2010会計年度第4四半期業績:継続事業からの売上高(*1)は9億4,200万ユーロ、事業部利益率は18.2%

2010/11/16 | 四半期レポート

・売上高は前四半期比6%増
・事業部業績は1億7,100万ユーロで、前四半期比24%増
・2010会計年度の一株あたり配当は10ユーロセント
・2011会計年度見通し:売上高は10%増、事業部合計の利益率は10%台半ばから後半の見込み

ノイビーベルク(ドイツ)

独インフィニオンテクノロジーズは本日、2010年9月30日を末日とする2010会計年度第4四半期の業績を発表しました。

インフィニオンテクノロジーズ最高経営責任者(CEO)のピーター・バウアーは次のように述べています。「前四半期の素晴らしい業績は、第4四半期もすべての事業部で継続しました。こ うした上昇傾向の中での増収は、引き続き市場を大きく上回っています。事業部利益率が18%を超え、継続事業からのフリーキャッシュフローが2億3,600万ユーロであったことからもお分かりいただけるはずです。 」

(*1) ワイヤレス・ソリューション事業部の携帯電話事業を除く数値。

2010会計年度第4四半期のグループ業績の詳細
2010年8月30日にワイヤレス・ソリューション事業部の携帯電話事業をインテル・コーポレーションに売却する計画を発表したことに伴い、インフィニオンは今回、同 事業を非継続事業として計上しました。一方、2010会計年度の事業部報告には引き続きワイヤレス・ソリューション(*2)事業部の決算報告が含まれています。本リリースは継続事業に焦点を当てており、別 段の記述がない限り、ワイヤレス・ソリューション事業は除外されています。

インフィニオンの第4四半期の売上高は9億4,200万ユーロで、前四半期比6%増、前年同期比55%増となりました。前四半期からの増収はすべての事業部の成長を反映しています。ワイヤレス・ソ リューション事業を含む売上高は14億ユーロでした。

第4四半期の事業部業績合計は1億7,100万ユーロで、前四半期の1億3,800万ユーロから24%の大幅増を達成しました。第4四半期の事業部合計の利益率は第3四半期の15.6%から上昇し、1 8.2%に達しました。ワイヤレス・ソリューションズ事業部を含む事業部業績は2億7,400万ユーロ、事業部利益率は19.6%となりました。この数字は、1 8~20%という9月時点の事業部利益率予測のほぼ上限に達しています。

第4四半期の継続事業からの利益は1億9,300万ユーロで、第3四半期の1億300万ユーロから増加しました。前四半期比で87%という今回の増加には、第 4四半期中に計上された繰延税金資産に伴う臨時利益6,900万ユーロが含まれます。第4四半期の非継続事業からの税引後利益は1億9,700万ユーロで、前四半期の2,300万ユーロから増加しました。非 継続事業からの純利益は、主にワイヤレス・ソリューション事業部の携帯電話事業の税引後利益で構成され、そのほかにワイヤレス・ソ リューション事業部の携帯電話事業の売却完了による課税対象利益に対する繰越欠損金を見越した繰延税金資産の評価も含まれます。これに伴う第4四半期のグループ全体の純利益は3億9,000万ユーロで、前 四半期の1億2,600万ユーロから大幅に増加しました。第4四半期の基本一株あたり利益は0.36ユーロ、希薄化後一株あたり利益は0.33ユーロで、これに対し前四半期の一株あたり利益は基本0.12ユーロ、 希薄化後0.11ユーロでした。

(*2) ワイヤレス・ソリューション事業部では、携帯電話事業以外にも、アナログ/デジタルTVのチューナと衛星ラジオレシーバや、セ ルラー基地局のアンプ向け無線周波数パワートランジスタなどを取り扱っています。

投資額は生産施設への投資拡大を反映して前四半期の8,000万ユーロから1億6,300万ユーロに増加しました。インフィニオンは投資額を資産、工場、機器の購入、無形資産購入、資 本化された研究開発(R&D)資産の合計として定義しています。継続事業内の減価償却額は前四半期の8,000万ユーロに対し8,500万ユーロとなりました。資本支出の大幅増にもかかわらず、第 4四半期の継続事業からのフリーキャッシュフロー4は第3四半期の1億7,300万ユーロから大幅増の2億3,600万ユーロとなりました。

堅調なフリーキャッシュフローの生成が追い風となり、2010年9月30日時点のインフィニオンのグロス現金残高は17億2,700万ユーロ、純現金残高4は13億3,100万ユーロとなりました。こ れらはともに、2010年6月30日時点のグロス現金残高15億1,400万ユーロと純現金残高11億800万ユーロから増加しました。

インフィニオンの取締役会と監査役会は、2010会計年度の良好な業績と2010年9月30日時点での安定した財務状況を考慮し、2011年2月17日に行われる年次総会で、2 010年度の一株あたり配当を0.10ユーロとする提案を行う予定です。

