CoolSiC™ MOSFET 1700V SMD、高電圧補助電源における最高の効率と複雑さの軽減を実現
2020年5月29日、ミュンヘン(ドイツ)
インフィニオン テクノロジーズ(FSE: IFX / OTCQX: IFNNY)は、CoolSiC™ MOSFETのラインアップを補完するため、電圧クラスを追加しました。今年初めに650Vをラインアップに加えたことに続き、独自のトレンチ半導体テクノロジーを備えた1700Vクラスを発表します。新しい1700V表面実装(SMD)型は、SiC(シリコンカーバイド)の強力な物理特性を最大限に活用することで、優れた信頼性、低スイッチング損失および導通損失を実現します。CoolSiC MOSFET 1700Vは、モータ駆動、再生エネルギー、充電インフラ、直流送電システム(HVDC)などの三相変換システムにおける補助電源をターゲットとしています。
このような低電力アプリケーションは通常100W未満で動作し、設計者は、シングルエンド型フライバックトポロジを選ぶことが多いです。SMDパッケージの新しい1700Vの CoolSiC MOSFET により、最大1000V DCのDCリンクに接続される補助回路にも対応できるようになりました。また、シングルエンド型フライバックコンバータを用いた高効率、高信頼性の補助コンバータを三相電力変換システムに実装することが可能です。これにより、フットプリントを最小に抑え、材料費を削減することができます。
インフィニオンのインダストリアル パワーコントロール事業本部SiCシニアディレクターのピーター フレドリッヒ(Peter Friedrichs)は次のように述べています。「動作中のパフォーマンスと信頼性のバランスがとれているCoolSiC MOSFETのトレンチテクノロジーが、1700Vで利用可能になりました。SiCの最高の特性である、低損失、小さなフットプリント、高電圧SMDパッケージを組み合わせたものとなったことにより、補助電源の複雑さを大幅に軽減することができます」
1700Vのブロッキング電圧により、過電圧マージンや電源の信頼性に関する設計上の懸念が解消されます。CoolSiCのトレンチテクノロジーの特徴は、この電圧クラスのトランジスタではデバイス容量とゲート電荷が非常に低くなっている点にあります。結果、最先端の1500VのシリコンMOSFETと比較して、電力損失を50%以上削減しつつ、効率を2.5%向上させることが可能になりました。また、他の1700V SiC MOSFETと比較しても、効率が0.6%向上しています。低損失であるため、ヒートシンクを必要としない、自然の対流冷却による小型のSMD組立を実現しています(→低損失であるため、小型のSMD実装でも、自然の対流冷却が可能ですので、ヒートシンクを必要としません)。
新しい1700VのCoolSiCトレンチ型MOSFETは、一般的なPWMコントローラでよく使われている+12V / 0Vのゲートソース間電圧を持つ、フライバックトポロジ用に最適化されています。そのため、ゲートドライバICを必要とせず、フライバックコントローラで直接作動させることが可能です。オン抵抗の定格は、450mΩ、650mΩ、または1000mΩです。新しい7リードのD 2PAK SMDパッケージでは、沿面距離と空間距離が7 mm以上に拡張されています。これにより、通常の1700Vアプリケーション要求とPCB仕様を満たすとともに、設計上の絶縁作業を最小限に抑えます。
供給状況
D2PAK-7LパッケージのCoolSiC MOSFET 1700Vは販売中で、シリーズで生産しています。詳細については、 www.infineon.com/coolsic-mosfetをご覧ください。
Information Number
INFIPC202005-062j
Press Photos
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The CoolSiC™ MOSFETs 1700 V s are optimized for flyback topologies with +12 V / 0 V gate-source voltage compatible with common PWM controllers. Thus, they do not need a gate driver IC and can be operated directly by the flyback controller.CoolSiC_MOSFET_1700V_TO263-7
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