中出力電気自動車用トラクションインバータ向けの新たなパワーモジュールを発表
2020年7月30日、ミュンヘン(ドイツ)
インフィニオン テクノロジーズ(FSE:IFX / OTCQX:IFNNY)は、80kWから100kWの出力クラスの 電動車トラクションインバータのニーズに合わせた新しい IGBTパワーモジュール HybridPACK™ DC6iを発表しました。このモジュールは、ハイブリッド車や小型バッテリー電気自動車に対して優れたシステムコストと性能を提供するように最適化されています。そして、インフィニオンが確立したEDT2 IGBTとパッケージ技術を組み合わせ、小型化、材料コストの削減、非常に優れた熱管理、簡単な実装を実現しました。
自動車電動化の世界的なブームにより、費用対効果の高いトラクションインバータの設計が注目されており、パワーモジュールが果たす役割は重要です。そこでシステム設計者は、要求される性能に最適なシリコン面積を持つベストサイズのモジュールを探しています。HybridPACK DC6iは、インフィニオンのラインアップにおけるHybridPACK1ファミリーとより強力なHybridPACK Driveファミリーの間に位置するものです。
新しいモジュールは、HybridPACK1と同じコンパクトな面積(7.2cm x 14cm)で、HybridPACK Driveと比較すると25%小さくなっていますが、利用可能な出力電力は50%以上も向上しています。また、HybridPACK1がインフィニオンのIGBT3テクノロジーを採用しているのに対して、HybridPACK DC6iは最新のEDT2 IGBTを搭載しています。さらにこの新しいモジュールでは、DCリンク用コンデンサへのねじ式コネクタがHybridPACK1ファミリーでは2個であるのに対して6個に増えています。これにより、15nHの浮遊インダクタンスという低インダクタンス設計が可能になりました。さらに、インフィニオンが特許取得済みの直冷波形ベースプレートは、IGBTチップ接合部から流体への熱抵抗が0.17K/Wという費用対効果に優れた高い放熱を実現しています。
DC6iは、効率的で自動化された大量生産を念頭に置いて設計されています。PressFITピンと追加のガイドエレメントにより、従来の選択はんだ付けで1分以上かかっていたゲートドライバ基板の実装が数秒で可能になりました。
HybridPACK DC6iは、車載用パワーモジュールのAQG324規格に完全に適合しています。
EDT2 テクノロジー
インフィニオンのEDT2テクノロジーは、電気ドライブトレインアプリケーション用に最適化された車載用微細トレンチフィールドストップのセル設計を用いています。これにより、750Vのブロッキング電圧、175°Cの短期拡張動作温度、および高い短絡耐性を提供します。スイッチング損失と導通損失の間の設計トレードオフは、軽負荷状態での電力損失に優れた実際の駆動サイクルに最適化されており、インフィニオンの前世代のIGBT3と比較して20%の効率改善が実現されました。
供給状況
新しいHybridPACK DC6iは現在生産中で、2020年9月から代理店を通じて販売を開始します。詳細については www.infineon.com/DC6iをご覧ください。
Information Number
INFATV202007-084j
Press Photos
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The new Infineon HybridPACK™ DC6i for traction inverters is equipped with EDT2 IGBT technology and offers an excellent fit for hybrid and small battery electric vehicles.Infineon_HybridPACK_DC6i
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