インフィニオンテクノロジーズが 2007会計年度第3四半期(4~6月)を発表
2007年7月27日、ミュンヘン(ドイツ)
梗概
- インフィニオン(キマンダを除く)の第3四半期の売上高は10億1,000万ユーロ。EBIT(利払・税引前利益)は1,300万ユーロ(前四半期は2,800万ユーロの損失)。E BITにはリストラクチャリング費用が含まれ、事業の売却益により大半が相殺。
- キマンダを含むインフィニオングループの売上高は17億5,000万ユーロ。純損失は1億9,700万ユーロ、EBIT損失は2億8,000万ユーロ。
売上高(単位:百万ユーロ) |
2006年 |
前年同期比 |
2007年 |
前四半期比 |
2007年 |
---|---|---|---|---|---|
インフィニオン |
995 |
2% |
978 |
3% |
1,011 |
キマンダ |
977 |
-24% |
984 |
-25% |
740 |
インフィニオングループ |
1,972 |
-11% |
1,962 |
-11% |
1,751 |
EBIT(単位:百万ユーロ) |
2006年 |
前年同期比 |
2007年 |
前四半期比 |
2007年 |
---|---|---|---|---|---|
インフィニオン |
(51) |
+++ |
(28) |
+++ |
13 |
キマンダ |
100 |
--- |
77 |
--- |
(293) |
インフィニオングループ |
49 |
--- |
49 |
--- |
(280) |
|
2006年 |
前年同期比 |
2007年 |
前四半期比 |
2007年 |
---|---|---|---|---|---|
インフィニオングループ純利益(損失)(単位:百万ユーロ) |
(23) |
--- |
(11) |
--- |
(197) |
基本および希薄化後一株あたり利益(損失)(ユーロ) |
(0.03) |
--- |
(0.01) |
--- |
(0.26) |
インフィニオン(キマンダを除く)の2007会計年度第3四半期EBITには、製造施設のリストラクチャリング並びに研究開発拠点の合理化に係る 2,000万ユーロの費用が含まれますが、Polymer Optical Fiber(POF)事業の売却益1,700万ユーロによって大半が相殺されました。第2四半期のEBITには、5,400万ユーロの費用が含まれ、 2,500万ユーロの利益等によって一部相殺されています。
2007 年度第4 四半期の見通し
- 2007年度第4四半期は、携帯電話プラットフォームの出荷増が牽引するかたちで、キマンダを除く各事業の売上高が更に伸びると予想しています。また、キ マンダを除くEBITについても、第3四半期の水準から増加する見通しです。費用は軽微の見通しです。
- 通信ソリューション事業部門は、ワイヤレス事業を原動力として、第4四半期も売上高が大幅に伸長し、EBITが大きく改善する見通しです。E BITは2007暦年最終四半期に損益均衡が見込まれます。
- 自動車・産業・マルチ市場事業部門は売上高が第3四半期比で増加する見通しです。また、EBITマージンは10%近くに達する予想です。
独インフィニオンテクノロジーズは7月27日、2007会計年度第3四半期(4~6月)の業績を発表しました。売上高17億5,000万ユーロに対して、 1億9,700万ユーロの純損失、2 億8,000万ユーロのEBIT損失となり、基本及び希薄化後1株当たり損失は0.26ユーロでした。
キマンダを除くインフィニオンの業績概要
- キマンダを除くインフィニオンの売上高は、主に通信ソリューション部門の増収により、前四半期比3%増の10億1,000万ユーロでした。
- キマンダを除くインフィニオンのEBITは、前四半期の2,800万ユーロの損失から、 1,300万ユーロのプラスに転じました。第3四半期EBITには、製 造施設のリストラクチャリング並びに研究開発拠点の合理化に係る2,000万ユーロ の費用が含まれますが、Polymer Optical Fiber(POF)事 業の売却益1,700万ユーロによって大半が相殺されました。第2四半期のEBITには、2,900万ユーロの費用が含まれます。
- 自動車・産業・マルチ市場事業部門の売上高は7億5.200万ユーロと、前四半期比で増加を続けています。部 門EBITは前四半期の6,600万ユーロから8,100万ユーロに増加しました(POF事業の売却益を含む)。
- 通信ソリューション事業部門は、携帯電話プラットフォームの出荷が大幅に伸長し、前四半期比で9%売上高を押し上げ、2億5,900万ユーロとしました。部 門EBIT損失は前四半期の5,300万ユーロから3,400万ユーロに縮小しました。
キマンダを除くインフィニオンの2007 年度第4 四半期の見通し
