インフィニオンテクノロジーズが2008会計年度第3四半期(4〜6月)決算を発表
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ノイビーベルク、ニュルンベルグ(ドイツ)
独インフィニオンテクノロジーズは本日、6月30日を末日とする2008会計年度第3四半期の業績を発表しました。
2008会計年度第3四半期のインフィニオンの売上高は10億2,900万ユーロで、前四半期からは2%減、前年同期からは2%増でした。この前四半期からの減少は自動車・産業・マルチ市場(AIM) 部門の売上高が減少したことによります。主に米ドルとユーロとの間での通貨変動、および事業買収と売却の影響を除外した場合、売上高は前四半期比では1%増、前年同期比では6%増でした。
インフィニオンEBIT(金利税引前利益)は7,100万ユーロで、前四半期の3,600万ユーロから増加しました。第3四半期のインフィニオンEBITには、主 にLSIへのハードディスクドライブ事業売却に伴う、4,100万ユーロの純益が含まれています。第3四半期のインフィニオンEBITにはまた、主 にLSIから取得した事業に伴う取得無形資産の償却700万ユーロも含まれています。第2四半期のインフィニオンEBITには800万ユーロの純費用と、上記の無形資産の償却500万ユーロが含まれていました。イ ンフィニオンEBITに含まれる純益と費用の詳細については本リリース9ページの表をご覧ください。
第3四半期の継続事業からの純利益は4,500万ユーロで、基本および希薄化後の一株あたり利益は0.06ユーロでした。第2四半期の継続事業からの純利益は1,900万ユーロで、基 本および希薄化後の一株あたり利益は0.03ユーロでした。
第3四半期の非継続事業からの純損失は6億3,700万ユーロでした。この損失にはキマンダによる純損失のうちのインフィニオンの負担分、お よびキマンダに対するインフィニオンの持分の評価を推定公正価値から売却費用を差し引いたものに切り下げたことによる4億1,100万ユーロの費用が含まれています。非 継続事業からの基本および希薄化後一株あたり損失は0.85ユーロでした。
第3四半期のインフィニオングループの純損失は5億9,200万ユーロで、基本および希薄化後の一株あたり損失は0.79ユーロでした。
2008年3月31日以降、インフィニオンの財務報告は継続事業のみに集中しています。この結果としてキマンダの資産と負債は「売却用資産」に分類が変更され、要 約版連結財務諸表中の各項目はキマンダを除くインフィニオンの継続事業のみが反映されています。キマンダに関するすべての業績は「非継続事業からの税引後利益(損失)」欄に計上されています。ま た一株あたり利益とキャッシュフローについても「継続事業」と「非継続事業」を区別しています。
インフィニオンの2008年度第4四半期の見通し
インフィニオンは2008年度第4四半期の売上高が第3四半期からパーセント単位で一桁台中間程度増加すると予想しています。しかしながらインフィニオンは市場リスクが全体として高まる恐れがあり、ま た米ドルの対ユーロ安継続によって当社市場における値下がりの想定値がさらに押し下げられると考えています。純益または費用を除外したインフィニオンEBITは横ばい、ないしやや低下の見込みです。ドイツ、ド レスデンにあるインフィニオンの200mmウェハ工場からのキマンダへのDRAM用ウェハ出荷が第3四半期に終了したことに伴い、第4四半期のインフィニオンEBITには一時的な費用増加が含まれます。イ ンフィニオンのIFX10+コスト削減プログラムに関連し、第4四半期には大きな純費用が発生すると予想しています。
インフィニオンのIFX10+コスト削減プログラム
直近の市場環境におけるリスク増大、通貨変動の悪影響、および基準値を下回る利益率に対応し、インフィニオンは2008年度第3四半期に「IFX10+」コスト削減プログラムを導入しました。2 008年度第3四半期から2009年度第4四半期まで、現在の市況ならびに1ユーロ1.55米ドルの為替比率が継続すると想定して、IFX10+により年間換算で少なくとも2億ユーロの節約が実現する見込みです。
このコスト削減を達成するため、以下の分野において対応策が作成されました。
o 利益を生まない、または利益が不十分な製品ファミリを排除し、研究開発(R&D)活動の効率を改善するための製品ポートフォリオ管理。
o 製造コスト削減と価値チェーンの最適化。
o 販管費、R&D、およびマーケティング営業分野での効率改善。
