ドイツの研究チーム、IH調理器の低コスト化とエネルギー効率化を実現

2014/03/19 | ビジネス&フィナンシャルプレス

2014年3月19日、ノイビーベルク(ドイツ)

 

現在、IH調理器は、低コスト化とエネルギー効率化が進んでいます。これは、3年間の研究プロジェクト「InduKOCH」の成果です。そして、このプロジェクトの研究チームに参加したのが、家 電メーカー向けの世界的サプライヤであるE.G.O.グループ、ブレーメン大学の電気駆動装置  パワーエレクトロニクス デバイス研究所(IALB)のほか、半 導体メーカーとしてプロジェクトの指揮を担当したインフィニオン テクノロジーズです。

 

研究チームは、IH調理器に必要な部品点数の削減に成功しました。これに伴い、一般消費者のメリットとして将来的には標準的なIH調理器は、従来型のコンロと比べて大幅に高価な製品ではなくなります。そ の上、電力損失が抑えられるため、現時点ですでにエネルギー効率の非常に高いIH(誘導加熱)方式を採用することで、今後さらなる消費電力の削減が期待できます。I nduKOCHテクノロジーをベースとするIH調理器は、従来型の電熱調理器との比較で年間消費電力量が20~100キロワット時(kWh)抑えられるため、気候保護に積極的に貢献します。

 

計算例として、InduKOCHによって、IH調理器のあるドイツの世帯数は今日の600万以上(ドイツの全世帯数の約17%)から倍増し、約1,200万(全世帯の約30%)世帯になる見込みです。従 来型の電熱調理器との比較で、IH調理器による年間消費電力量の平均削減量を約60kWhと仮定すると、これに伴うCO2排出量の削減量は相当な規模となります。ドイツの場合、CO2の年間削減量は、自 動車10万台分の排出量(年間平均走行距離=1万3,000km)に相当することになります。この計算は、1 キロワット時の電力生成によって約600gのCO2が放出されるというドイツ連邦環境庁の2012年の算定に基づくものです。

 

インフィニオンのステファン フォス(Dr. Stephan Voss)(開発者兼InduKOCH研究プロジェクト責任者)は、次のように述べています。「ドイツの家庭は、2 014年中には省エネ化と低コスト化の進んだIH調理器の恩恵を受けることになるはずです。InduKOCHの登場により、従来型の電熱調理器からの切り替えには、こ れまでよりもずっと大きな価値がもたらされます。最大のエネルギー資源とは使われないエネルギーであるため、今回の変革は地球環境にも多大な貢献を及ぼします。I H調理器によって年間60kWhの電気エネルギーが節約されることで、CO2排出量が削減されます。仮にドイツでのIH調理器の使用台数が今の2倍になれば、実 に自動車10万台分のCO2排出量が削減されることになります」

 

IH調理器向けの新型チップと新たな内部構造
IH調理器の効率化、低コスト化を実現するため、インフィニオンは現在、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)と呼ばれる自社チップのさらなる進化に向けて研究を行っています。I GBTは誘導コイルの高周波電流を調節し、その電磁場によって調理用の容器の中で熱を発生させます。新型IGBTは、プロジェクト開始当初の先行バージョンと比べて最大40%の効率化を実現する見込みです。家 電メーカー向けの加熱部品や制御部品で世界をリードするサプライヤのE.G.O.グループは、インフィニオンの新型IGBTパワー半導体によって、IH調理器の電気的、機 械的な内部構造の最適化を図ることができました。一方、ブレーメン大学のIALBは精力的なサポートを行い、高周波スイッチング動作のモデリングとシミュレーションに関する研究を実施しました。同 研究所の設計したコンピュータ モデルは、IGBT部品とスイッチング環境の考えられる限り多様な変動要因について迅速な演算を行いました。これによってInduKOCHの研究チームは、手 間のかかる高コストの実験を行う必要なしに、全面的に最適なシステムを考案しました。

 

ドイツ連邦政府のハイテク戦略と「Information and Communications Technology 2020」プログラム(IKT 2020)の一環として、独連邦教育研究省( BMBF)はInduKOCH研究プロジェクトに3年間で約120万ユーロの資金拠出を行いました。InduKOCHとは、「IH調理器を使用した調理のエネルギー効率化に向けた画期的なスイッチング概念と部品」 のドイツ語での頭文字を意味します。

 

ドイツ家庭でのIH方式
現在、ドイツの総世帯数は4,000万世帯以上に上りますが、そのうちIH調理器を使用する世帯の割合は約17%です。従来型コンロの使用をやめて、ポットや鍋のみを加熱し、バ ーナーを加熱しないIH方式の調理を行うことで、最大25%の電気エネルギーを節約できます。

インフィニオンについて

インフィニオン テクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、 エネルギー効率モビリティセキュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。 2013会計年度(9 月決算)の売上高は38億4000万ユーロ、従業員は世界全体で約2万6,700人です。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場、米国では店頭取引市場のOTCQX に株式上場しています。

インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト: http://www.infineon.com
日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp

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  • Up to 25 percent of electric energy can be saved if not a conventional electric stove is turned on but an induction cooker which only heats the pots and pans and not the burner.
    Up to 25 percent of electric energy can be saved if not a conventional electric stove is turned on but an induction cooker which only heats the pots and pans and not the burner.
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  • Dr. Stephan Voss, developer of power semiconductors at Infineon Technologies AG and project head of the InduKOCH research project.
    Dr. Stephan Voss, developer of power semiconductors at Infineon Technologies AG and project head of the InduKOCH research project.
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