Teledyne e2v社とインフィニオン、高い信頼性が求められる宇宙システム向けエッジ コンピューティングに最適化されたプロセッサ ブート ソリューションの提供で協業

2023年7月6日、ミュンヘン (ドイツ)

インフィニオン テクノロジーズ (FSE:IFX / OTCQX:IFNNY) とTeledyne e2v社 (本社： フランス グルノーブル、NYSE:TDY) は、計算集約型宇宙システムを実装するためのリファレンス デザインを協同で開発しました。Teledyne e2v QLS1046-Space エッジ コンピューティング モジュールを中心に構築された本製品は、放射線耐性を備えたインフィニオンの64 MByte SONOSベース NORフラッシュ メモリに搭載され、高性能な宇宙空間処理アプリケーションを実現します。このリファレンス デザインは、宇宙開発における2つの固有の課題、すなわち重量と通信の制限に対応しています。コンピューティング システム内のコンポーネント数を減らし、エッジでのAI計算を可能にすることで、待機時間を減らし、通信制約の克服に貢献します。

QLS1046-SpaceはTeledyne e2v社のQormino®製品ポートフォリオの一部で、4 GB DDR4メモリを内蔵した64ビットQuad Arm® Cortex® A72プロセッサをベースとしています。そのため、モジュールは起動用に不揮発性メモリを必要とします。堅牢な放射線耐性SONOSベースのインフィニオン CYRS17B512不揮発性メモリは、プロセッサの起動およびFPGAのコンフィギュレーションデータ格納に非常に最適化されています。メモリのQSPIバスは、1.8 V対応によりQLS1046-Spaceに直接接続できるため、電圧変換器を必要としません。さらに、2つのSONOS NORフラッシュ メモリを冗長性の確保に使用することで、スペース要件を満たすことができます。

QLS1046-SpaceとCYRS17B512はともに高い耐放射線仕様を備えているため、宇宙航空向けアプリケーションに使用しても安全な動作と長寿命を実現します。この2つのデバイスの組み合わせにより、100 krad (Si) の総吸収線量 (TID) 定格と60 MeV.cm2/mgのシングルイベントラッチアップ (SEL) 耐性を達成しました。

Teledyne e2v社のアプリケーション エンジニアであるトーマス ポルシェ (Thomas Porchez) 氏は「インフィニオンのような価値ある技術を有するパートナーと協力することで、私たちが誇るQormino®エッジ コンピューティング モジュールを中心とした製品エコシステムの確立に成功しました。新しいリファレンス デザインにより、宇宙システム設計は格段に簡単になり、エンジニアリングの労力を軽減しながら納期を守り、予算内に収めることが可能になります」と述べています。

インフィニオンのメモリ ソリューションズ宇宙航空&防衛部門のバイス プレジデント兼フェローであるヘルムート プフナー (Helmut Puchner) は「当社のCYRS17B512 NORフラッシュ メモリとTeledyne e2v社のQLS1046-Spaceプロセッサ モジュールは、要求の厳しい宇宙開発での連携に適しています。堅牢性が求められる宇宙ソリューションに向けて高性能コンピューティング アプリケーションを提供するために必要なこれら2つの主要コンポーネントを備えたリファレンス デザインに、多くの市場からの関心が寄せられることを期待しています」と述べています。

Teledyne e2v 社について

Teledyne e2v社のイノベーションは、ヘルスケア、ライフサイエンス、宇宙、輸送、防衛・セキュリティ、産業市場における開発の最先端を担っています。Teledyne e2v社は、市場やお客様のアプリケーションの課題に耳を傾け、お客様とのパートナーシップにより革新的な規格や、セミカスタムおよびフルカスタム ソリューションを提供し、システムの価値を高めます。