インフィニオン、2017会計年度第2四半期の業績を発表、季節平均の売上高の成長率を上回り、オートモーティブ、インダストリアル、およびパワーサプライ各事業部での好調な需要による利益の拡大
- 2017会計年度第2四半期:売上高は17億6,700万ユーロ、事業部合計利益は2億9,600万ユーロ、事業部合計利益率は16.8%、一株当り利益(基本および希薄化後)は0.18ユーロ、調整後一株当り利益(希薄化後)は0.21ユーロ、粗利益率は36.5%、調整後粗利益率は38.0%
- 2017会計年度第3四半期の見通し:売上高は前四半期比3%(±2ポイント)増、予想範囲の中間点での事業部合計利益率は17.5%と予想
- 2017会計年度の見通し:ユーロ/ドルの平均為替レートを1.10とする想定に基づき、前年度比の売上高成長率を8〜11%、予想範囲の中間点での事業部合計利益率を17%と予想
2017年5月4日、ノイビーベルク(ドイツ)
独インフィニオンテクノロジーズは本日、2017会計年度第2四半期(2017年3月31日を末日とする期間)の業績を発表しました。
インフィニオンの最高経営責任者(CEO)、ラインハルト・プロス(Dr. Reinhard Ploss)は、次のように述べています。「本会計年度第1四半期の好況は第2四半期にも継続しました。現在の良好な受注状況に基づき、通年の見通しを引き上げることとしました。オートモーティブ事業において卓越した業績を継続したことに加え、インダストリアルアプリケーション、電源、および家庭電化品を対象としたソリューションへの需要も勢いを高めています。またシリコンカーバイドMOSFETへのお客様からの好評価を特に喜ばしく思っています。これは化合物半導体に関してインフィニオンが正しい戦略を進めていることを明確に示しています。」
2017 会計年度第 2 四半期のグループ業績
インフィニオングループの2017会計年度第2四半期の 売上高は、前四半期の16億4,500万ユーロから7%増加して17億6,700万ユーロとなりました。オートモーティブ事業部(ATV)、インダストリアルパワーコントロール事業部(IPC)、およびパワーマネジメント&マルチマーケット事業部(PMM)のいずれも売上高拡大に貢献しましたが、チップカード&セキュリティ事業部(CCS)の売上高はやや低下しました。
第2四半期の 粗利益率は前四半期の36.0%から36.5%に拡大しました。第2四半期の数値には買収関連の減価償却費およびインターナショナル・レクティファイアー社の買収に起因する費用が総額2,500万ユーロ含まれています。 調整後粗利益率は前四半期の37.6%から38.0%に増加しました。
事業部合計利益は前四半期の2億4,600万ユーロから20%増加して2億9,600万ユーロとなりました。第2四半期の 事業部合計利益率は前四半期の15.0%に対して16.8%となりました。
非事業部損益は前四半期の6,200万ユーロの純損失に対して6,700万ユーロの純損失となりました。第2四半期の数値の内訳は、売上原価に関する費用が2,600万ユーロ、販売管理費が2,400万ユーロで、研究開発費はゼロでした。また、その他の営業利益とその他の営業費用は、ウルフスピード社買収計画の中止に伴う費用を主として合計純額1,700万ユーロの費用となりました。
非事業部損益には、インターナショナル・レクティファイアー社の買収に伴う、買収後の経営統合における取得原価配分およびその他の費用に関連して生じる減価償却費として4,300万ユーロが計上されています。
営業利益は、前四半期の1億8,400万ユーロから2億2,900万ユーロに増加しました。 継続事業からの利益は前四半期の1億6,500万ユーロから1億9,800万ユーロに増加しました。 非継続事業からの損益は、前四半期の400万ユーロの損失に対して100万ユーロの利益となりました。 純利益は、1億6,100万ユーロから1億9,900万ユーロに増加しました。前四半期の数値には200万ユーロの法人所得税費用が、また、当会計年度第2四半期の数値には2,000万ユーロの税金費用が反映されています。
第2四半期の 一株当り利益は前四半期の0.14ユーロから0.18ユーロに増加しました(ともに基本および希薄化後)。 調整後一株当り利益 [1] (希薄化後)は前四半期の0.17ユーロから0.21ユーロに増加しました。調整後一株当り利益(希薄化後)の計算にあたっては、買収関連の減価償却費およびその他の費用(税引き後)、ならびに繰延税金資産の再評価をはじめ、多数の項目が除外されました。
