インフィニオンがフェラーリF1チームの「公式サプライヤ」となる

独インフィニオンテクノロジーズは、フェラーリSpAと広範囲にわたる技術提携を結んだと発表しました。世界の先導半導体メーカーであるインフィニオンは直ちに、スクデリア・フェラーリ・マールボロ・フ ォーミュラ1（F1）チームの「公式サプライヤ」になります。

技術提携契約の一環として、インフィニオンは自動車用エレクトロニクスの先導的技術を提供し、その経験豊かなモータースポーツ・エンジニア・チームを支援します。2003年度のF1シーズンに、イ ンフィニオンの技術陣は先進的なレーシングシステムにフェラーリと共同で取り組み、電子エンジン制御システム、遠隔計測システム、電子パワー配分、センサ技術および高速測定システムの分野での経験を持ち込みます。 このモータースポーツ活動を通じて、インフィニオンは量産に入る前の製品の最適化が図れます。

インフィニオンのラインハルト・プロス（自動車＆産業グループ最高責任者）は、「現在のF1界のチャンピオンとパートナーを組めて、嬉しく思います。このたびの提携は、自 動車用エレクトロニクス分野における当社の先導的地位を強め、モータースポーツ分野の提携で傑出した成功の足跡を築きます。フェラーリとの提携は、当社の自動車関連のノウハウを一段と強化し、その結果、当 社の革新的能力と将来のビジネス機会を高めることになるでしょう」と、コメントしました。

インフィニオンは、フェラーリとの提携により、自動車用エレクトロニクスの新しいスタンダードを樹立する技術を開発し、提 携で得られたアイデアと経験を世界中の顧客企業向けの将来の製品開発に生かします。インフィニオンは、欧州最大かつ世界第2位のカーエレクトロニクス用半導体ソリューション・プロバイダであり、テレマティックス、 安全管理、エンジン制御、センサ技術など、将来の中核技術のパイオニアとみなされています。

同社の自動車＆産業グループは営業成績を伸ばし続けており、過去4四半期連続で売上高が新記録を達成しました。同社の自動車分野における卓越性は、500名を超える技術陣の革新的能力が支えています。 自動車システムの先導的サプライヤとの提携は、モータースポーツ分野の提携とグローバル自動車ビジネスの両方で同社を成功に導く土台となります。

インフィニオンの自動車分野の経験は25年に及びます。同社は、自動車用エレクトロニクスシステムのメーカーがBMW、ダイムラークライスラー、フォルクスワーゲン（VW）、ゼネラル・モーターズ（ GM）などの自動車メーカー各社に革新的なアプリケーションを提供できるようにする、信頼性が高く、組み込みやすく、低コストのチップおよびチップセットを供給しています。世界中の自動車の3分の1、欧 州では半分が、エンジン制御系にインフィニオンのチップを使っています。世界中で生産される自動車の半数では、インフィニオンのチップが、白熱電球、スピードメータ、スタータ、フ ォグランプなど各種の電力負荷を制御するために使用されています。

世界全体の新車生産台数は年間約5,500万台にのぼります。どの自動車にも約1,000点もの電子デバイス（車載ラジオやナビゲーション・パネルも含む）が使われています。

インフィニオンのモータースポーツ活動
モータースポーツ方面のインフィニオンの活動は、自動車用エレクトロニクスにおける同社の技術およびソリューションの実力を広く一般観客に披露できる、技術提携契約に絞られています。また、モ ーターレースが自動車開発に果たす重要な役割も、同社にとって有益です。技術提携を通じて、同社は、自動車業界向けサプライ分野の最先端を走っており、革 新的な技術およびアプリケーションを量産車に活かせるよう完ぺきなものにできる能力を持っています。

インフィニオンはまた、アウディとのモータースポーツ提携でも大成功を収めています。インフィニオン・アウディR8には、ト ランスミッション制御用に多くのインフィニオン製デバイスが使用されています。2002年のルマン24時間耐久レースにおけるトリプル・ハットトリックとアメリカン・ルマン・シ リーズで3戦連続チャンピオンとなる偉業を達成したアウディのモーターレーシングチームは、スピード、耐久性および信頼性でワールドクラスの資格を勝ち得ました。インフィニオンはアウディR8レーシングカー・プ ロジェクトに最初から参画し、2001年度のシーズンからメインスポンサーとなっています。

2003年の欧州モータースポーツ界でのスポンサー活動にはポルシェ・ミシュラン・スーパーカップも含まれ、同社はその「インフィニオン・チーム・ファルンバッヒャ／PZM」の メインスポンサーになっています。ここでもインフィニオンの技術陣は、データ・ロギングやシャシーのチューニングを最適化するための解析評価でレーシングチームと緊密に協力しています。FIA GT選手権のチームのスポンサーになったことで、インフィニオンはフェラーリとの技術協力を一層拡充します。

米国ではインフィニオンは、2003年度アメリカン・ルマン・シリーズにインフィニオン・アウディR8で参戦し、北米で転戦する「インフィニオン・チーム・ヨースト」の メインスポンサーになっています。インフィニオンはさらに、2003年度チャンプ・カー・ワールドシリーズにエントリする「ビステオン／パトリック・レーシング」チームの共同スポンサーとなっており、それを主に、 北米各地でのブランディングやカスタマ・イベントの基盤として活用しています。

インフィニオンはまた、ポルシェ・カレラ・カップ・アジア2003に参戦するマシンのうちの1台の共同スポンサーにもなっています。その活動は、アジアで同社の名前を広め、ブ ランド認知度を高めるのが主な狙いです。

インフィニオンテクノロジーズ（Infineon Technologies AG）は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度（9月決算）の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。