インフィニオン、イルミノシティ社と共同開発:未来の街をインテリジェントにする街路灯
2017年2月27日、ミュンヘン(ドイツ)
都市化の傾向は続いており、2050年までに世界の人口の約70%が都市部に住むようになると予測されています。人口動態の変化は、都市のインフラに大きな影響を及ぼし、よりスマートで、安全で、エネルギー効率に優れたソリューションが求められます。こうしたニーズに対応するため、インフィニオンテクノロジーズは、インテリジェント街路灯をイルミノシティ社(eluminocity, 以下イルミノシティ)と共同開発しました。エレクトリックモビリティを推進するインテリジェント街路灯は、エネルギーの節約やコネクテッド化されたインフラを可能にし、未来の街のバックボーンという役割を果たします。
インフィニオンのパワーマネジメント&マルチマーケット(PMM)事業部責任者であるアンドレアス ウルシッツ(Andreas Urschitz) は、次のように述べています。「半導体は都市のインフラをインテリジェントなものにする重要な鍵となります。パートナー企業と協力し、スケーラブルなセンサーハブ、データ処理性能、コネクティビティを有する安全性の高いプラットフォームを提供したいと思っています。当社のソリューションは、既存のモバイル通信インフラを活用するため、5Gの実用化に向け、その技術的な進歩を加速させることができます」
イルミノシティの創設者でCEOでもあるセバスチャン ヤークシュ(Sebastian Jagsch)は、次のように述べています。「デジタル化によって都市部に住む人たちの行動やニーズは、これまで以上のスピードで展開するようになります。そのため、インテリジェント街路灯は、当社のハードとソフトウェアのアップデートによって将来的にも対応できる設計になっています。また、新しいセンサーやモバイル通信用の部品などを実装することもできるため、将来的なデマンドに合わせて新しいアプリケーションの継続的な開発も可能にします。当社では、公共スペースの快適性、安全性、防犯性、効率性などを向上させることで、都市全体の将来性も向上させることを目的にしています」
エネルギーを節約する安全性の高いコネクティビティ
インフィニオンとイルミノシティは、スマートシティの実現に向けた両社のパートナーシップに基づき、各社の専門ノウハウを相互提供しています。インフィニオンは何十年にも亘る同社のセンサー、パワーマネジメントチップ、セキュリティソリューションに関する技術を提供し、イルミノシティはシステム統合、データ分析、アプリケーションソリューションに関するノウハウを提供しています。また、他のパートナー企業も、コネクティビティ、コンピューティング、クラウドソリューションといった分野で同パートナーシップに貢献しています。インテリジェント街路灯は、クラウドからだけでなく、デバイスレベルからの不正アクセスも防止する一方で、ハードやソフトウェアによるアップデートが可能です。
LEDを使用するインテリジェント街路灯は、エネルギーをダイレクトに節約します。世界の電力消費の約19%は照明によるものです。そのうち、約80%が街路灯といった専門的な用途で消費されているものです。ドイツに設置されている、いわゆる光ポイントと呼ばれる約900万の街灯は、年間約4,000 GWhもの電力を消費しています。街灯をLED化することで、その消費電力の半分以上を節約することが可能になります。これは、二人暮らしの場合、63万世帯を一年間供給するのに十分な電力量になります。
一方、電気自動車が使用する統合充電ステーションによって空気の質も向上しています。これは、住宅地にも充電インフラを安心して設置できることを意味しています。統合充電ステーションの数が増加した場合、ドイツ国民の約37%がエレクトロモビリティに対して、より強い関心を向けるという調査結果からも、充電インフラの増加は、エレクトロモビリティをさらに加速させる大きな要因になります。また、専門家によると、街を走行中の3台に1台の自動車が駐車スペースを探している状態にあると指摘しています。インテリジェント街路灯は、駐車スペースを検知するセンサーを搭載することが可能なため、空いている駐車スペースに関する情報をクラウドに提供することで、駐車スペースを探す手間を省くだけでなく、インテリジェントな交通管理システムを構築する際の基礎にもなります。
また、統合レーダーセンサーを活用するシステムにより、インテリジェント街路灯を環境変化に瞬時に適応させることも可能です。たとえば、天気が悪い時、または自動車や歩行者が近づいている場合、周囲を明るくします。これは、利用者の利便性だけでなく、安全性の向上にもつながります。同システムによって収集されたデータは、エンドツーエンドの暗号化といった処理によって匿名性や安全性を確保し、クラウドに転送されます。これにより、アプリケーションという形でさまざまなサービスの提供が可能になります。
将来的なニーズにも対応する設計:環境センサーと 5G 基地局
インテリジェント街路灯には、導入オプションとして周囲の環境を分析するセンサーを搭載させることも可能です。ガスセンサーの場合、空気の質を測定し、一定値を超えた際は、クラウドを介して自治体のコントロールセンターに報告します。これにより、たとえば、ジョギングに適した日時を知ることが可能になります。また、マイクロフォンを実装させることも可能で、周囲の音響パターンを検知し、自動車事故といった異常事態が発生した際は、近くの警察署に自動的に報告します。
高周波部品を実装するインテリジェント街路灯は、次世代のモバイル無線規格である5G通信の基地局という役割を担うこともできます。従来の規格と比較した場合、より多くの送受信アンテナが必要になりますが、100倍の伝送スピード、1,000倍のデータ容量、リアルタイムの通信が実現するだけでなく、電力消費の大幅な節約が可能になります。
モバイルビジネスの原動力 – 高いセキュリティで未来を後押し
「 Mobile World Congress 2017」(ホール6、ブース番号6C41)に於いて、インフィニオンは、コネクテッドワールドを支える、セキュリティとエネルギー効率に優れたコミュニケーション向けの半導体ソリューションを展示しました。主な展示内容としては、スマート交通インフラストラクチャ向けのインテリジェントな街灯、スマートホームのネットワーク機器を保護するセキュリティゲートウェイに加え、音声/ジェスチャー認識機能を活用し、人と機械のコミュニケーションを促進する新たなコンセプトでした。詳細については、 www.infineon.com/5Gをご覧ください。
インフィニオンについて
インフィニオンテクノロジーズは、暮らしをより便利に、安全に、エコに革新する半導体分野の世界的リーダーです。明るい未来の扉を開く鍵になる半導体をつくることが、私たちの使命だと考えています。2016会計年度(9 月決算)の売上高は65億ユーロ、従業員は世界全体で約3万6,000人。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場(ticker symbol:IFX)、米国では店頭取引市場(ticker symbol:IFNNY)のOTCQX に株式上場しています。
日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp
本社サイト: http://www.infineon.com (英語)
Information Number
INFPMM201712-035
Press Photos
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The intelligent streetlight from Infineon and eluminocity can offer a secured platform with scalable sensor hub, data processing and connectivity, it leverages existing cellular infrastructure and can support the evolution towards 5G deployment.eluminocity_car
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The intelligent streetlight from Infineon and eluminocity can offer a secured platform with scalable sensor hub, data processing and connectivity, it leverages existing cellular infrastructure and can support the evolution towards 5G deployment.eluminocity_detail
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