ヨーロッパの研究プロジェクトiRel40：未来のアプリケーション向け電子部品の信頼性の向上

2021年2月2日、ミュンヘン（ドイツ）

ヨーロッパ全土の研究イニシアチブであるIntelligent Reliability 4.0（iRel40）は、電子システムとマイクロ電子部品の信頼性の向上を図ることを目的としています。インフィニオンテクノロジーズが主導するこのiRel40は、13か国から75の科学および産業パートナーが力を結集して、この目標の達成を目指します。

インフィニオン テクノロジーズのCEOであるラインハルト プロス博士は、次のように述べています。「小型化と機能の統合による電子機器の性能の向上は、着実に進展しています。機能におけるコストが低下するにつれて、性能と複雑さは増していきます。強力な電子機器は、エレクトロモビリティ、自動運転、再生可能エネルギー、エネルギー効率の高い接続ソリューションなどの、未来を見据えた技術の基盤を形成します。ただし、その成功は、信頼性の高い機能、品質、寿命にユーザーが頼ることができてこそ、実現するものです。信頼性は、国際競争における重要な差別化要因です。」

iRel40では、ウエハからチップ、パッケージ、そして最終的にはシステム、ひいては実際のアプリケーションに至るまで、バリューチェーン全体に沿ってマイクロ電子システムの信頼性を最適化するための包括的なアプローチを採用します。その目的は、故障率を大幅に低減し、また製品の品質と寿命を改善することです。このアプローチは、天然資源の持続可能な管理の強化にも貢献します。

ヨーロッパの科学と産業の専門家が協力し、この目標達成に取り組んでいます。彼らは、材料研究や故障解析において、モデリング、シミュレーション、人工知能などの最新の洞察と手法を採用しています。このプロジェクトは、要件、理論原理、材料、試験方法、試験的適用などの分野をそれぞれ担当する8つの作業パッケージに分かれています。インフィニオンは、特にチップおよびパッケージング技術における専門知識とスキルを提供します。

新しいアプリケーションと工場最適化のために定義されたパイロットのサンプル

信頼性の向上のために開発された手法およびプロセスは、エネルギー、輸送、産業分野の16の実際のユースケースと、さらに18の工場パイロットで検証されます。「私たちのプロジェクトは、非常に良いスタートを切りました。作業結果を確認するための要件と仕様は、すでに定義されています。」と、インフィニオンのプロジェクトマネージャーであるクラウス プレッセル博士は述べています。「私たちの目標は、光学的手法とセンサを使用してマイクロ電子部品の製造プロセスを改善し、製造における故障率の低減と品質の向上を図り、最終的には新製品の信頼性を最大限まで高めることです。」

事業拠点としてヨーロッパを強化

この共同プロジェクトでは、強力なパートナーシップとイノベーションへの投資を通じて、ヨーロッパ全土で約25,000人の優秀な人材雇用を確保する必要があります。The European Union（EU: 欧州連合）は、ECSEL（Electronic Components and Systems for European Leadership: 欧州のリーダーシップのための電子部品/システム）プログラムの枠内でiRel40に資金を提供しています。ドイツからは、連邦教育研究省とザクセン州およびテューリンゲン州の2州が出資しています。すべての資金提供団体の概要は、プロジェクトのウェブサイトをご覧ください。プロジェクトは3年間推進され、2023年4月に終了する予定です。 

プロジェクトとプロジェクトパートナーの詳細については、ウェブサイト https://www.irel40.eu/ をご覧ください。

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