繰延税金資産とDPR
ドイツ政府の指名を受けた民間機関であるドイツ会計審査委員会(DPR)は、2008年度のインフィニオンの連結財務諸表を無作為抽出監査の対象としました。DPRは、繰 越欠損金の繰延税金資産を2億3,700万ユーロと評価したことに異議を唱えました。特にワイヤレス・ソリューション事業部の携帯電話事業がなくなった場合の企業構造と将来予想される黒字を考慮すると、い ずれにせよ、こうした繰延税金資産の評価の根拠は今日では時代後れです。こうした理由とプロセスの効率性に基づき、インフィニオンでは、DPRの要求に従うことにしました。その結果、繰 越欠損金の繰延税金資産は2008年10月1日時点で2億3,700万ユーロ削減されました。自己資本も2008年10月1日時点で同額削減されました。これらの遡及的な調整は、現 在の税務上の繰越欠損金には影響せず、現金支出も伴いません。

ダウ・ジョーンズ・サスティナビリティ・インデックス
インフィニオンは、半導体開発プロセス全体を通じて効率的かつ入念なリソース管理を行っています。さらにインフィニオンのイノベーションは、顧客にとってだけでなく、製 造プロセスの段階ですでに持続可能性に大きく貢献しています。インフィニオンは経済的側面のみを重視するのでなく、原材料やエネルギーの使用と従業員への影響も考慮しています。こうした取り組みの結果、イ ンフィニオンは2010年9月、ダウ・ジョーンズ・サスティナビリティ・インデックスに選ばれました。第1回目の評価申請の後、インフィニオンは、世界で最も持続可能な半導体企業10社の1つに入りました。


2011年度第1四半期および通年の見通し
インフィニオンは、為替レート環境、とりわけ米ドル/ユーロ比率の変動に基づき、2011会計年度第1四半期の売上高が2010会計年度第4四半期と比べて横ばいまたは微減になると予想しています。第 1四半期の事業部合計の利益率は、前四半期と同水準にとどまる見込みです。

予想されるグループの売上高推移の内訳として、オートモーティブ(ATV)事業部の売上高は増加、インダストリアル・マルチマーケット(IMM)事業部の売上高は横ばい、チ ップカード&セキュリティ(CCS)事業部の売上高は季節的要因により減少する見込みです。

インフィニオンは、米ドル/ユーロ比率を1.40と想定した場合、通年の売上高の成長率は10%近くになると予想しています。この中では、2011会計年度のATV事業部の売上高は約10%増、I MM事業部の売上高はグループの平均をはっきりと上回り、CCS事業部の売上高は極めてゆるやかに増加する見込みです。

2011会計年度の事業部合計の利益率は、10%台半ばから後半と予想されます。


インフィニオンは、2011会計年度の投資額を約5億5,000万ユーロと見込んでいます。2009年後半から2010会計年度末にかけての持続的な生産能力不足を受け、クリム(マレーシア)の フロントエンド施設やさまざまなバックエンド施設で製造能力の拡大に取り組みます。2010年9月には、パワー半導体の開発・製造拠点の1つとして、フィラハ(オーストリア)にパイロットラインを開設しました。1 年のうちに、薄ウェハを基盤とするパワー半導体デバイスに利用可能な300mmウェハの製造を開始することを目指しています。2010会計年度の投資総額は3億2,500万ユーロでした。

2011会計年度の減価償却額は、2010会計年度の3億3,600万ユーロに対し、約4億ユーロになる見込みです。

ピーター・バウアーは次のように述べています。「当社は安定した収益性の高いビジネスの実現に向け、常に企業ポートフォリオを調整しています。エネルギー効率、モビリティ、セ キュリティという社会のメガトレンドに対応する製品とソリューションを提供するなかで、平均を上回る長期的な成長を可能にする市場に注力しています。取締役会と監査役会は、業績見通し、昨会計年度の優れた業績、安 定した財務状況を考慮し、ビジネスの成長に適切に関与した株主に対して一株あたり10ユーロセントの配当を行うことを年次総会で提案します。」

2010会計年度第4四半期の事業部ごと業績詳細:すべての事業部が売上高と事業部業績の向上に貢献
本プレスリリースの8ページでは、各事業部の業績の概要とワイヤレス・ソリューション事業部の携帯電話事業を除く数値への調整を行った財務諸表をご覧いただけます。

ATV事業部の第4四半期の売上高は、前四半期比で横ばいか微減という初期の見通しを上回り、前四半期比2%増の3億4,000万ユーロとなりました。この増収は、利用可能な生産能力が向上し、す べての地域と製品ポーフォリオで旺盛な需要が継続したことによるものです。ATV事業部の業績は、主にプロダクションレベルの向上によるプラス効果などにより、前 四半期比12%増の5,800万ユーロとなりました。

IMM事業部は、2010会計年度第4四半期に売上高と利益の両方で過去最高を記録しました。IMM事業部の売上高は前四半期比11%増の4億1,300万ユーロでした。売 上高は通常の季節的動向に従い、パワー製品と非パワー製品の両方で旺盛な需要に支えられました。IMM事業部の業績は、前四半期比20%増の9,800万ユーロで、事 業部利益率は増収などに牽引されて23.7%となりました。

CCS事業部の売上高は、通常の季節的動向と特定の政府系IDプロジェクトにおける需要増に支えられ、前四半期比5%増の1億1,500万ユーロとなりました。CSS事業部の業績は、前 四半期から倍増の1,200万ユーロで、事業部利益率は10.4%でした。この前四半期比での増加は主に、売上高の拡大と製品ミックスの高利益率ビジネスへの移行によるものです。

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INFXX201011.005

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