耐放射線MOSFET用QPL認定SupIR-SMDパッケージで、高性能宇宙電力システムを実現可能に
2020年6月23日、ミュンヘン(ドイツ)、エルセグンド(米カリフォルニア州)
表面実装型気密封止パワーパッケージのPCBへの確実な実装は、宇宙システム設計者が直面する共通の課題です。多くの場合、材料の熱係数の違いにより、部品間で膨張率の不一致が生じます。インフィニオンテクノロジーズ(FSE:IFX / OTCQX:IFNNY)の子会社であるIR HiRelは、新たにQPL認定を取得した14もの耐放射線MOSFETを、PCBに直接実装されたパッケージ内に格納するという革新的な技術で、この問題を解決します。SupIR-SMDは、衛星バス配電システム、ペイロード用電源、宇宙グレードのDC-DCコンバータ、およびその他の高速スイッチング設計などの、高性能宇宙電力システムの鍵となるソリューションです。
PCBへの直接実装が可能なSupIR-SMDは、表面実装に最適な仕様となっています。 IR HiRelのアプリケーションノート#1222に詳述されているように、本構成の最も厳格な信頼性テストにおいて、その高度な信頼性が証明されています。宇宙アプリケーションで使用される一般的なパッケージソリューションに比べ、SupIR-SMDは、フットプリントの37%削減、質量の34%軽量化、電流密度の33%増加を実現し、同時に、より直接的な熱経路による高い熱伝導率を誇ります。「このように、SupIR-SMDパッケージは、宇宙ビジネス市場特有の厳しい条件を超越するイノベーションを提供する、というIR HiRelの取り組みを証明するものです。」と、IR HiRelのバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのエリックトゥールーズは述べました。
設計者は従来、パッケージを上下に反転させ、リード線部分をPCBにはんだ付けして実装する「デッドバグ」方式を採用してきました。デッドバグ方式は、熱放散効率が最適とは言えず、MOSFETの電力容量の減少を招きます。PCBへのSupIR-SMDパッケージの直接実装により、システム設計者は今後、システムの信頼性を損なうことなく、最短の熱伝導経路を構築し、電力システムの効率化を図ることが可能となります。
SupIR-SMDパッケージは、JANS認定およびMIL-PRF-19500認定を取得しています。JANSは、宇宙飛行を目的としたディスクリート半導体の性能、品質、信頼性を保証するための、最も厳格なスクリーニングおよび認定要件です。新しい耐放射線MOSFETも、宇宙用途の認定製品リスト(QPL)に基づいてQPL認定されています。
供給状況
QPL認定耐放射線MOSFET用の新SupIR-SMDパッケージは、MIL-PRF-19500パッケージ識別子「U2A」による注文が可能となりました。詳細については、www.infineon.com/supir-smd をご覧ください。
Information Number
INFIHR202006-071j
Press Photos
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Compared to the typical packaging solution used in space applications, the SupIR-SMD delivers a 37 percent smaller footprint, 34 percent lighter mass and 33 percent higher current density, while offering a more direct thermal path for heat transfer.SupIR-SMD
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