o ターゲット市場に合わせたインフィニオンの組織見直し。2008年10月1日付けで、インフィニオンはAutomotive、Chipcard & Security、I ndustrial & Multimarket、Wireline Communications、およびWireless Solutionsの5つの事業部門に再編されます。
現在の市場におけるリスク水準、為替比率の不利な推移、および会社の組織再編の必要性を考慮し、人員削減は不可避と考えられます。インフィニオンは会社の規模を今日の市況に合わせる必要があります。上 記の方策導入と共に、約3,000名の従業員削減が必要になると予想されます。この人数は全社の拠点、機能組織、および職階を対象としたものです。
インフィニオン最高経営責任者(CEO)のペーター・バウアーは次のように述べています。「第3四半期の業績は当社がコア事業での成長と利益率拡大を推進したことを反映しています。前 年同期と比較した場合、米ドルがユーロに対して21セント安となったにもかかわらず、売上高とインフィニオンEBITはいずれも拡大しました。為 替比率の不利な推移と経済環境全体におけるリスク拡大の中でこの方向性を維持するため、当社はIFX10+コスト削減プログラムを導入し、コスト削減と利益率拡大を目指すあらゆる取り組みを加速しました。5 四半期のうちに少なくとも年額換算で2億ユーロのコスト削減を達成し、それによって利益とEBIT利益率の改善を継続する計画です。」
この見通しの詳細については下記の各部門のセクションをご覧ください。
各部門の2008年度第3四半期の業績と見通し
自動車・産業・マルチ市場(AIM)
2008年度第3四半期に自動車・産業・マルチ市場部門は7億1,200万ユーロの売上高を計上し、これは前四半期からは4%減、前年同期からは5%減でした。前 四半期からの売上減は主に米ドル安、米国自動車産業の減速、および2008年4月25日付けで実施した連結業績からのHDD事業除外の影響によるものです。主として米ドルとユーロ間での通貨変動、お よび事業買収と売却の影響を除いた場合、当部門の売上高は前四半期比で1%減、前年同期比では5%増となりました。部門EBITは1億600万ユーロで、これに対し第2四半期は6,900万ユーロでした。当 四半期の部門EBITには、主にLSIへのHDD事業売却による4,300万ユーロの純益が含まれています。第2四半期の部門EBITに含まれる純益または費用は無視できる水準でした。イ ンフィニオンは第3四半期に、カリフォルニアに本社を置くデジタル電源開発企業のPrimarionを買収しました。
欧州およびアジア市場で続く堅調な需要は、米国の自動車メーカーからの需要減退を完全に相殺するには至らず、自動車関連事業の業績は前四半期から低下しました。産業・マルチ市場事業においては、コ ンスーマ、コンピューティング、および通信市場の環境がさらに弱含みとなったにもかかわらず前四半期から比較的横ばいに推移しました。ハイパワー製品への需要は引き続き好調でした。セキュリティ・A SIC事業の業績は、予期された通り主としてチップカードICへの需要が通常に戻り、またHDD事業をLSIへの売却に伴って連結業績から外したことにより前四半期から低下しました。
自動車・産業・マルチ市場部門の2008年度第4四半期の見通し
自動車・産業・マルチ市場部門の2008年度第4四半期の売上高については、第3四半期からパーセント単位で一桁台中間程度の増加を見込んでいます。この売上高増は主に産業・マ ルチ市場部門での通常の需要変動によるものです。純益または費用を除く部門EBIT利益率は9~10%の見込みです。
当部門の自動車関連事業の売上高は、米国自動車市場の継続的な低調にもかかわらず、前期比でほぼ横ばいの見込みです。産業・マルチ市場事業の売上高は増加の見込みです。セキュリティ・A SIC事業の業績は、チップカードIC事業が推進役となり第3四半期よりやや向上する見込みです。ASIC事業は前期比で横ばいを予想しています。
通信ソリューション(COM)
通信ソリューション部門の2008年度第3四半期の売上高は3億1,300万ユーロで、前四半期比では4%増、前年同期比では21%増でした。主 に米ドルとユーロ間の通貨変動の影響、およびLSIから取得した携帯電話事業とテキサスインスツルメンツから買収したDSL CPE事業の貢献を除外した場合、部門の売上高は前四半期比で8%増、前 年同期比では9%増でした。第3四半期の部門EBITは3,000万ユーロの損失となり、これに対し前四半期は2,900万ユーロの損失でした。売上高増の好影響にもかかわらず、部門EBITは新規モバイル・プ ラットフォームの立ち上げに伴うカスタマイズ費用のため改善されませんでした。今四半期、前四半期ともに、部門EBITには大きな純益または費用は含まれていませんでした。第3四半期の部門EBITには、主 にLSIから取得した携帯電話事業に関連する無形資産の償却費用700万ユーロが含まれ、これに対し第2四半期に発生した同費用は500万ユーロでした。
