インフィニオン、Vehicle-to-Everything通信を保護するSLS37 V2Xハードウェアセキュリティ モジュールを発売
2021年10月11日、ミュンヘン (ドイツ)
電動化、自動運転、コネクテッドカーなどのトレンドによって、車両の通信インターフェースは有線・無線を問わず増加しています。しかしながら、この進化により通信チャネルが増え新たな攻撃対象を生み出し、システムの脆弱性を高めるという新たな課題となっています。そのため、搭乗者の安全とデータの保護をサポートする包括的なセキュリティ コンセプトがより重要になっています。
インフィニオン テクノロジーズ (FSE: IFX / OTCQX: IFNNY) は、最高レベルの保護を提供するため、V2X (Vehicle to Everything Communication) 用のプラグアンドプレイのセキュリティ ソリューションであるSLS37 V2Xハードウェア セキュリティモジュール (HSM) を発表しました。SLS37 V2X HSMは、高度なセキュリティと耐タンパー性を備えたマイクロ コントローラーをベースに、テレマティクス コントロール ユニット内のV2Xアプリケーションのセキュリティ ニーズに最適化されています。SLS37 V2X HSMは、メッセージの完全性や真正性、さらには送信者のプライバシーを保護します。また、欧州のV2Xシステムで義務化される予定のCommon Criteria EAL4+認証を取得しています。
ディスクリートHSMは、V2Xホスト環境において高性能と高セキュリティの相反する要件を解決するのに役立ちます。SLS37 V2X HSMのスコープは、鍵の保存や送信メッセージの署名の生成など、高セキュリティのタスクに絞られています。これにより、Linux OSを実行するホスト プロセッサーや、アプリケーション ソフトウェア、受信メッセージの検証のようにセキュリティにはあまり関与しないがパフォーマンスが求められる動作などから、セキュリティ認証の負担を取り除くことができます。
SLS37 V2X HSMのターゲット アプリケーションは、自動車のテレマティクス制御ユニットに加えて、ロード サイド ユニットやその他V2X通信用インフラストラクチャです。このソリューションは、SCMS、CCMS、ESPSなどの主要な車両認証管理システムをサポートしています。SLS37は、1.6 Vから3.6 Vまでの幅広い電源電圧に対応し、最大10 MHzの高速SPIインターフェースを備え、AEC-Q100に準拠した過酷な車載アプリケーションに対応しています。
インフィニオンのSLS37 V2X HSMはホスト ソフトウェア パッケージによりプラグアンドプレイのソリューションになっています。このパーソナライゼーション コンセプトは、ハードウェアRoot-of-Trustをベースにしており、安全で認証済みの製造環境に組み込まれているため、開発者の鍵管理の手間を最小限に抑え、製品のライフサイクルにおいて最大限のセキュリティを提供します。洗練されたパーソナライゼーション コンセプトは、チップ固有の証明書と顧客固有の証明書、鍵のセットを活用して、ベンダー認証やペアリング、トランスポート保護、セキュアなインフィールド アップデートを容易に実現します。SLS37は、独立したセキュリティ コントローラーとして、異なるセキュリティ要件を持つさまざまな地域をカバーするプラットフォーム開発を可能にし、スケーラビリティを提供します。
供給状況
SLS37 V2X HSMは現在出荷を開始しています。製品の詳しい情報は こちらをご覧ください。
Information Number
INFCSS202110-005j