インフィニオン、イノルースを買収。自動運転のリーダーとしてのポジションを強化

2016年10月11日、ミュンヘン（ドイツ）、ナイメーヘン（オランダ） 

インフィニオンテクノロジーズのマイクロエレクトロニクスは、自動運転とコネクテッドカーの鍵となるテクノロジーのひとつです。ドライバーアシスタンスシステム向けチップのリーディングプロバイダーとしてイノベーションを継続しているインフィニオンは、ナイメーヘン（オランダ）に本社を置くファブレス半導体企業であるイノルース（Innoluce BV）の全株を取得しました。イノルースのノウハウを基に、高性能なライダー（Lidar）システム向けコンポーネントの開発を計画しています。買収条件については両社とも公開しないことで合意しています。 

ライダー（ LIDAR ）：半自動および全自動運転の鍵となるセンサーテクノロジー

ライダー、レーダー、およびカメラが半自動および全自動運転の鍵となる3つのセンサーテクノロジーです。インフィニオンはこのテクノロジーの最先端に位置し、このたびの買収により自動運転に必要な冗長性を提供する、相互に補完的な3つすべてのセンサーシステムに関するノウハウを提供できるようになりました。レーダーが無線帯域の電磁波を使うのに対し、ライダーはレーザービームを使って車両近辺の物体までの距離を測定します。走査型ライダーシステムは道路上にある小さな物体の検知に役立ちます。 

インフィニオンのオートモーティブ事業部プレジデントであるピーターシーファー（Peter Schiefer）は、次のように述べています。「今回の買収により、インフィニオンは完全自動運転車に不可欠な安全システムの中で重要な役割を担う、ライダーテクノロジー確立に向けた大きな一歩を踏み出しました。ライダーを、世界中で新たに生産する自動車のための、手ごろな価格で搭載可能な機能のひとつとすることを計画しています」 

今後2～3年以内に高級車に搭載される最初のライダーシステムはメカニカル走査ミラーを使用するため、かさばるだけでなく比較的高価でもあります。ライダーをすべてのクラスの車の標準機能とするためには、半導体をベースとすることにより小型化、低コスト化、および強靱化を実現する必要があります。 

半導体でのエクスペリエンスがドライバーアシスタンスシステムを刺激

自動運転実現に向けた取り組みとして、インフィニオンは既に自動車のマス市場を対象とした追加の安全機能としてレーダーテクノロジーの導入を支援しています。チップ大量生産のための立証されたテクノロジーやチップパッケージングのための新しいチップパッケージングテクノロジーにより、製造コストとレーダーシステムのサイズのいずれも大きく削減されました。この技術革新に対し、インフィニオンのレーダーチップ担当チームは、科学とテクノロジーにおけるイノベーションに対してドイツ首相から与えられる、著名な「Deutscher Zukunftspreis 2015」（ドイツ未来賞）にノミネートされました。 

イノルース（ Innoluce ）について

イノルースはフィリップ（Royal Philips）からスピンオフし、2010年に設立されました。ドイツとオランダの国境近いオランダのナイメーヘンに本社を置くファブレスの半導体企業です。マイクロエレクトロニクス - 機械システム（MEMS）に強力な経験を持ち、シリコンベースのソリッドステートMEMSマイクロミラーを組み込んだ、ミニチュアレーザー走査モジュールのリーディングイノベーターです。マイクロミラーは自動車の光検出および測距（ライダー）システムでのレーザービーム調整に必要とされます。

同社の詳細については、 www.innoluce.com をご覧ください。

インフィニオン について

インフィニオンテクノロジーズは、暮らしをより便利に、安全に、エコに革新する半導体分野の世界的リーダーです。明るい未来の扉を開く鍵になる半導体をつくることが、私たちの使命だと考えています。2015会計年度（9 月決算）の売上高は58億ユーロ、従業員は世界全体で約3万5,400人。2015年1月に、売上高11億米ドル（6月29日を期末とする2014会計年度）、従業員約4,200人の米国インターナショナル・レクティファイアーを買収しました。

インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場(ticker symbol:IFX)、米国では店頭取引市場(ticker symbol:IFNNY)のOTCQX に株式上場しています。 

日本法人サイト： http://www.infineon.com/jp

本社サイト： http://www.infineon.com （英語）