自動車に安全性を:インフィニオンのAURIXファミリーが組込み安全コントローラとして世界初のISO 26262:2018準拠ASIL-D認証を取得
2020年2月25日、ミュンヘン(ドイツ)
エレクトロモビリティ、高度なドライバー支援システム、コネクテッド自動運転など、機能的に安全な車載用電装および電子システムの需要が拡大しつつあります。インフィニオン テクノロジーズ(FSE: IFX / OTCQX: IFNNY)は、このたび重要なマイルストーンを達成、同社の第二世代 AURIX™(TC3xx)マイクロコントローラが組込み安全コントローラとしては世界で初めて、ISO 26262規格最新版に準拠した最高の安全度水準を満たしているとしてASIL-D認証を取得しました。この規格は、自動車用の安全に関わるシステムの開発および生産に関する手順を定めた国際規格です。初版の発行は2011年ですが、その後2018年12月に現行の最新版が発行されています。今回の認証は、ドイツの機能安全認証機関SGS TUEV Saarにより発行されました。
インフィニオンの車載マイクロコントローラ担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのピーター シェーファー氏(Peter Schäfer)は、次のように述べています。「今回の認証は、自動車安全分野における当社のリーダーシップを裏付けるものです。第二世代AURIXマイクロコントローラの安全アーキテクチャを、ISO 26262規格の最新版が発行される前にすでに決定していました。それでもASIL-D準拠の安全コントローラの要件をすべて満たしています。私たちはこれを、安全性への包括的なアプローチにより高度で堅牢なアーキテクチャを生み出すことで実現しました。このため、第二世代AURIXマイクロコントローラは、自動運転の実用化に必要な安全性と信頼性を提供できるものになりました」。
AURIXファミリーは、安全に関わるアプリケーションの分野で常に成功を収めてきました。自動運転向けの主要なコンピューティングプラットフォームは、安全制御用ホストコントローラとしてAURIXを利用しています。さらにAURIXマイクロコントローラは、 レーダシステムのセンサーデータ処理、 エンジンおよびトランスミッション制御、 ブレーキ、 エアバッグおよび ステアリングシステム、 中央ゲートウェイ、 ドメイン制御ユニット、 ハイブリッド/電気自動車など、その他多くのアプリケーションにも使用されています。
本製品ファミリーは自動車部門の他にも、 商用車や ロボティクスの分野で安全に関するアプリケーションに使用される例が増えています。したがって、インフィニオンでは次のステップとして、IEC 61508規格の認証取得を計画しています。これは、アプリケーション別の規格の基礎となる産業間共通の基本的な機能安全規格です。
AURIX TC3xxデバイスは、クロック周波数300MHzのプロセッサコアを最大6個搭載し、うち4個には追加のロックステップコアが採用されています。処理能力は約3000 DMIPSで、セーフティ対応マイクロコントローラの機能的に安全な演算能力の基準を定めるレベルです。その他の機能として、安全な内部通信バス、分散型メモリ保護システムなどを備えています。さらにAURIXでは、ソースや安全水準の異なるソフトウェアの統合が可能です。これにより、ステアリング、ブレーキング、エアバッグ、ドライバー支援システムなど、複数のオペレーティングシステムやアプリケーションを共通のプラットフォーム上でホストすることが可能になります。
インフィニオンはこのたび、流通市場のより広範囲の顧客層とアプリケーションベース向けに、AURIX TC3xxファミリーの販売を開始しました。実装を容易化するため、包括的なハードウェアおよびソフトウェア支援を提供します。スターターキットと評価用ボードに加え、幅広いアプリケーションキットをご用意しています。ソフトウェア開発および試験用の無償ツールキット「AURIX Development Studio」も提供いたします。また、開発者の皆様が各自の疑問点について議論できる場として、AURIXフォーラムを設置しています。
インフィニオンについて
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