マイクロコントローラ「XMC1400」、コスト重視のリアルタイムな電力制御を実現;「XMC1000」ファミリーのパフォーマンスと接続性を拡大

2016年2月23日、ミュンヘン／ニュルンベルク（ドイツ） 

独インフィニオンテクノロジーズの「 XMC1400 」マイクロコントローラは、産業用オートメーション、デジタル電力変換、電子制御の分野で新たなアプリケーションを切り開きます。従来の「 XMC1000 」製品と比べ、最新の「XMC1400」シリーズは制御性能が向上し、接続性を拡張しています。「XMC1400」は、ARM® Cortex®-M0プロセッサを採用しており、対象アプリケーションに適合するのに十分なペリフェラルの機能を搭載しています。具体的な用途としては、産業用オートメーションのアクチュエータ、LEDランプやマルチフェーズ電動モータの制御用のデジタル電力変換、芝刈り機、チェーンソー、発電機などの小型燃焼エンジンの電子制御が挙げられます。 

「XMC1400」製品は、従来の「XMC1000」マイクロコントローラに比べ、接続性が向上している他、処理能力も向上しており、より高精度の制御が可能です。クロックサイクルは48MHzです。従来の「XMC1000」シリーズは32MHz動作です。「XMC1400」では、PWMタイマやADコンバータなどの制御用ペリフェラルが、2倍の周波数、すなわち96MHzで動作可能です。Cortex M0ベースの製品では珍しい要素として、「XMC1400」は三角関数演算/除算をリアルタイムで行うことができます。内蔵のMATHコプロセッサは、Cortex-M0 CPUと並列で動作し、さらなるリアルタイム演算を実行します。 

「XMC1400」シリーズの強力なマイクロコントローラには、4つのCCUタイマモジュール（CCU4モジュール2個、CCU8モジュール2個）と、これらに最大16個の独立したタイマ（リアルタイムでのPWM生成用途など）が搭載されています。価格が重視される次世代の小型燃焼エンジンの市場では、イグニション、スロットル、インジェクションポンプの電子的な調整/制御の特別な要求に対応可能です。電子制御モータ制御の分野では、「XMC1400」はホールセンサや光学エンコーダの接続用に2つのインターフェイスを提供します。 

「XMC1400」には、BCCUペリフェラルユニット（輝度色彩制御ユニット）も搭載されており、LEDでは、ちらつきのないデジタル調光とカラー制御が可能です。これにより、カラーLEDを調整し、日光スペクトルのシミュレーションに対応（色温度を調整可能な白色光）した、マルチチャネルLEDスイッチモード電源を設計できます。「XMC1400」には、スイッチング電源の調整用に、最大4つのコンパレータが搭載されています。なお、従来の「XMC1000」マイクロコントローラでは、最大3つのコンパレータを搭載しています。 

接続性の向上により、インダストリー 4.0 の基礎であるオートメーション技術に対応

インダストリー4.0では、分散型のネットワーク処理が求められます。多数のセンサやアクチュエータなどのネットワーク処理が要求されるすべてのアプリケーションで、「XMC1400」は、求められるリアルタイムの制御性能を実現するだけでなく、必要なインターフェイスも提供します。「XMC1400」では、要求されるソリューションを簡単に実現できるため、システムコストを削減できます。すべての「XMC1400」は、UART、I ²C、SPI、I ²Sなどの標準的なコミュニケーション インターフェイスを搭載しています。「XMC1403」/「XMC1404」マイクロコントローラは、2つのCANバスのノードを接続可能です。CAN（コントローラ エリア ネットワーク）は、オートメーション技術で最も一般的に使用されるバス規格の1つです。 

「XMC1000」マイクロコントローラと同様、インフィニオンは、「XMC1400」でも顧客別バージョンを提供しており、セキュアなブートローダと適切なツールチェーンにより、暗号化形式を通じて、ファームウェアをフラッシュメモリにセキュアにロード可能です。 

「 XMC1400 」の提供状況

「XMC1400」シリーズの製品については、全パッケージの派生製品でサンプルのほか、小型評価ボード、ブートキットを提供中です。「XMC1400」は、現在すでにLQFP-64パッケージで量産を開始しています。その他の製品については、2016年第2四半期中の量産開始を予定しています。「XMC1400」製品の派生製品は、メモリサイズ（32～200KBフラッシュ）、PWMタイマ（8、16）、CANノード（2、非搭載）などのパラメーターが異なります。パッケージは、VQFN-40（「XMC1300」とピン互換）、VQFN-48、VQFN-64、LQFP-64が用意されています。「XMC1400」シリーズのファームウェアは、無償の「 DAVE™」統合開発環境で開発可能です。 

詳細情報

「XMC1400」、開発プラットフォーム「DAVE」、開発キットについての詳細は、 www.infineon.com/xmc, www.infineon.com/dave, www.infineon.com/xmc-devをご覧ください。インフィニオンは、ドイツ、ニュルンベルクにて2月23日～25日に開催された見本市「Embedded World」（ホール5、ブース番号360）にて、最新の「XMC」製品を紹介しました。展示内容に関する詳細は、 www.infineon.com/embeddedworldをご覧ください。