インフィニオンが有形および無形固定資産の購入、ならびに資本化された開発資産の合計として定義する 投資額は、前四半期の2億400万ユーロに対して当会計年度第2四半期には2億1,900万ユーロとなりました。 減価償却費は2億ユーロから微増の2億500万ユーロとなりました。
第2四半期の継続事業からの フリーキャッシュフロー [2] は、プラス8,200万ユーロに改善しました。これに対し前四半期はマイナス3,900万ユーロでした。2017会計年度第1四半期のフリーキャッシュフローには、MoTo Objekt Campeon GmbH & Co. KG(MoTo)の株式の93%取得に伴って生じた純額1億1,200万ユーロの現金流出が含まれていました。継続事業からの営業活動によるキャッシュフローは、前四半期の2億8,200万ユーロから3億ユーロに改善しました。
2017年2月に2億4,800万ユーロの株式配当を行った結果、インフィニオンの 総現金残高は、2016年12月31日時点の22億900万ユーロから、2017年3月31日時点で20億4,900万ユーロに減少しました。 純現金残高は前四半期末の1億6,600万ユーロから3,200万ユーロに減少しました。
2017年3月31日現在のキマンダに関連した 引当金は、2016年12月31日時点の3,100万ユーロから微減して2,700万ユーロとなりました。この引当金は当初キマンダ管財人により申し立てられた訴訟の費用、およびQimonda Dresden GmbH & Co. OHG.に関連した残留負債として計上されたものです。
2017 会計年度第 3 四半期の見通し
インフィニオンは、2017会計年度第3四半期の売上高について、前四半期比で3%(±2ポイント)の増収と予想しています。この予想は、ユーロ/ドルの平均為替レートを1.10とする想定に基づきます。売上高予想の中間点での 事業部合計利益率は、17.5%と予想しています。
2017 会計年度の見通し
2017年3月24日に臨時通知として発表した2017年会計年度の見通し引き上げに沿い、インフィニオンは2017会計年度の 売上高成長率を8〜11%、売上高予想の中間点での 事業部合計利益率を約17%と予想しています。この予想は、ユーロ/ドルの平均為替レートを1.10とする想定に基づきます。ATV事業部はグループ平均を上回る成長が予想されます。IPC事業部はグループ平均とほぼ同程度ないしわずかに下回る事が予想されます。PMM事業部とCCS事業部はいずれもグループ平均を下回る成長率となる見通しです。
予想を上回る売上高と受注状況に基づき、有形および無形固定資産、ならびに資本化された開発費用の合計として定義される 投資額も引き上げ、2017会計年度通年での投資計画額を10億5,000万ユーロとしました。この金額には、ミュンヘンに近いノイビーベルクのインフィニオン本社にオフィスビルを増設するための約3,500万ユーロが含まれています。 減価償却費は従来と変わらず8億3,000万ユーロ前後と予想されます。
シリコンカーバイド MOSFET に対する市場からの早期の評価
1,200ボルトのシリコンカーバイドMOSFETが近く販売開始の予定です。インフィニオンはすでに、この革新的なトレンチベースのアーキテクチャを持つ製品サンプルの提供を行っています。
お客様からは非常に好意的な評価が得られ、すでに確定オーダーもいただいており、これは今会計年度中の売上高にも反映される見込みです。この早期の段階においても、お客様によるプロジェクトは、すべての産業向けアプリケーションを合わせて今後数十億ユーロ規模の売上高を生み出すと予想されます。これには太陽光発電施設と屋上用システムのための太陽光発電コンバーター、電気車載用充電ステーション、無停電電源、空調、およびディスクリート型のファクトリーオートメーションが含まれます。
ATV 事業部が市場シェアを拡大
市場調査会社であるStrategy Analyticsは今年4月、車載用半導体市場に関する新たな推定値を公開しました。アナリストによれば車載用半導体市場は、2016暦年中に274億ドルから302億ドルへと10.4%の成長を遂げました。同期間中に自動車生産は約4%増加しているため、これは車両あたりの半導体使用が約6%増加したことを示しています。
インフィニオンの市場シェアは2015暦年の10.4%から2016年には10.7%に拡大し、市場第2位の地位をさらに確固たるものとしました。最も急速に成長している車載用パワー半導体の分野では、インフィニオンの市場シェアは0.4ポイント拡大して25.6%となりました。インフィニオンのシェアが最も拡大したのはセンサーで、2016暦年には0.6ポイント拡大して12.5%に達しました。マイクロコントローラーでのインフィニオンの2016年の市場シェアは、8.6%から8.7%への微増でした。