2007年度第4四半期は、キマンダを除く各部門の売上高が更に増加すると予想しています。これは主に、通信ソリューション事業部門の貢献によ るもので、それより少ないながら自動車・産業・マ ルチ市場事業部門も寄与する見通しです。また、EBITマージンの改善によって、EBITが引き続き増大 する見込みです。第4四半期の費用は軽微の見通しです。見通しの詳細については、以 下の各部門のセクションに記載されています。
インフィニオン最高経営責任者(CEO)兼社長のヴォルフガング・ツィーバルトは次のように述べています。「第3四半期においてはEBITの黒字転換と EBITマージンの改善が実現し、キ マンダを除くインフィニオンは、持続可能な利益体制に向けて更に大きく前進しました。先頃発表したDSL顧客宅内装置 (CPE)の分野における買収は、キ マンダの分社化後に実施した初めての中核事業強化策でした。今後ともEBITマージンの改善に努め、中核事業の拡充に 取り組んでまいります」
売上高
2007年度第3四半期のインフィニオンのグループ売上高は、前四半期比11%減の17億5,000万ユーロでした。キマンダを除くインフィニオンの売上高は、前 四半期の9億7,800万ユーロから10億1,000万ユーロに増加しました。
純損失、基本及び希薄化後 1 株当たり損失
2007年度第3四半期のインフィニオングループの純損失は1億9,700万ユーロとなり、基本及び希薄化後1株当たり損失が0.26ユーロとなりました。前四半期は1,100万ユーロの純損失、基 本及び希薄化後1株当たり損失が0.01ユーロでした。
EBIT
2007年度第3四半期のインフィニオングループのEBITは、前四半期の4,900万ユーロから減少し、2億8,000万ユーロの損失となりました。キマンダを除くインフィニオンのEBITは、前 四半期の2,800万ユーロの損失に対して、1,300万ユーロの プラスとなりました。第3四半期EBITには、製造施設のリストラクチャリング並びに研究開発拠点の合理化に係る2,000万ユーロの費用 が含まれますが、P OF事業の売却益1,700万ユーロによって大半が相殺されました。第2四半期のEBITには、主にリストラクチャリングと資産償却に 係る5,400万ユーロの費用が含まれ、そ の一部は資産譲渡と人件費上昇の見直しに伴う2,500万ユーロの利益等によって相殺されています。
各部門の 2007 年度第 3 四半期の業績と見通し
2007年度第3四半期、自動車・産業・マルチ市場事業部門は、7億5,200万ユーロ(前四半期比2%増)の売上高を計上しました。E BITは前四半期の6,600万ユーロから8,100万ユーロに増加しました(当期EBITにはPOF事業の売却益1,700万ユーロが含まれます)。
予想のとおり、季節的要因によって、自動車関連事業の売上高とEBITが増加しました。産業・マルチ市場事業は、ハイパワー製品の需要に支えられ、ほぼ横ばいの業績でした。セキュリティ・A SIC事業は、チップカードとセキュリティ事業が堅調ながらも、ハードディスクドライブ事業の軟化が原因で、前四半期にほぼ同じでした。
自動車・産業・マルチ市場部門の 2007 年度第 4 四半期の見通し
自動車・産業・マルチ市場事業部門の2007年度第4四半期の売上高は、前四半期比で増加を見込んでいます。同部門の継続事業のEBITは改善する見通しです( 第3四半期におけるPOF事業売却益の効果を除く)。EBITマージンは10%近くに達する予想です。自動車事業の業績は第3四半期とほぼ変わらずの見込みに対して、産業・マルチ市場事業は、消 費者およびコンピューター市場の需要改善によって、売上高、EBITともに増加する見通しです。一方、チップカードとセキュリティ事業は好調ながらも、ハードディスクドライブ需要の軟化が継続すると見られ、セ キュリティ・ASIC事業にマイナスの影響を与える見通しです。
通信ソリューション(COM)
通信ソリューション部門の2007年度第3四半期の売上高は2億5,900万ユーロ(前四半期9%増)でした。増収に伴ってEBITも改善し、前 四半期の5,300万ユーロの損失から3,400万ユーロの損失に縮小しました。
無線事業においては、携帯電話プラットフォームの出荷が予想どおり大幅に増加しました。これは、既存及び新規顧客に対する出荷の継続と開始が寄与したものです。ブロードバンド事業の売上高は、一 部事業インフラストラクチャ展開の一時的改編ならびに前四半期の旺盛な需要を経て顧客側にブロードバンドCPE在庫問題が発生したことによって、前四半期比で減少しました。
通信ソリューション部門の 2007 年度第 4 四半期の見通し
2007年度第4四半期の通信ソリューション部門の売上高については、前四半期比で大幅に増加する見込みです。これは、計 画されている生産ランプアップを受けて引き続き携帯電話プラットフォームの出荷が著しく増加するためです。ブロードバンド事業の売上高は横ばいと予想されます。通信ソリューション部門のEBITも、増 収効果によって大幅に改善する見通しです。これまでどおり、2007年暦年最終四半期に無線事業で損益分岐点回帰を達成することを目標に掲げています。
