インフィニオン、ウルフスピードを8億5,000万米ドルの現金にて買収
-
両社のコンビネーションは、電気自動車、再生可能エネルギー、およびIoT(モノのインターネット)に関連した次世代ワイヤレス インフラストラクチャをはじめとする高成長市場における、パワーおよび無線(RF)パワーソリューションのリーディングサプライヤーとしてのインフィニオンの優位性をさらに強化
-
この買収によりシリコンカーバイド(SiC)、窒化ガリウム オン シリコン(GaN-on-Si)、および窒化カリウム オン シリコンカーバイド(GaN-on-SiC)を含む化合物半導体に関し、最も幅広い製品に基づく業界で最も強力なパワーソリューションの提供が可能に
-
利益率と調整後1株当たり利益には買収当初から押し上げ効果
-
買収資金は7億2,000万米ドルの追加借入と1億3,000万米ドルの手持ち現金により調達
-
買収は2016暦年末までに完了を見込む
2016年7月14日、ミュンヘン(ドイツ)/ダーラム(米国ノースカロライナ州)
独インフィニオンテクノロジーズと米Cree, Inc.(以下、クリ―)は、インフィニオンがクリ―のパワーとRF部門であるWolfspeed(以下ウルフスピード)を買収する最終的契約を締結したと発表しました。この買収にはパワーおよびRFパワーソリューションに関連する、SiCウエハ基板事業も含まれます。買収は8億5,000万米ドル(約7億4,000万ユーロ)の全額現金で行われる予定です。買収を通じ、インフィニオンには化合物半導体の分野において業界で最も幅広い製品の提供が可能になると共に、電気自動車、再生可能エネルギー、およびIoTのための次世代ワイアレス インフラストラクチャをはじめとする高成長市場への、パワーおよびRFパワーソリューションのリーディングサプライヤーとしての位置付けがさらに強化されます。
インフィニオンテクノロジーズのCEO、ラインハルト プロス(Dr. Reinhard Ploss)は次のように述べています。「ウルフスピードの買収を通じて他にはない成長の機会が得られます。ウルフスピードとインフィニオンの事業および専門ノウハウは相互に補完的であり、、化合物半導体に関して業界をリードする専門家が集結することになります。これにより化合物半導体分野において業界で最も幅広く深い革新的なテクノロジーと製品の提供が可能になり、お客様にさらに大きな価値を提供できるようになります。ウルフスピードが加わることにより、インフィニオンはSiCベースのパワー半導体のトップ企業になります。さらにRFパワーの分野でもトップ企業を目指しています。今回の買収により、革新的な技術の市場への導入が加速され、エネルギー効率、インターネット接続、またモビリティをはじめとする近代社会のニーズに応えることが可能となります」
クリ―の会長兼CEO、チャック スウォボダ(Chuck Swoboda)は次のように述べています。「昨年さまざまな検討とデューディリジェンス作業を行った後、インフィニオンへのウルフスピード売却がクリ―の株主、従業員、およびお客様にとって最善の判断であるという結論に達しました。ウルフスピードはインフィニオンの一部となることにより、独自のシリコンカーバイドおよび窒化ガリウムテクノロジーをさらに積極的に商業化できるようになると確信しています」
ウルフスピードのCEO、フランク プラスティナ(Frank Plastina)は次のように述べています。「インフィニオンの一員に加わることにより、ウルフスピードにはインフィニオンの市場到達力とインフラストラクチャの活用を含め、この業界セクターでのグローバル企業としての優位性を築くことが可能となります。ウルフスピードを補完するインフィニオンの企業文化と追加投資を得て、ポートフォリオと人材が持つ可能性を広げることが可能になりました」
ウルフスピードは米国ノースカロライナ州リサーチトライアングルパークに拠点を置き、30年近くにわたってクリ―の一部門を構成してきました。SiCベースのパワー、およびGaN-on-SiCベースのRFパワーソリューションのトップクラスのプロバイダーです。これにはSiCおよびRFパワーアプリケーション向けの単結晶GaNレイヤーを持つSiCを対象とした、ウエハ基板製造における中核的コンピテンシーも含まれます。コンピテンシー、高度なスキルを持つ550名以上の従業員、約2,000件の特許と特許申請を含む強力なIPポートフォリオをもたらす今回の買収により、2015年早期にインフィニオンが行ったインターナショナルレクティファイアーの買収がさらに補完されます。ウルフスピードのSiCベースの製品は、インフィニオンの既存商品に加わるものとして理想的な位置付けにあります。
化合物半導体をベースとするパワーマネジメント ソリューションは、お客様によるエネルギー効率、設置面積の小ささ、システムコスト削減を実現したシステム開発に貢献するいくつものメリットを備えています。インフィニオンとウルフスピードはテクノロジー、製品、製造能力からなるそれぞれの包括的ポートフォリオを組み合わせ、コンポーネントの開発を加速することによりお客様による差別化されたシステムの開発を可能にします。SiCが貢献する主な分野には、再生可能エネルギーと特に自動車があります。どちらの分野にもパワー密度と効率の向上が寄与します。自動車の分野では、業界で最近高まってきたプラグインハイブリッドと電気自動車(xEV)への取り組みに応えます。両社のポートフォリオとコンピテンシーが合わさることにより、化合物半導体をベースとした新製品の開発期間が大きく短縮されます。
