動画のリアルタイム「背景ぼかし」を実現したシャープの5Gスマートフォン インフィニオンの3Dイメージセンサー、REAL3™を採用

2020年2月20日、東京（日本） 

昨今SNSの普及により、写真やビデオを日常的に撮影してインターネットへ掲載することが一般的になっています。画像や動画を効果的にきれいに撮影し、被写体を際立させる表現として「背景ぼかし」があります。インフィニオン テクノロジーズの 3Dイメージセンサー、REAL3™により、スマートフォンで、今までハードルが高かったリアルタイムでのぼかし効果処理を行い、記憶に残る画像や映像を簡単に撮影できるようになりました。正確な3D画像データに依存するアプリケーションにおいて3D深度センサーは、重要な役割を担っています。この3Dイメージセンサー REAL3™は、ソフトウェア、3D ToF（Time-of-Flight）式システムの最先端専門技術を持つpmdテクノロジーズ社とインフィニオン テクノロジーズが共同で、開発しました。本センサー技術は、2020年春に日本国内で発売予定のシャープのスマートフォンAQUOS R5G に搭載されます。 

「 3Dイメージセンサー、REAL3™」の特長：

―　 高集積化による多機能実装：インフィニオンの3Dシングルチップソリューションは、高集積化により小型ToFカメラモジュールを実現しました。小型のスマートフォン端末を始め、顔認証やバーチャル リアリティ（VR）/ 拡張現実（AR）など、様々なアプリケーションに組み込むことができます。インフィニオンとpmdテクノロジーズ社が共同で本イメージセンサーおよび関連アルゴリズムを開発し、これらのアプリケーションに必要な高精度な3Dポイントクラウドを実現しました。

―　 新しく正確な測定方法を採用 ：従来の3D測定技術は、カメラから目的物の距離を計算する複雑なアルゴリズムを使用していました。3Dイメージセンサー REAL3™は、ユーザーやスキャンした物体から反射される940nmの赤外線を捉え距離を計測し、データを高度処理することで正確な深度測定を実現します。システムに求められる演算能力が低いため、以前は実現できなかった動画の背景ぼかしなどのユースケースが可能になりました。

―　 太陽光に強く低消費電力 ：特許取得のSBI (Suppression of Background Illumination) 技術により、まぶしい太陽光のもとや薄暗い部屋の中など、あらゆる光源下で広い測定のダイナミックレンジを実現します。 

シャープ株式会社の執行役員 通信事業本部長、中野吉朗氏は次のように述べています。「インフィニオンの3D深度センサーを搭載することで、スマートフォンは新しい情報を取得できるようになりました。距離や形状認識を活用したアプリケーションが増え、新たなユーザーエクスペリエンスが拡大することを期待いたします。」 

インフィニオンのパワーマネージメント＆マルチマーケット（PMM）事業本部、プレジデントであるアンドレアス ウルシッツは「シャープ株式会社とのコラボレーションにより、日本でもインフィニオンの3Dイメージセンサー REAL3™を搭載したスマートフォンが発売されることを大変誇りに思います。これからも堅牢で、信頼性が高く、エネルギー効率に優れている、極めて小さいチップを提供して、幅広いアプリケーションの応用に貢献したいと考えています。3Dセンサーには大きな成長の可能性があり、今回、ご採用いただいたことにより、消費者がきれいな新しい動画効果を楽しんでいただけることに、期待が膨らみます。」と述べました。 

イメージセンサーチップ REAL3™の開発は、オーストリアのグラーツ、ドイツのドレスデン、ジーゲンで行われました。インフィニオンの3Dイメージセンサーファミリーの製品や使用方法の詳細については、 www.infineon.com/real3をご覧ください。

pmd テクノロジーズ社 について

pmdtechnologie AGは、ドイツのジーゲン、ドレスデン、ウルムに拠点を置き、米国、中国、韓国に子会社を持つファブレスIC企業です。3D ToF式CMOSベースのデジタルイメージングテクノロジーを提供しています。2002年会社設立。Photonic mixer device (PMD)ベースのアプリケーション、PMD測定法、またその具体化において350以上の国際特許を保有しています。同社の3Dセンサーは、産業自動化、自動車、携帯電話など幅広い消費者向けアプリケーションを市場としています。詳細については、 pmdtec.comをご覧ください。