キマンダ
キマンダの2007年度第3四半期の売上高は、前四半期の9億8,400万ユーロから7億4,000万ユーロに減少しました(25%減)。E BITは前四半期の7,700万ユーロから2億9,300万ユーロの損失に減少しました。キマンダの第3四半期純損失から少数持ち株分を算出すると、3,100万ユーロの損失となります。キ マンダに対する2007年6月30日時点におけるインフィニオンの持ち分は85.9%です。
キマンダの 2007 年度第 4 四半期の見通し
キマンダのビットベースの生産量は第4四半期、自社及びパートナーの能力増強、80ナノメーター及び75ナノメーター技術への展開による生産性の向上により、15%から20%の伸びを見込んでいます。P C以外の機器に対するビットベースの出荷シェアについては、その目標を50%前後に設定しています。なお、PC関連製品に対する旺盛な需要は継続する見通しです。
その他事業部門
売上高:百万ユーロ | 2006年 6月30日 |
2006年 9月30日 |
2006年 12月31日 |
2007年 3月31日 |
2007年 6月30日 |
---|---|---|---|---|---|
その他事業部門 | 73 | 78 | 70 | 50 | 54 |
コーポレート&エリミネーション部門 | (58) | (57) | (58) | (51) | (54) |
EBIT:百万ユーロ | 2006年 6月30日 |
2006年 9月30日 |
2006年 12月31日 |
2007年 3月31日 |
2007年 6月30日 |
---|---|---|---|---|---|
その他事業部門 | (2) | 3 | (3) | (5) | (2) |
コーポレート&エリミネーション部門 | (45) | (121) | (4) | (36) | (32) |
コーポレート&エリミネーション部門の第3四半期EBITには、製造施設のリストラクチャリング並びに研究開発拠点の合理化に係る2,000万ユーロの費用が含まれます。第2四半期のEBITには、 5,400万ユーロの費用が含まれます。同費用は主として、フランス・エッソンヌ製造施設並びにBenQ(ベンキュー)破産後のベースバンド事業における規模縮小計画に係る約2,000万ユーロ、及び、資 産償却の3,500万ユーロです。一部費用は、人件費の見直し効果2,200万ユーロによって相殺されました。
その他事業部門とコーポレート&エリミネーションの2007年度第4四半期の見通し
2007年度第4四半期、その他事業部門及びコーポレート&エリミネーション部門における費用計上前の売上高とEBITは、前四半期とほぼ同水準となる見通しです。2 007年度第4四半期の費用は軽微の見込みです。
インフィニオングループの税金について
2007年度第4四半期にドイツにおいて「2008年法人税改革法(Corporate Tax Reform Act 2008)」が成立する見通しであることから、インフィニオンにおいては、ド イツ事業についてその繰延税金資産の再評価が必要となります。それに伴う繰延税金資産の評価引き下げは、第4四半期の所得税に反映されることとなります。
四半期データの数値はすべて暫定かつ未監査です。
財務諸表および各部門の2007会計年度第3四半期の事業ハイライトについては、インフィニオンのドイツ本社が発表した英文リリースをご参照ください。
http://www.infineon.com/cms/us/corporate/press/news/releases/2007/INFXX200707-076.html
インフィニオンについて
インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、エネルギー効率、コミュニケーションズ、セ キュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2006会計年度(9月決算)の売上高は79億ユーロ(キマンダの売上高38億ユーロを含む)、 従業員は世界全体で約4万2,000人(キマンダの従業員約1万2,000人を含む)でした。インフィニオンは世界的に事業を展開しており、米国ではカリフォルニア州ミルピタス、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京の各子会社を拠点として活動しています。インフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。イ ンフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト: http://www.infineon.com
オンラインのニュースリリース: http://www.infineon.com/cms/jp/corporate/press/news/
Information Number
INFXX2007.076j