インフィニオン、シリコンカーバイド専門企業のシルテクトラを買収

2018年11月12日、ミュンヘンおよびドレスデン（ドイツ） 

インフィニオン テクノロジーズは、ドレスデンを拠点とするシルテクトラ GmbHを買収しました。このスタートアップ企業は、材料の損失を最小限に抑えながら結晶材料を効率的に処理する、独創的なテクノロジーであるCold Splitを開発しました。インフィニオンはシリコンカーバイド（SiC）ウエハの分割にCold Splitテクノロジーを使用し、それによってウエハから得られるチップ数を2倍に拡大する計画です。同社の主要株主であるベンチャーキャピタルのMIG Fonds社との間に、1億2,400万ユーロの買収価格が合意されました。 

インフィニオンのCEOであるラインハルト プロス（Dr. Reinhard Ploss）は次のように述べています。「この買収を通じ、新素材であるシリコンカーバイドによるインフィニオンの優れたポートフォリオ拡大が促進されます。インフィニオンが持つシステムの理解と薄型ウエハテクノロジー関連のノウハウには、シルテクトラ社のCold Splitテクノロジーとイノベーション能力が理想的な補完関係にあります。Cold SplitテクノロジーによるSiCウエハ数の増加に基づき、特に再生エネルギーのさらなる拡大や電気自動車駆動系へのSiC利用拡大のためのSiC製品の増産がはるかに容易になります。」 

シルテクトラ社のCTOであるヤン リヒター（Dr. Jan Richter）は次のように述べています。「グローバルなパワー半導体市場のリーダーに、その一員として加われることを喜ばしく思います。Cold Splitテクノロジーがインフィニオンにおいて使用可能であることはすでに原理的に証明されており、今後はそれを量産に移すための取り組みを共同で進めます。」 

MIG Fondsの管理会社MIG AGのジェネラルパートナーであるマイケル モッチマン（Michael Motschmann）氏は次のように述べています。「8年以上前にシルテクトラ社に投資して以来、弊社は常にCold Splitテクノロジーと同社の優れたチームを信頼してきました。テクノロジーにおいても企業文化の面でも最適任である、インフィニオンが同社の買収を決定したことを非常に喜んでいます。また自らの投資によってドイツ経済の競争力向上に貢献できたことを誇りに思います。」 

シルテクトラ社は2010年に設立され、50を超える特許取得をはじめその知的資産ポートフォリオを拡大してきました。同社はスタートアップ企業として、一般的なソーイングテクノロジーと比較して材料の損失を最小限に抑える、結晶材料の分割手法を開発してきました。このテクノロジーは半導体に使用され、今後需要の急速な拡大が見込まれているSiCにも応用可能です。SiC製品は今日すでに非常に高効率でコンパクトな太陽光インバーターに使用されています。将来的には電気自動車におけるSiCの重要性がますます高まると予想されています。このCold Splitテクノロジーはドレスデンにあるシルテクトラ社の既存の工場と、オーストリアのフィラッハにあるインフィニオンの工場にて工業生産に応用される予定です。量産への移行は今後5年以内に完了する見込みです。 

インフィニオンはシリコンだけでなく、革新的な材料であるシリコンカーバイドと窒化ガリウムを使った、業界で最も幅広いパワー半導体の製品ポートフォリオを供給しています。また300 mmシリコン薄型ウェハを使い量産を行っている世界唯一の企業でもあります。したがってインフィニオンは薄型ウエハテクノロジーをSiC製品にも応用するうえで優れた位置付けにあります。Cold Splitテクノロジーは、特に長期的にSiC製品の供給を確実なものとすることに貢献します。今後Cold Splitテクノロジーには、たとえばブール分割やシリコンカーバイド以外の材料への使用など、さらに他の応用分野も現れる可能性があります。

インフィニオン テクノロジーズは、暮らしをより便利に、安全に、エコに革新する半導体分野の世界的リーダーです。明るい未来の扉を開く鍵になる半導体をつくることが、私たちの使命だと考えています。2018会計年度（9 月決算）の売上高は76億ユーロ、従業員は世界全体で約4万100人。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場（ticker symbol:IFX）、米国では店頭取引市場（ticker symbol:IFNNY）のOTCQX に株式上場しています。 

日本法人サイト： http://www.infineon.com/jp 

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