地域ごとでは、インフィニオンが最も大きく市場シェアを拡大したのは2.2%増の中国でした。この2015暦年の8.7%から2016年には10.9%へとシェアを拡大したことにより、中国市場でのインフィニオンの位置付けは1ランク上がって第2位となりました。
ATV 事業部の 2017 会計年度第 2 四半期の売上高は、前四半期の7億500万ユーロから11%増加して7億8,300万ユーロとなりました。この売上高増はすべての製品分野での需要増加によるものであり、特にドライバー支援システムおよびハイブリッド車や電気自動車(EV)に搭載された製品が寄与しました。当会計年度第2四半期の 事業部利益は前四半期の1億1,400万ユーロから1億3,100万ユーロに増加しました。 事業部利益率は16.7%で、これに対し前四半期は16.2%でした。
IPC 事業部の当会計年度第 2 四半期の売上高は、前四半期の2億6,400万ユーロから11%増の2億9,300万ユーロとなりました。需要は特に家電品で好調でした。また移動装置、電気駆動装置、太陽光発電、および風力発電分野の売上高も成長しました。 事業部利益は前四半期の2,400万ユーロから4,400万ユーロに増加しました。 事業部利益率は前四半期の9.1%から15.0%に改善しました。
PMM 事業部の当会計年度第 2 四半期の売上高は、前四半期の4億9,700万ユーロから5億2,000万ユーロに増加しました。この売上高の5%拡大は、AC/DC変換とDC/DC変換分野での好調な需要によるものでした。 事業部利益は前四半期の8,100万ユーロから9,100万ユーロに増加し、また 事業部利益率は前四半期の16.3%から17.5%に拡大しました。
CCS 事業部の当会計年度第 2 四半期の売上高は、前四半期の1億7,400万ユーロから3%減少して1億6,900万ユーロとなりました。従来型SIMへの需要は減少しましたが、埋め込み型SIMとTrusted Platform Moduleへの需要が拡大しました。決済カード用セキュリティチップもわずかに増加しましたが、政府系ID文書はほぼ横ばいでした。 事業部利益は前四半期の2,900万ユーロから横ばいでした。 事業部利益率は前四半期の16.7%から17.2%に改善しました。
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[1]調整後純利益と調整後一株当り利益(希薄化後)は、IFRSに準拠して決定した純利益および一株当り利益(希薄化後)の代替または上位の業績指標とみなすべきものではなく、追加的な情報とみなすべきものです。調整後一株当り利益の計算方法については、英語原文10ページに詳細が記載されています。
[2] フリーキャッシュフロー、グロス現金残高、純現金残高の定義と計算方法は、英語原文14ページをご覧ください。
インフィニオンについて
インフィニオンテクノロジーズは、暮らしをより便利に、安全に、エコに革新する半導体分野の世界的リーダーです。明るい未来の扉を開く鍵になる半導体をつくることが、私たちの使命だと考えています。2016会計年度(9月決算)の売上高は65億ユーロ、従業員は世界全体で約3万6,000人。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場(ticker symbol:IFX)、米国では店頭取引市場(ticker symbol:IFNNY)のOTCQX に株式上場しています。
日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp
本社サイト: http://www.infineon.com (英語)
Information Number
INFXX201705-049
Press Photos
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Dr. Reinhard Ploss, Chief Executive Officer of Infineon Technologies AGDr_Reinhard_Ploss_November_2016
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