologies that were originally developed for the company's automotive sensors.
    For the new pressure sensor Infineon makes use of advanced semiconductor process technologies that were originally developed for the company's automotive sensors.
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