インフィニオン、セレンス社の緊急車両検知を活用し、緊急車両のサイレンを確実に検知する「聴こえる車」を実現

2022年10月19日、ミュンヘン (ドイツ)

交通安全のため、多くの国では緊急車両に道を譲るようドライバーに求める規制が導入されています。より多くの自律走行車が導入されるにつれて、こうした規制には、緊急車両を検知して対応し、安全要件を満たすこともできる自動運転車も含まれるようになることが予想されます。多くの場合、可聴および視覚的な警告信号の組み合わせが必要になるでしょう。本日、インフィニオン テクノロジーズ (FSE: IFX / OTCQX: IFNNY) は、セレンス社（NASDAQ：CRNC）と協力して、インフィニオンの自動車用認定 XENSIV™ MEMSマイクロフォン（IM67D130A）とセレンス社の緊急車両検知（Cerence EVD: Emergency Vehicle Detection）ソフトウェアに基づくソリューションを構築していることを発表しました。これにより、特に緊急車両が視界に入らない場合に、接近してくる車両を積極的に検出することが可能になります。

セレンス社のコアプロダクト担当SVP兼GMであるクリストフ クーヴァー(Christophe Couvreur) は「自律走行車が急速に現実のものとなる中、緊急車両検知は緊急事態においてドライバーに必要な情報を提供するために非常に重要となります。MEMSマイクロフォン技術の世界的リーダーであり、自動車分野にも強いインフィニオンと提携することで、OEMにハードウェアとソフトウェアを統合した緊急車両検知ソリューションを提供し、世界中の交通安全に貢献することができます」と述べています。

インフィニオンのオートモーティブ センス＆コントロール担当SVP兼GMのフランク フィンダイス(Frank Findeis) は「私たちは、次世代イノベーションのために業界のリーダーたちと協力することをコミットしています。セレンス社は自動車向けのAI搭載ソフトウェア ソリューションのグローバル プロバイダーであり、素晴らしいエコシステム パートナーです。我々は、Cerence EVDを当社の高性能MEMSマイクロフォンと組み合わせることで、自動車メーカーに、厳しい市場ニーズに対応するクラス最高のソリューションを提供することができます」と述べています。

信頼性の高い検出、分類、音像定位

緊急車両検出システムは、自律走行車に補完的な検出形式を提供するもので、その知覚能力を向上させます。このシステムは、車両の外側に巧みに配置されたXENSIV™ MEMSマイクロフォンのアレイを、Cerence EVDと組み合わせています。

XENSIV™ MEMSマイクロフォンは、AEC-Q103-003に準拠し、-40℃から105℃までの拡張動作温度プロファイルを備えており、厳しい自動車環境での様々なユース ケースを可能にします。音圧レベル94dBでの全高調波歪み (THD) 0.5%未満、130dBSPLの高い音響過負荷点 (AOP) により、ノイズの多い環境でも歪みのない音声信号を捕捉することができます。これによりバックグラウンド ノイズがサイレン音を妨害している場合でも、信号を確実に分類することができます。

Cerence EVDは、自動車用アシスタントまたは別のコントローラに統合されることが可能で、マイクを使用して正確かつ確実にサイレンの音を検出します。さらに、パトカー、救急車、消防車などの緊急サイレンから音源位置を推定できます。サイレンが識別されると、ドライバー（自律走行車の場合は自動運転アシスタント）に、状況に応じて対応するよう通知されます。人間のドライバーには、ラジオなどの音量を下げたり、ヘッド ユニットの画面に視覚的な警告を表示したり、車両アシスタントを介して音響で警告するなど、多様な形式で通知することができます。

供給体制について

XENSIV™ MEMSマイクロフォンIM67D130Aを注文することができます。インフィニオンは開発者がMEMSマイクロフォンを迅速に評価できるよう、開発キットも提供しています。このキットはコンポーネントレベルの性能評価を可能するとともに複数のマイクロフォンを接続し、車両上のさまざまな配置構成をテストするためにも使用されます。これにより最適なマイクロフォンの数と配置を大きな労力をかけずに決定することができます。

評価キットおよびインフィニオンの車載用XENSIV™ MEMSマイクロフォンのポートフォリオに関する詳細情報は、 www.infineon.com/mems-automotive で入手できます。

インフィニオンのエネルギー効率への貢献については、インフィニオンの「エネルギー効率」の Webサイトをご覧ください。