ASUS、Infineon REAL3™イメージセンサチップにより、コンパクトなスマートフォンでも拡張現実を可能に
2017年1月5日、ミュンヘン(ドイツ)、ネバダ州ラスベガス(米国)
独インフィニオンテクノロジーズのREAL3イメージセンサチップは、ASUSの画期的な最新の拡張現実(AR)スマートフォンにおいて鍵となる役割を担っています。このASUS Zenfone ARはラスベガスで開催されたCES® 2017(International Consumer Electronics Show)に於いて発表し、周囲の状況を3D映像としてリアルタイムで把握する、3D Time-of-Flight(ToF)カメラを搭載した世界最薄のスマートフォンです。
ARは正しい大きさと遠近法に基づいてテキストや仮想オブジェクトを実際の環境に投影し、それによって環境の認識をさらに高めます。このような仮想オブジェクトには、たとえばゲーミングアプリケーションの中で動く動物やドミノ倒しなどが考えられます。家具をオンライン店舗で購入する前に、それらを仮想化して実際の自宅の環境に重ねて表示することも応用例のひとつです。消費者向けアプリケーションとは別に、製造産業では複雑な機器や建設のメンテナンスにARを使用できます。
Infineon REAL3イメージセンサとASUS Zenfone ARスマートフォンは、どちらもラスベガスコンベンションセンター、South Hall 2にあるインフィニオンのブースMP25265で展示いたしました。
Time-of-Flight が正確で強固な深度データを提供
REAL3イメージセンサチップは、スマートフォンのための世界最小の3Dカメラモジュールを構成する重要なコンポーネントです。これはTime-of-Flight(ToF)法を基盤とし、赤外線信号がカメラからオブジェクトに到達し、戻ってくるまでの時間を測定するものです。この経過時間が「time of flight」と呼ばれます。他の3D測定法と比較して、ToFはパフォーマンス、サイズ、およびバッテリ駆動のモバイル機器での電力消費の面で優れています。
ASUSは世界最大のスマートフォンメーカーのひとつです。同社の最新のスマートフォンの厚みは9ミリメートルを下回り、厚さわずか5.9ミリメートルのREAL3カメラモジュールが、最も小型のスマートフォンにも問題なく組み込めることを立証しています。この3Dカメラモジュールのもうひとつの特長に動作時でも150 mWを下回る消費電力の小ささがあり、Zenfone ARの超高度な3,300 mAhバッテリーから容易に電力を供給することができます。ASUS Zenfone ARは今年中の発売を予定しています。
インフィニオンのマーティンゴッチュリッヒ(Martin Gotschlich)(3D Imaging担当ディレクタ)は、次のように述べています。「インフィニオンの半導体を使った3Dスキャンは、現実と仮想世界との橋渡しを支えています。3Dイメージセンサを内蔵したモバイル機器は周囲の空間を認識することができ、また拡張現実アプリケーションを驚くほどの現実感と共に実現する機能も備えています。これにより従来は不可能だった、さまざまなアプリケーションやイノベーションへの道が拓かれます」
さらに発展を予想:スマートフォンの拡張現実
今日、ARは未だ初期の導入フェーズにあり、ニッチ市場を構成しているに過ぎません。日々の生活において求められるアプリケーションが登場するかどうかは、スマートフォンのユーザに掛かっています。これは巨大なビジネスチャンスとなる可能性があり、プレミアムセグメントのスマートフォンだけでも年間の販売台数は4億を超えています。今日モバイル機器向けのカメラモジュールメーカの上位5社のうち4社は、すでにインフィニオンのREAL3イメージセンサを使ったカメラモジュールの設計に積極的に取り組み、そのうちの2社はすでにデバイスの本格出荷を開始しています。これらのモジュールは、pmdtechnologiesと呼ばれる企業のカメラ用ToFリファレンスデザインを参照に設計されています。
インフィニオンと pmdtechnologies の協力について
インフィニオンは3DイメージセンサチップファミリであるREAL3を、ドイツ、ジーゲンのpmdtechnologies AGと共同開発しました。両社はカメラモジュールメーカへのテクニカルサポートを共同で提供しています。REAL3チップファミリにはpmdtechnologiesはToFピクセルマトリックスを提供しました。インフィニオンはシステムオンチップ(SoC)統合のためのすべての機能ブロックを提供し、また製造プロセスの開発も行いました。3Dイメージセンサチップは、マイクロレンズテクノロジを使いToFに最適化されたCMOSプロセスを持つ、インフィニオンのドレスデン工場で生産されています。
その他の資料
インフィニオンの3Dイメージセンサチップファミリの詳細、およびCES 2017でのインフィニオンのデモの内容については www.infineon.com/real3と www.infineon.com/CESをご覧ください。
pmdtechnologies について
pmdtechnologies AGはドイツ、ジーゲンと米国サンノゼに拠点を置くファブレスIC企業であり、世界をリードする3D Time-of-Flight CMOSベースのデジタルイメージングテクノロジーサプライヤです。2002年に設立された同社は、pmdベースのアプリケーション、pmd測定法、およびその具体化の分野で150件を超える国際的特許を保有しています。pmd社の3Dセンサは産業自動化、自動車、およびAR/VRなど幅広い消費者向けアプリケーションを市場としています。同社の詳細については www.pmdtec.comをご覧ください。
インフィニオンについて
インフィニオンテクノロジーズは、暮らしをより便利に、安全に、エコに革新する半導体分野の世界的リーダーです。明るい未来の扉を開く鍵になる半導体をつくることが、私たちの使命だと考えています。2016会計年度(9 月決算)の売上高は65億ユーロ、従業員は世界全体で約3万6,300人。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場(ticker symbol:IFX)、米国では店頭取引市場(ticker symbol:IFNNY)のOTCQX に株式上場しています。
日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp
本社サイト: http://www.infineon.com (英語)
Information Number
INFXX201701-023
Press Photos
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The ASUS Zenfone AR is the world’s flattest smartphone that offers a 3D Time-of-Flight (ToF) camera. It uses Tango technology of Google. (Photo: ASUS)ASUS-Zenfone-AR
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Martin Gotschlich, Director, 3D Imaging at Infineon Technologies AG: “3D scanning with semiconductors from Infineon helps to interconnect the real and virtual worlds. Our 3D image sensor chips enable augmented reality applications with an impressive realistic quality.”Gotschlich_Martin
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