インフィニオン、PROFET™+2とHigh Current PROFET™により業界をリードするスマートなパワースイッチのファミリーを拡大、エネルギー効率と小型化をさらに改善

2017年6月22日、ミュンヘン（ドイツ）

自動車メーカーは、エネルギー効率に優れた多数の機能を可能な限りわずかなスペースで実現する、車載電子システムを求めています。独インフィニオンテクノロジーズは新しいパワーIC製造プロセスであるSMART7によりこの要請に応えます。この技術はボディーコントロール モジュールやパワーディストリビューションセンター（電力分配制御モジュール）など、自動車向け用途を対象として設計されています。SMART7パワーICは、ヒーティング、電力分配、空調、車内外の照明、シートとミラーの調整などの用途において負荷駆動、診断、および保護を行います。また電気機械式のリレーやヒューズを置き換えるための、コスト効率と耐久性に優れた選択肢ともなります。SMART7は電力損失とチップのサイズをいずれも削減する薄型ウエハ技術をベースとしています。

インフィニオンはSMART7に基づき、 PROFET™+2と High Current PROFET™の2種類のハイサイド パワースイッチのファミリーを発表しました。続いて SPOC™+2マルチチャンネル ハイサイド パワーコントローラーの発表も年内に予定しています。

インフィニオンのBody Power Automotive担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるアンドレアス ドール（Andreas Doll）は次のように述べています。「PROFET+2ファミリーに先行したPROFET+については、インフィニオンはこの10年間に10億台を出荷しています。SMART7パワーICは、さらに強化された保護機能、より小型のパッケージに、より少ない電力損失と共に、お客様での総合的なシステムコストをより引き下げながら、車のボディー機能や快適性を実現する各種アプリケーションに貢献します。」

PROFET+2 はワット損と基板専有面積を 2 桁削減

PROFET+2ファミリーは自動車の12V照明や容量性負荷を対象として開発されました。これにはたとえば外部照明用のハロゲン電球、車内の照明と調光、およびLED照明が含まれます。PROFET+2デバイスには極めて高度な診断と保護機能が搭載されています。また従来のPROFET+とのピン互換性も備えているため、費用ゼロでの移行が可能です。シングルチャンネルのデバイスをデュアルチャンネルのデバイスで、あるいはその逆に置き換える場合にもECUのレイアウトを変更する必要はありません。従来のPROFET+ファミリーと比較して、PROFET+2デバイスのパッケージサイズは40％小型化され、またエネルギー効率改善により消費電流が50%削減されています。最も低オン抵抗のPROFET+2デバイスは8 mΩ、デュアルチャンネルの、保護と診断機能を備えた BTS7008-2EPAスイッチです。

High Current PROFET ファミリーはベンチマークフットプリントにて最大 20 A DC に対応

新しいHigh Current PROFETファミリーは、PROFET+2のフレキシブルなファミリーアプローチを同じTSDSO-14パッケージにて、8 mΩから2 mΩまでのオン状態抵抗RDS(ON)にまで拡大しています。ピンピッチがわずか0.65 mmのTSDSO-14パッケージによるHigh Current PROFETデバイスは、モノリシックのスイッチとして世界で最も低いRDS(ON)を備えています。TSDSO- 14のフットプリントはDPAKパッケージによる標準的なスマートパワースイッチを50％下回ります。D2PAKとの比較では80％下回ります。このファミリーは大電流負荷において非常に効率的な駆動を実現しました。またコントロールモジュールでの電力損失を最大60％削減します。12 V大電流負荷に最適化された、診断と保護を含む一連の機能により、このファミリーはヒーターと電力分配アプリケーションに幅広く対応します。このようなアプリケーションにはグロープラグのコントローラー、PTCヒーター、スターター用リレー、クラクション、トレーラーノード、および外部用電源が含まれます。

PROFET+2とHigh Current PROFETのいずれのファミリーも同一のピン配置を持ち、また主な機能セットを共有しています。これらのオン抵抗値RDS(ON)は2 mΩから200 mΩです。定格電流において5%未満の負荷電流検出精度（kILIS）は市場のベンチマークとなっています。保護機能としては電流トリッピング、過熱、過電圧、ロードダンプ、およびバッテリー逆接続に対応するReverSave™が用意されています。モノリシックチップにバッテリー逆接続対応機能を導入したのはインフィニオンが市場で最初です。もうひとつのベンチマークとしてクランキング電圧対応能力があげられ、3.1 Vまでの動作が可能です。

提供状況とその他の情報

 2x8 mΩのPROFET+2デバイスであるBTS7008-2EPAは量産が開始されています。いずれのファミリーの他のスイッチについても評価用サンプルが提供されています。これらの量産は2017年第4四半期およびそれ以降に開始される予定です。ハイサイドのスイッチはいずれもAEC Q100に基づく認証を受けています。

データシートやアプリケーションノートなどその他の情報は www.infineon.com/switchesと www.infineon.com/profet+2をご覧ください