インフィニオンと韓国LS Industrial Systems、白物家電向けモールド型パワーモジュールの推進に向け、合弁会社を設立 合弁会社を通じ、韓国とアジアのパワーモジュール市場参入を加速

ソウル（韓国）／ノイビーベルク（ドイツ）

韓国LS Industrial Systemsと独インフィニオンテクノロジーズは本日、白物家電向けのモールド型パワーモジュールの開発、生産、販売に特化した合弁会社LS Power Semitech Co.,
Ltd.の設立を発表しました。今回の合弁会社設立に伴い、インフィニオンとLS Industrial Systemsは、洗濯機、冷蔵庫、エ アコンといった益々エネルギー効率が要求される家電製品や、低消費電力のコンスーマ・アプリケーション、標準的な産業アプリケーションを対象としたこれらの有望な市場へ、より素早くアクセスできるようになります。 規制強化と消費者ニーズの高まりから、家庭用電気機器に可変速モータを採用し、消費エネルギーを削減する動きが加速しています。同時に、そ のようなモータを最大限に活用できるよう駆動制御回路の設計も進化しており、メーカー各社にとっては、より効率を高め、省エネルギーを推進できる環境が整いつつあります。

合弁会社は、ソウルの南約160kmに位置する天安（チョナン）市にあるLS Industrial Systemsの拠点に本社を置き、LS Industrial Systemsが54%を、イ ンフィニオンが46%を保有します。インフィニオンは合弁会社に対し、IP（知的財産）のライセンスのほか、CIPOS™（Control Integrated Power System）パワーモジュール・フ ァミリに関する技術とプロセスのノウハウを提供するほか、既存のCIPOSバックエンド製造設備を独レーゲンスブルクから移転します。両社は今後、マーケティング、国際販売、新 製品開発について緊密に協業していきます。LS Power Semitechは、天安の製造拠点で2010年1月までにCIPOSモジュールの量産を開始する予定です。

調査会社IMS Researchによる最新の市場レポートによると、インフィニオンは、パワーエレクトロニクス向けの半導体ディスクリートとモジュールで市場第1位であり、2 007年の世界市場規模136億ドルでの中、9.7%の市場シェアを有しています。

CIPOSパワーモジュールによって、家電用モータのエネルギー効率と信頼性が向上
このCIPOSモジュールは、3相インバータパワー出力段とSOI（Silicon-On-Insulator）ゲートドライバ、ブートストラップダイオード、キャパシタ、周 辺回路を高性能でコンパクトな絶縁パッケージに搭載したものです。インフィニオンの先端技術であるTRENCHSTOP™ IGBT（絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ）と エミッタ制御ダイオード技術を組み合わせた結果、ディスクリートデバイスによる通常の設計と比較して、ディスクリートデバイスの点数を23個も削減することに成功しました。CIPOSモジュールはまた、ジ ャンクションとケース間の熱抵抗（Rthj-case）が業界最低となっており、その結果、競合モジュールよりも最大で20％も多く出力電流を取り出すことができます。

CIPOSファミリは、5Vまたは3.3V駆動の製品、故障検出機能の有無、3相IGBTインバーター、またはクローズドエミッタタイプ3相IGBTインバーター、ス イッチド　リラクタンス駆動向けの2相IGBTインバーター向け等の各種モジュール製品をラインナップしています。CIPOSモジュールは、RoHS準拠のシングルインライン・パッケージで提供され、洗 濯機等のアプリケーションに最適です。

LS Industrial Systemsについて
1974年に設立されたLS Industrial Systems（旧LG Industrial Systems）は現在、韓国の産業用電力・オートメーション市場のリーダー企業です。LS Industrial Systemsの電気装置・システム部門は、低・中・高電圧のサービス、計測・保護・測定、高電圧装置・システム、低・中電圧開閉装置、変圧器を提供しています。オートメーション部門は、P LC、変換器、モニタリングユニット、プロセス制御システム、ITS（Intelligent Transport System）、鉄道のサイン・制御システムを提供しています。LS Industrial Systemsは、継続的な成長に向け、パワー半導体、RFID、太陽エネルギーや自動車向けのPCU（Power Conditioning Unit）など、新たな事業分野への投資を行っています。そして、L S Industrial Systemsは、成長の期待される新たなエンジン事業として、電気自動車部品、グリーン電力IT、新エネルギーや再生可能エネルギー、環 境に優しい電子機器の4分野に力を注いでいます。これらを通じ、同社は、いわゆる「Low Carbon, Green Growth」の時代をリードするグローバル企業としての飛躍を試みています。& #160;

インフィニオンテクノロジーズ（Infineon Technologies AG）は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、エネルギー効率、コミュニケーションズ、セ キュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2008会計年度（9月決算）の売上高は43億ユーロ、従 業員は世界全体で約2万9,100人でした。インフィニオンは世界的に事業を展開しており、米国ではカリフォルニア州ミルピタス、アジア太平洋地域ではシンガポール、そ して日本では東京の各子会社を拠点として活動しています。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場、米国では店頭取引市場のOTCQXに株式上場されています。
インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト： http://www.infineon.com  
日本法人サイト： http://www.infineon.com/jp