磁気位置センサー

高精度磁界と位置検出IC

磁気位置センサーは、物体の動きを観察し、測定可能なデータを送信しその位置を伝えます。送信される信号は、位置データによるアラームの起動、システムプロセスの制御、特定の応答の自動化など、さまざまに利用されます。

磁気位置センサーは非接触で測定対象物と接触しないため、機械的摩耗がありません。他のセンサーと比較して必要部品が少ないため、組み立てが容易かつ故障する可能性が低いです。磁気位置センサーICの検出能力は、異方性磁気抵抗 (AMR)、巨大磁気抵抗 (GMR)、トンネル磁気抵抗 (TMR)、またはホールセンサー技術のいずれかの測定技術に分類されます。

AMR、GMR、およびTMRセンサー技術を搭載した磁気抵抗センサー

AMR、GMR、TMRおよびホールセンサー技術は、インフィニオンの磁気位置センサーポートフォリオに含まれており、メーカーや設計者は、アプリケーションに応じて最適なソリューションを選ぶことができます。

異方性磁気抵抗 (AMR) 技術では、ワイヤーに流れる電流に比例して磁場を生成します。電流がIC内のパーマロイ合金を流れるとき、抵抗は外部磁場によって変化します。変化した抵抗は測定可能な電圧に変換されます。

巨大磁気抵抗 (GMR) 技術では、印可される磁場の方向が平行かそうでないかにより変化する抵抗を測定します。

トンネル磁気抵抗 (TMR) 技術では、低電圧出力と温度変化に弱いという競合品の2つの弱点への解決策です。TMRセンサーは、並列構造の間を電子が通り抜ける構造により、AMRやGMRセンサーの数倍の出力を生み出します。そればかりか、温度変化の影響が無い正確な測定が可能です。

ホール効果センサー技術による磁気抵抗センサー

ホール技術を採用した磁気位置センサーは、垂直な磁場により導体の片側に電荷を移動させて電圧を生成するホール効果を利用します。電荷の偏った分布は、磁場の強さに比例した電位差 (ホール電圧) を生み出します。

シャフト内の磁石とホールセンサーを、対象物に取り付けます。 対象物が移動すると、位置の変化が磁場の強さの変化となります。変換されたホール電圧は、対象物の位置を示します。

当社のさまざまな磁気位置センサー製品をご覧ください

磁気位置センサーは、磁場の測定方法と、測定すべき位置や動きによって分類されます。使用ケースは重複しますが、各センサーにはそれぞれの強みがあります。磁気スイッチとリニアセンサーはどちらも、磁場の強さと極性の測定できるホールセンサー技術を活用します。

磁気スイッチは、動作に応じてスイッチとラッチに分けられます。リニアセンサーは、正確に角度および直線的動作を検出するための信頼性の高いセンサーです。一方、3D磁気センサーは非接触で直線動作や角度を検出できるのに加え、さらに三次元的な磁石の動きを測定できる革新的なセンサーです。

ホールセンシング技術を使用する3D磁気位置センサーは、x、y、z軸方向の磁場の強さを測定できます。角度センサーは、GMR、TMRおよびAMR技術で動作し、Sine、Cosine角により磁場の位置を測定します。

磁気スイッチ

角度センサー

自動車、産業、民生用アプリケーションに最適

インフィニオンの磁気ポジションセンサーは、全ての車載アプリケーションに最適に機能します。3D磁気回転センサーは、ナビゲーションシステムやワイパーコントロール、ギアスティックやバルブ位置の検出まで、あらゆる分野で機能します。リニア磁気センサーは、安全機能、電動パワーステアリングの調整、ヘッドライトの調整、エンジンへのパワーフローの均衡を取る磁気スロットル位置検出機能に不可欠です。角度センサーは、ステアリング角度検出とロータ位置の測定に最適です。

ホール効果および磁気抵抗型位置センサーは、クランクシャフトの位置や回転を測定するクランクシャフト位置センサーなどのいくつかのアプリケーションに適用します。またシリンダー位置センサーとしても機能し、エンジンピストンの位置を検出するために使用されます。インフィニオンのすべての磁気位置センサーは、ブラシレスドライバー制御 (BLDC) モーター、ジョイスティックコンポーネント、ロボット位置制御、ウェアラブルおよびスマートホームデバイスなど、産業用および民生用アプリケーションに幅広く利用されます。

ブラシレスDCモーター整流 

ロボティクス