インフィニオン、2000 V SiCモジュールでダイヘンの業界最高電力密度の系統用蓄電地向けパワーコンディショナーに貢献
2024年7月19日、ミュンヘン (ドイツ) 、東京 (日本)
インフィニオン テクノロジーズ (FSE: IFX / OTCQX: IFNNY) は、2000 Vの炭化ケイ素 (SiC) モジュールが、株式会社ダイヘンの系統用蓄電池向けユニット型パワーコンディショナーに採用されたことを発表しました。
脱炭素化に向けて、太陽光や風力発電といった再生可能エネルギーの普及拡大には、系統用蓄電池やそこに接続するパワーコンディショナーが欠かせません。発電や蓄電、送電の効率をより向上するため、近年この蓄電池やパワーコンディショナーの高電圧化へのニーズが高まっています。さらに、蓄電池システムの大規模化により、立地の確保や工事コストの低減が課題となっています。
ダイヘンが今年3月に発売した系統用蓄電池向けユニット型パワーコンディショナーは、1500 Vという高電圧での蓄電池への接続を業界で初めて実現した製品です。さらに高電圧化によって、大容量蓄電池設備に対応可能となったことで、従来に比べ、系統用蓄電池の設置面積の40% [1]の削減を実現しています。
この高い電力密度は、インフィニオンの62mm CoolSiC™ MOSFET 2000 V モジュール(FF3MR20KM1H) の採用によって実現しています。インフィニオンのSiC製品は、高耐圧・低損失、高い電力密度を可能にするSiCの特性に加え、M1H型トレンチ テクノロジーにより、ゲート駆動電圧範囲が上がり、ゲート電圧スパイクに対する高い堅牢性および信頼性を実現しているのが特長です。
また今回、インフィニオンがSiCモジュールとして業界で初めて導入した2000 Vクラスを採用したことにより、よりシンプルなインバーター回路構成を実現しています。さらに、最適な62mmパッケージにより、システムの大幅な小型化が可能になりました。
ダイヘンのEMS事業部開発部長の大堀 彰大 氏は「パワーコンディショナーの高電圧化にあたっては、従来の1200 Vデバイスでは回路構成が複雑になるという課題がありました。しかし今回、インフィニオンの2000 V のSiCモジュールを採用することで、シンプルな回路構成や制御設計が可能となり、開発リソースの軽減や設置面積の縮小を実現することができました」と述べています。
インフィニオン テクノロジーズ ジャパン、インダストリアル&インフラストラクチャー事業本部マーケティング部長の藤森正然は「当社が業界に先駆けて導入した2000 VのCoolSiC™モジュールが、業界最高電力密度の系統用蓄電池向けパワーコンディショナーの実現に貢献できたことを大変嬉しく思っています。インフィニオンのSiCテクノロジーは、蓄電システムの高効率化のニーズに応えるものであり、再生可能エネルギーの普及に大きく資するものと考えています」と述べています。
[1] 12MW/60MWh 相当の系統用蓄電池の場合。ダイヘン製 1000V 蓄電池用パワコンとの比較
インフィニオンについて
インフィニオン テクノロジーズは、パワーシステムとIoTにおける半導体分野のグローバルリーダーであり、製品とソリューションを通じて、脱炭素化とデジタル化を推進しています。全世界で約58,600人の従業員を擁し、2023年会計度 (2022年10月~2023年9月) の売上高は約163億ユーロです。ドイツではフランクフルト証券取引所 (銘柄コード:IFX) 、米国では店頭取引市場のOTCQX (銘柄コード:IFNNY) に上場しています。ウェブサイト www.infineon.com/jp
Information Number
INFGIP202407-026J
Press Photos
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The unit-type power conditioner for grid storage batteries by Daihen uses Infineon’s CoolSiC™ 2000 V modules.Daihen_Power Conditioner_Unit
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