ドイツの研究チームがエネルギー損失を半減:再生可能エネルギー源、通信、照明システムにメリットをもたらす、新たな半導体材料を開発

2014/06/23 | ビジネス&フィナンシャルプレス

最新の半導体材料によって、PC、薄型TV、サーバ、通信システムのスイッチング電源では、エネルギー損失が50%削減され、ソーラーパワーコンディショナーは、さ らなる小型化とコスト効率化が実現する見込みです。これは、研究プロジェクト「NeuLand」によるもので、パートナー企業の開発した高集積デバイスと電子回路によって、現 在進行中の研究活動の試験段階でありながら、回路のエネルギー損失を35%削減することに成功しています。「NeuLand」プロジェクトは、独連邦教育研究省(BMBF)によって、総 額約470万ユーロの資金拠出が行われました。そして、プロジェクトの指揮を執ったのが、独インフィニオンテクノロジーズでした。

 

エネルギー損失の半減のカギ

エネルギー損失を半減する上でカギとなるのは、半導体材料のシリコンカーバイド(SiC)とシリコン基板上の窒化ガリウム(GaN-on-Si)の使用であり、その電気特性によって、小 型で効率的なパワーエレクトロニクス回路が実現します。インフィニオンは、現在すでに、JFETやダイオード(電圧クラス:600V~1,700V)でSiC材料を使用しています。これらのパワー半導体は、主 にPCやTV、モーター駆動装置のスイッチモード電源で使用されています。将来的には、ソーラーインバータにも、大きなメリットをもたらす可能性があります。

 

「NeuLand」の発足以前、SiCは非常に高価なウェハ材料でした。しかし、「NeuLand」の研究成果を受け、現在では、SiCベンダーも、考えられるアプリケーションも増加しています。プ ロジェクトのパートナーは、SiCとGaNをベースとするデバイスを使用することで、パワーエレクトロニクスについて、3分の1以上の効率化が可能なことを、実証することができました。例えば、ソ ーラーインバータの場合、性能面での変化なしに、材料の大幅な節約というメリットが実現し、コスト効率をさらに向上できます。しかし、研究結果からは、ソ ーラーパワーコンディショナーのような大規模なアプリケーションでは、SiCデバイスのコストをさらに削減する必要がある点や、GaNベースのデバイスでは、信頼性、サービス寿命、コストの点で、よ り重点的な研究が必要な点も浮き彫りとなりました。

 

プロジェクトには、半導体生産用装置のプロバイダーの代表として、AIXTRONが参加したほか、ウェハメーカーとしては、SiCrystalがSiCを担当しました。さらに、半 導体メーカーのインフィニオンは、SiCおよびGaNベースのデバイスを対象に、パワー半導体のデバイスと生産工程を研究したほか、ソーラー部門のシステム技術に関する専門知識は、SMA Solar Technologyによって提供されました。「NeuLand」を通じ、プロジェクトのパートナーは、バリューチェーンの極めて広範な分野を対象に、未来志向のSiC/GaN技術について、そ れぞれの能力をさらに拡大することができました。

 

「NeuLand」とは、「広バンドギャップ化合物半導体を採用し、エネルギー効率とコスト効果に優れた画期的なパワーデバイス」を意味するドイツ語の略語です。プロジェクトの期間は3年間で、ド イツ連邦政府の「IKT 2020 – Research for Innovation」プログラムの「パワーエレクトロニクスによる、エネルギー効率の強化(LES)」の一環として、B MBFによる資金拠出が行われました。「IKT 2020」では、エレクトロニクス技術でのドイツの主導的地位の強化を目標に掲げています。

インフィニオンについて

インフィニオン テクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、 エネルギー効率モビリティセキュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。 2013会計年度(9月決算)の売上高は38億4000万ユーロ、従 業員は世界全体で約2万6,700人です。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場、米 国では店頭取引市場のOTCQXに株式上場しています。

 

インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。

本社サイト: http://www.infineon.com

日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp

Information Number

INFXX201406.048

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  • The partner companies of the research project “NeuLand” have developed highly-integrated components and electronic circuits which could make solar inverters even more compact and cost-efficient and also could mean 50 percent less energy loss in switched-mode power supplies for PCs, flat-screen televisions, servers and telecommunications systems.
    The partner companies of the research project “NeuLand” have developed highly-integrated components and electronic circuits which could make solar inverters even more compact and cost-efficient and also could mean 50 percent less energy loss in switched-mode power supplies for PCs, flat-screen televisions, servers and telecommunications systems.
    NeuLand-0614

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