無線事業の売上高は、主にHSDPAモバイル・プラットフォームの立ち上げにより前四半期から増加しました。ブロードバンド事業の業績はインフラストラクチャ事業が推進役となりやや向上しました。
通信ソリューション部門の2008年度第4四半期の見通し
通信ソリューション部門の2008年度第4四半期の売上高は増加し、3億3,000万ユーロから3億5,000万ユーロを予想しています。この増加は主に、当社の新しいHSDPAモバイル・プ ラットフォームの立ち上げが続くことを反映しています。ブロードバンド事業は第3四半期からほぼ横ばいの見込みです。純益と費用を除く部門EBITは売上高増に伴い改善の見込みです。
その他の事業部門/コーポレート&エリミネーション部門
その他の事業部門とコーポレート&エリミネーション部門を合算した第3四半期のEBITには、大きな純益または費用は含まれていませんでした。第2四半期のコーポレート&エ リミネーション部門のEBITには、主に事業再編に伴う800万ユーロの費用が含まれていました。
その他の事業部門/コーポレート&エリミネーション部門の2008年度第4四半期の見通し
第4四半期のその他の事業部門の売上高は、インフィニオンの200mmウェハ施設からキマンダへのDRAM用ウェハ出荷が第3四半期に終了したことに伴い、同四半期より減少する見込みです。そ の他の事業部門とコーポレート&エリミネーション部門を合算した純益と費用を除くEBITは、約2,000万ユーロの損失を予想しています。こ の合算したEBITにはドレスデンの200mmウェハ施設に関連した一時的なコスト増が含まれています。インフィニオンのIFX10+コスト削減プログラムに伴い、第 4四半期には大きな純費用が発生する見込みです。
キマンダ
キマンダの最終的な処分の準備として、イニフィニオンテクノロジーズは要約版連結貸借対照表中のキマンダの資産と負債の項目を2008年3月31日付けで「売却用資産」に変更しました。こ の決定に基づき、英文リリース8ページの要約版連結損益計算書の各項目には、キマンダを除くインフィニオンの継続事業からの数値が計上されています。キマンダ関連のすべての業績は「非継続事業からの税引後利益( 損失)」欄に計上されています。
第3四半期の非継続事業からの純損失は6億3,700万ユーロでした。この損失にはキマンダの純損失に対するインフィニオンの負担分、お よびキマンダの評価を推定公正価値から売却費用を差し引いたものに切り下げたことによる4億1,100万ユーロの費用が含まれています。第 3四半期の非継続事業からの基本および希薄化後の一株あたり損失は0.85ユーロでした。2008年6月30日時点でのキマンダに対するインフィニオンの受益権持分は77.5%でした。
インフィニオンの各部門による、2008会計年度第3四半期のその他の主なハイライトは財務諸表の後に記載されています。
すべての数字は暫定的なものであり、監査を経たものではありません。
インフィニオンについて
インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、エネルギー効率、コミュニケーションズ、セ キュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2007会計年度(9月決算)の売上高は77億ユーロ(キマンダの売上高36億ユーロを含む)、 従業員は世界全体で約4万3,000人(キマンダの従業員約1万3,500人を含む)でした。インフィニオンは世界的に事業を展開しており、米国ではカリフォルニア州ミルピタス、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京の各子会社を拠点として活動しています。インフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。イ ンフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト: http://www.infineon.com
日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp
Information Number
INFXX200807.083