インフィニオン、日亜化学工業と業界初の高精細マイクロLEDマトリックス ソリューションを発表
16,384個のLEDで車載照明を新たなレベルに
2023年1月3日、ミュンヘン (ドイツ)
自動車メーカーが運転の快適性と安全性を高める手段として、近年、自動車用 LED 照明技術が急速に発展しています。その中で、アダプティブ ドライビング ビーム用のマトリックスLED技術は、選択的に道路を照らすための重要なヘッドライト機能となっています。
インフィニオン テクノロジーズ (FSE: IFX / OTCQX: IFNNY) は、日亜化学工業株式会社 (本社:徳島県阿南市 代表取締役社長 小川 裕義/以下、日亜化学工業) とヘッドライト用に16,000個以上のマイクロLEDを搭載した高解像度 (HD) ライトソリューションを共同開発することを2019年9月に発表しましたが、このたび、両社は業界初のHDアダプティブ ドライビング ビーム用完全統合型マイクロLEDライトソリューションを発表します。このマイクロLEDマトリックス ソリューションは、2023年にドイツのプレミアム カーに搭載される予定です。
日亜ヨーロッパ株式会社の車載LED営業/マーケティング部長である山崎 雄介氏は「この新しい16,384画素のµPLS™ マイクロピクセル ライト ソリューションは、日亜の高級自動車向けライティングソリューションのポートフォリオに追加された最新の製品です。このソリューションは、高精細な解像度と業界最高水準の光量を兼ね備えています。現在のマイクロミラーベースのHDマトリックスライト ソリューションと比較して4倍の広視野角と大幅に高い光量を提供することにより、新しい自動車のライティング体験を可能にします。このため、高度なHDライトは、道路脇の人や物を照らし出してドライバーに危険を知らせることができます。また、工事現場や交差点でドライバーを誘導するために、道路上にマークを投影することも可能です。さらに、まぶしくないハイビームやベンディングライトなどの機能は、現在のアダプティブ ドライビング ビーム ソリューションと比較して、より正確かつスムーズに機能します。これにより、ドライバーの安全性や運転の快適性を新たなレベルに引き上げることに貢献します」と述べています。
インフィニオンのシニア バイス プレジデント兼オートモーティブ ボディ パワー製品担当ゼネラル マネージャーであるアンドレアス ドール (Andreas Doll) は「μPLS™ は、16,384個のLEDを駆動できる業界初の完全統合型マトリックスLEDドライバーで、必要なすべてのマイクロLEDドライバー回路と多岐にわたる診断機能、高速ビデオおよび制御インターフェースを組み合わせています。当社の革新的なμPLS™ は、現在のHDマトリックスライトソリューションよりもはるかにエネルギー効率が高く、世界のCO2排出量の削減と電気自動車の航続距離の延長に貢献します。さらに、完全なデジタル照明を持つ車を市場に投入するという顧客のビジョンを可能にし、わずか半導体1チップ分のサイズという非常に小さなフォーム ファクターで全体的なシステムコストを節約することができるのです。μPLS™ は、インフィニオンの製品がデジタル化だけでなく、ネットゼロ社会に向けた脱炭素化もサポートすることを示すもう一つの素晴らしい例です」と述べています。
この新しいHDライトソリューションは、日亜化学工業のマイクロLED技術とインフィニオンの統合LEDドライバーICを使用しており、16,384個のマイクロLEDを個別にパルス幅変調 (PWM) 制御で駆動することが可能です。さらに、ドライバーICは各マイクロLEDを個別にモニターし、オンチップの温度モニターで最適な温度制御が可能です。また、ビデオインターフェースを内蔵し、ライトパターンジェネレーターからのビデオ信号の高速転送を可能にしました。現在のHDマトリックス ソリューションとは異なり、インフィニオンのドライバーICは、光パターンに実際に必要なLEDのみを作動させます。これにより、市場にあるマイクロミラーベースのHDマトリックス ソリューションと比較して、はるかに小さなフォーム ファクターで、µPLS™ ライトエンジンのエネルギー効率を劇的に向上させることができます。
これにより、将来的にはより小型でスリムなヘッドランプの設計が可能になります。さらに、この新しいHDライトソリューションは、工場でデジタル的にプログラムすることも、自動車メーカーやドライバーの要求に応じて調整することもできます。例えば、左利きと右利きのドライバーで異なる要求に対応することができ、ユーザーの利便性を大幅に向上させます。これにより、自動車メーカーの設計と生産の複雑さを大幅に軽減します。
日亜化学工業株式会社について
日亜化学工業は「Ever Researching for a Brighter World」を企業理念に掲げ、LEDとレーザー ダイオードのテクノロジー リーダーであり、世界最大のメーカーであることを誇りとしています。1956年に特殊化学品メーカーとして設立された当社は、瞬く間に発光材料 (蛍光体) のリーディング カンパニーとなりました。その後、1993年に最初の高輝度青色LEDを、1996年には最初の白色LEDを開発・商品化しました。さらに、紫外および可視光レーザー ダイオードを含む様々な色の窒化物系LEDが開発されました。当社の製品が今後何年にもわたって世界中のエネルギー効率の高いソリューションの最前線にあり続けると信じています。当社は、今後も独自のユニークな技術を進化させ、「Ever Researching for a Brighter World」"で世界に貢献する企業であり続けたいと考えています。詳細な情報は、 www.nichia.comをご参照ください。
インフィニオンのNew Mobilityに対するコミットメントに関する詳細は、 https://www.infineon.com/cms/jp/discoveries/new-mobility/ をご覧ください。
Information Number
INFATV202301-045j
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The new 16,384 pixel µPLS™ micro-Pixelated Light Solution from Nichia and Infineon combines high-definition resolution with industry’s highest light output. This solution enables a new automotive lighting experience by providing four-times wider field-of-view with significantly higher light output than any other current micro-mirror based HD matrix-light solution. The advanced HD light can warn drivers of hazards by highlighting people or objects, project markings on the road to guide the driver through a construction site or intersection, and offer glare-free high beam or bending light. This takes the driver’s road safety and driving comfort to a new level.Nichia-Infineon-HD-Matrix-Light-Solution
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