環境に優しいカード素材を用いたコンタクトレス決済をインフィニオンのSECORA™ Payソリューションで実現

2020年11月23日、ミュンヘン（ドイツ）  
 
インフィニオン テクノロジーズ（FSE: IFX / OTCQX: IFNNY）によるコンタクトレス決済のイノベーションが、より持続可能な資源利用に貢献します。スマートカードの製造に、より環境に優しい素材の利用を決済業界が推進していることを支援するために、様々なプロジェクトや市場の要求に容易に応えることができる完璧で唯一のソリューションをインフィニオンは提供しています。海洋プラスチックや木をリサイクルして作られるカードのために特別にデザインした新開発のカード アンテナと、コイル オン モジュール（CoM）パッケージ採用のSECORA™ Payとの組み合わせです。CoMは業界で最も薄型の決済モジュールで、銅線アンテナを内蔵し、カードの低コスト大量生産を可能にします。
 
「インフィニオンのコイル オン モジュール技術は、コンタクトレスならびにデュアル インターフェースの決済カードにとって最も重要なイノベーションの一つです」とインフィニオンのペイメント＆チケッティング ソリューション製品の責任者ビョーン シャーフェン（Bjoern Scharfen）は述べています。ICモジュールとカード アンテナ間の通信は無線（RF）方式で行われ、電気的な接続は不要です。「CoMを利用すると、様々な素材で作られたコンタクトレス カードにインフィニオンのICソリューションを容易に組み込むことができます。カード メーカーは柔軟かつ低コストでカードのデザインを変更し、持続可能で長持ちする製品を消費者へ提供できます。」
 
決済テクノロジー企業であり、クレジットやデビット、プリペイドのソリューションを提供する CPI Card Group Inc.は、環境に優しいプラスチック カードの新製品で既にインフィニオンのSECORA Payソリューションを採用しています。「インフィニオンのSECORA Payソリューションを使って、CPIは再生海洋プラスチック製のコアを備えた決済カードSecond Wave®を短期間で市場投入できました。電磁結合アンテナとチップとの組み合わせは、この持続可能で環境に配慮した決済カードを効率的に拡大してくれました」とCPIのガイ ディマジオ（Guy DiMaggio）は述べています。
 
CoM 技術の強み
木、PLA（ポリ乳酸）樹脂や再生プラスチックのような環境に優しい素材は、PVC（ポリ塩化ビニル）と比べて扱いが難しく、ラミネーションや印刷といったカード製造工程においては、なおさらです。これらの工程は長年にわたってカード業界で標準化されてきました。インフィニオンのSECORA Payソリューションでは、ICモジュールとカード アンテナとの接続に電磁結合が用いられ、カード メーカーとユーザーの双方に多くの利点をもたらします。
 
SECORA PayのICモジュールの厚さは僅か0.32mmで、世の中の他のソリューションと比べて最大50%薄く70%軽く作られています。そのためCoMは、再生海洋プラスチックを含む全てのインレイ シート素材に、最新の銅線を使った新しいアンテナ デザインを容易に組み込めるため、カード構造に極めて高い柔軟性をもたらします。さらに、カードのラミネーション工程での接合材の追加も不要です。
 
その結果、CoM技術はカードの堅牢性を高め、コンタクトレス ソリューションの需要増への対応に役立ちます。CoMを使用すると、特定の装置に新規投資を行うことなく、接触型カード用の標準的な設備でコンタクトレス カードを製造することができます。
 
世界的に、コンタクトレス決済で好まれる製品はカードです。市場調査会社のABIリサーチは、2020年にはデュアル インターフェース カードの出荷数が22億枚に達すると予想しています（2019年8月「Payment and Banking Card Secure IC Technologies」）。天然資源を守り環境の持続可能性を向上させるため、マスターカードのGPP（Greener Payments Partnership）プログラムのような、より環境に優しいプログラムを有力企業は立ち上げています。
 
供給状況
SECORA Payは量産出荷中です。詳細は こちらと www.infineon.com/comをご覧ください。