15億個のチップを販売:パスポートや政府系ID文書向けテクノロジーが拡大
2018年6月21日、ロンドン(英国)およびミュンヘン(ドイツ)
独インフィニオンテクノロジーズは、受賞技術であるIntegrity Guardテクノロジーを使ったセキュリティチップの販売台数が15億個に達したことを発表しました。インフィニオンはたとえばパスポートを潜在的なセキュリティ攻撃から守るなど、今日と明日の政府発行の電子ID文書を保護する強力なソリューションを提供しています。このテクノロジーには複雑なデジタルセキュリティのアーキテクチャが使用されています。これには完全に暗号化されたデータパスと、自己チェック機能を持つデュアルCPUコアが含まれています。仮に攻撃者がデータ信号を盗聴したとしても、暗号化された解読不能な情報しか手にすることができません。Integrity Guardは特に使用年数が長い、高度なデータセキュリティを必要とするアプリケーションのために開発されました。
インフィニオンのチップカード&セキュリティ事業本部のプレジデントであるトーマス ロステック(Thomas Rosteck)は次のように述べています。「Integrity Guardを基に、インフィニオンは世界で最も進化したテクノロジーのひとつを通じ、他に並ぶもののないセキュリティソリューションをネットに接続された世界に提供しています。インフィニオンはIntegrity Guardを通じた、チップベースのセキュリティに関するテクノロジーの基準を打ち立てたことを誇らしく思います。」
DNA の二重らせんをインスピレーションとするセキュリティテクノロジー
Integrity Guardは生きた細胞内での情報の保存と処理、より具体的に言えばDNAの二重らせんをインスピレーションとしたセキュリティテクノロジーです。このイノベーションを実装することにより、コントローラーにはデジタルによる強力なメカニズムが装備されます。このメカニズムはデータのセキュリティを守ると共にセキュリティの状況を監視します。Integrity Guardを通じ、コントローラーはセキュリティへの脅威に対して自律的に対応します。この自己チェック機能の中心には、すべての動作について継続的に自己チェックを行う、デュアル構成のCPUがあります。これによって「integrity protection(完全性の保護)」が得られ、そのことからこのテクノロジーは「Integrity Guard」と名付けられました。
初めての構成:どちらのCPUも完全にハードウェアによって暗号化されたアルゴリズムを使用
Integrity Guardのもうひとつの重要な要素として、情報がチップ上で平文として表示されることを防ぐため、データパス全体に対して包括的な暗号化が行われてます。2つのCPUがそれぞれ異なる動的キーを使い、完全にハードウェアによって暗号化されたアルゴリズムを使用することは、商用セキュリティコントローラーの歴史始まって以来初めてです。これが可能となったのは、真に暗号化された動作の組み込みに取り組んで来たインフィニオンが、当初の段階からCPUの実装を行ったために他なりません。インフィニオンのSLE 78ファミリーは政府系IDプロジェクトに新たな基準を打ち立てました。この成功を基盤とし、インフィニオンは次世代のセキュリティコントローラーファミリーであるSLC 52Gの提供を開始しました。既存のSLE 78製品ファミリーと共に、この拡張されたSLC 52Gポートフォリオは2020年以降にも政府系IDに関する要件を満たすよう用意されています。
優れたイノベーションに対して受賞
インフィニオンのIntegrity Guardテクノロジーは、優れたイノベーションによるデジタルセキュリティテクノロジーに対して与えられるドイツのIndustry Innovation AwardとSesame Awardを受賞しています。Federal Office for Information Security(BSI)は、セキュリティチップの評価と認証に使用される国際規格の「コモンクライテリア(Common Criteria)」に基づき、インフィニオンのIntegrity Guardをベースとするセキュリティチップが高度なセキュリティを備えていることを認証しました。Integrity Guardをベースとしたセキュリティコントローラーにおいては、20を超えるコモンクライテリアEAL 6+認証、保証継続、および再評価が達成されています。これらのセキュリティコントローラーはまた、EMVCoによるセキュリティ基準も満たしています。*
SDW 2018 でのインフィニオン
インフィニオンはSDW 2018見本市のブース番号J26にて(英国ロンドン、2018年6月25〜27日)、将来の電子政府文書に対応する超高度なセキュリティテクノロジーを展示します。6月27日11:05からはマウントバッテン6階にて、トーマス ペッペルマン(Thomas Pöppelmann)が「「Post-quantum cryptography: Challenges and opportunities for ID documents(量子コンピューティング以降の暗号化:ID文書の課題と機会)」と題した講演の中で最新の知見を明らかにします。この見本市の詳細については www.sdwexpo.comをご覧ください。
インフィニオンのセキュリティソリューションについて
150件を超えるIDレファンレンスプロジェクトを世界中で成功させたインフィニオンは、30年以上にわたりセキュリティ市場のリーダーとなっています。欧州のみでも各国による電子IDプロジェクトの75%以上、および世界中のスマート医療カードの60%がインフィニオンのソリューションを使用しています。
Integrity Guardの詳細については https://www.infineon.com/integrity-guard/をご覧ください。
インフィニオンのセキュリティソリューションの詳細については https://www.infineon.com/security/をご覧ください。
*デュアルインターフェイスソリューションは、非接触と接触の両方のテクノロジーをサポートしています。EMV® Chip Specificationsはチップベースのペイメントソリューションと受け入れ端末のグローバルな規格を定義しています。これにより安全な接触と非接触のアプリケーション、およびその他の新しいペイメントテクノロジーの使用が実現しています。詳細については www.emvco.comをご覧ください。
Information Number
INFCCS201806-063j
Press Photos
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Infineon has sold 1.5 billion security chips with its awarded Integrity Guard technology.IntegrityGuard
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Infineon provides robust solutions for enabling the protection of today and tomorrow’s government-issued electronic ID documents like passports from potential security attacks.eGate
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Even if attackers eavesdrop on the data signals, all they see is encrypted and illegible information. Integrity Guard was developed for applications with high data security requirements for a particularly long life cycle.ID-Scan
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“With Integrity Guard we provide an unrivalled security solution for the connected world through one of the world’s most advanced technologies,” said Thomas Rosteck, Division President of Chip Card & Security at Infineon Technologies. “At Infineon, we are proud that through Integrity Guard we have set the technological standard for chip-based security.”ThomasRosteck
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