5Gやそれ以降の次世代ワイアレス インフラストラクチャは、最大80ギガヘルツの周波数を使用します。このような高い周波数の効率化を進めるには、先進的な化合物半導体が必須です。GaN-on-Siは一体化の水準を高めると共に、最大10ギガヘルツの周波数で動作可能です。GaN-on-SiCは最大80ギガヘルツにまで対応します。いずれのテクノロジーも、次世代のワイアレス インフラストラクチャ規格に不可欠です。SiベースのLDMOSと共に、インフィニオンはRFパワーコンポーネントに関して最も包括的に製品を供給することができます。
両社のポートフォリオによりインフィニオンが掲げている戦略「Product to System(P2S)」(From product thinking to system understanding:システムを理解して製品を開発すること) がさらに強化されます。また電気自動車、ハイエンドの太陽光電池インバーター、xEV充電インフラストラクチャ、およびワイアレス インフラストラクチャ内のRFパワーコンポーネントなど、SiC、GaNベースのコンポーネントを早期に導入する分野での採用が加速されます。
インフィニオンが買収する事業は、2016年3月27日を末日とする1年間に1億7,300万米ドルの概算売上を計上しています。今回の買収はインフィニオンの調整後1株当たり利益と利益率に直ちに押し上げ効果をもたらします。この買収の資金を7億2,000万米ドルの銀行借入と1億3,000万米ドルの手持ち現金によりまかないます。現金と借入による買収の後もインフィニオンのバランスシートは健全な状態に維持されます。資本構成は先に発表した目標値である10億ユーロのグロスキャッシュおよび10〜20%の売上の範囲内にあり、またグロス対EBITDA負債比(グロス)の2倍未満です。
この買収はクリ―の取締役会とインフィニオンの監査役会から承認されています。買収の完了には複数の司法区での規制認可が前提となり、また2016暦年末までに完了の見込みです。
インフィニオン について
インフィニオンテクノロジーズは、暮らしをより便利に、安全に、エコに革新する半導体分野の世界的リーダーです。明るい未来の扉を開く鍵になる半導体をつくることが、私たちの使命だと考えています。2015会計年度(9 月決算)の売上高は58億ユーロ、従業員は世界全体で約3万5,400人。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場(ticker symbol:IFX)、米国では店頭取引市場(ticker symbol:IFNNY)のOTCQX に株式上場しています。
日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp
本社サイト: http://www.infineon.com (英語)
クリ―(Cree, Inc.)について
クリ―は照明クラスLED、照明用製品、およびパワーと無線(RF)アプリケーション向け半導体製品の分野で市場をリードするイノベーション企業です。優れた照明エクスペリエンスに取り組み、高品質な屋内および屋外向け照明ソリューションを通じて人々にとっての照明を変革する、新しい画期的なLEDテクノロジーを提供しています。
クリ―の製品ファミリーにはLED照明システムと電球、青色および緑色LED IC、高輝度LED、照明クラスのパワーLED、電力スイッチングデバイス、およびRFデバイスが含まれます。クリ―の製品は一般照明、電子式看板と信号灯、電源、およびインバーターなどのアプリケーションでの改善を推進しています。
同社の詳細については www.cree.comをご覧ください。
将来予測に基づく表明
本プレスリリースには、既知と未知の両方のリスクと不確定要素が関わる将来予測に基づく表明が含まれ、実際の結果はここに示されたものから大きく異なる場合があります。実際の結果は、今回の買収が遅延するまたは行われないリスク、許認可を得られるか否か、あるいは許認可に両社が本買収を放棄せしめるような条件が課せられるリスク、買収完了の条件のうちひとつないし複数のものが満たされないリスク、買収案において期待されているメリットが実現しない可能性、既存のビジネス関係において買収完了までの期間にインフィニオンまたはクリ―の業績に影響し得る変化が生じる可能性、およびクリ―が米国証券取引委員会に提出した2015年6月28日を末日とする年度のForm 10-Kおよびそれ以降の提出書類、あるいはインフィニオンの2015年度アニュアルレポートに記載されたその他の要因を含む複数の要因により異なったものとなる可能性があります。
Cree®はCree, Inc.の登録商標です。
Information Number
INFXX201607-071
Press Photos
-
Dr. Reinhard Ploss, CEO of Infineon Technologies AG, and Chuck Swoboda, Cree Chairman and CEO (on the right)Ploss_Swoboda
JPG | 1.5 mb | 1615 x 1615 px